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  作者: 関西人
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出会い

   第一章 出会い


 息苦しさで目が覚めた。

 体を跳ね起こし、自分の体を見やる。まだ春先で夏には早いというのに全身に汗を帯び、心臓は鳴りっぱなし、浅い息を繰り返し、頭は痛い。

悪夢を見ていたのは間違いないだろうが、どういう内容だったのかは思い出せない。ただの怖いという夢ではなかったような気はするが、悪夢には違いはなかった。

 窓からはぼんやりとした光が入り込んできている。

まだ早いだろうなと思いつつ時計を確認すると、案の定というべきかまだ六時前でもう一眠りする余裕があるくらいの時間はあったが、もう一度床に就くという気分にはとてもなれなかった。

 早起きしたとしても特段これと言ってやることないので普段は割とぎりぎりまで寝ているのだが、今日ばかりはもう目が冴えてしまっていた。

仕方がないので何かやろうと起きあがった時に全身が汗に濡れていて、寝間着のシャツが肌に引っ付いて気持ちが悪いということに今更ながらに気付いた。

「シャワー、浴びよ」

 そうと決めたらベッドから降り、クローゼットから替えの下着を取出し、さっさとシャワーを浴びてしまうために扉を開けて階下へと向かった。

 リビングをちらと覗いたがまだ電気はついていなかった。つまり母親はまだ寝ているのだろう。僕の早起きが珍しいように、母親も早起きなんてしない、というか起床時間は普段の僕より更に遅い。別に夜の仕事をしているだとか、残業を毎日しているというわけでもないのに何故こんなにも寝ていられるのかは不思議であるが。

 確認を終えた僕は浴室まで行き、服を脱ぎながら考える。何故こんなにも夢で不安になっているのだろうか、と。

 シャワーを浴びても、ねっとりとした不安は流せなかった。




 心にもやっとしたものを抱えながらも、身体の汗を洗い流した僕はリビング兼ダイニングでテレビを点けた。この時間は情報番組しかやっていないが、BGMがてらに流す。

 大体いつもは冷蔵庫の中に母親が昨晩作ってくれている残りがあるためそれを温めれば朝食は完成なのだが、今日は冷蔵庫の中に何もなかった。作り置きがないだけならまだいい、のであるが…。

「食材までない……」

 緑茶の二リットルのペットボトルとマヨネーズやケチャップ等色んなものが入ってはいたが、調理しても食べられる食材という意味では一つたりとも入っていなかった。

 文句の一つでも言おうと思ったが、そこで書置きと五千円札が重し代わりのペンの下に無造作に置かれていることに気付いた。

『食材全部使っちゃったけどどうにか出来るでしょ?あと、お母さんは今日遅いから夕ご飯の期待はしないように。そういうわけでお金は置いておくから、お釣りは好きに使いなさい』

 夢見が悪くて早起きしなけりゃ朝飯はどうさせるつもりだったんだとか、せめて食材だけでも残すことは出来なかったのかとか。

頭を抱えたくなったけれど、とりあえず家を出ないと何も食べ物にありつけないことだけは確かなようだった。

 着替えたばかりだが部屋着から制服へと着替え直し、外出の準備を整える。財布に五千円をしっかりと入れて、僕は戸締まりをして家を出た。

 向かう先は夏原家。

 我が家の門扉からは歩いて十歩といっても良いくらいの近さで斜向かいに家を構えている。

 朝早くから申し訳ない気持ちもあったが、携帯で時間を確認した限り夏原家の母親である由梨おばさんは起きているはずだ。

 こんなことも知っているのも夏原杏は生まれて以来の付き合いであり、宍倉家と夏原家は家族ぐるみの付き合いがあるからだ。特に母親同士は事あるごとにどこかに外食しに行く仲であり、最近でこそなくなったものの昔はよく僕と杏も連れて行かれたものだった。

 門扉横のインターフォンを押してしばらくすると陽気な声と共に扉が開いた。

「あらあらー。おはよう、瑞樹君」

「おはようございます、由梨おばさん」

「こんな時間に来るなんて珍しいけどどうしたの?」

「不躾なんですけど、朝御飯を分けて貰いたくて……」

「全く……彩愛は。でも、最近は食べに来てくれなかったから寂しかったのよ?」

 まだ自分で料理なんて出来なかった小学校の頃は毎日のように朝はお世話になっていた。というよりも自分が起きられないことを踏まえた上で由梨おばさんに頼んでいたらしい。

「まあ、いいわ。こんなところでずっと立ち話っていうのもなんだし、とりあえずあがっていって。私達も今から食べるところだったから」

「あ、はい。ありがとうございます」

「そんな他人行儀じゃなくていいのよ」

 くすくすと笑う由梨おばさんに連れられそのままリビングまで通された。

「瑞樹君の分も作って来ちゃうから、一つ仕事を頼んでいいかしら?」

「はい、なんですか?」

「杏がまだ起きてきてないの。もうすぐご飯が出来るから起こしてきてくれないかしら?」

「え、僕がですか?」

「そうよ。杏もきっとその方がうれしいはずだし」

 後半の方は小声になってよく聞き取れなかったが、目が絶対に行かせると言っているので素直に従った。

「分かりました」

「じゃあ、頼んだわねー」

 由梨おばさんはそう言い残し、キッチンの方へと消えていった。

 この家の敷居をまたぐのも本当に久しぶりな気がするが、細かいところをのぞいて全然変わっていなかった。

 小学生のころは毎朝ご飯を食べに来て、放課後はいつも遊んでいた。しかし、成長して思春期に入ったところで僕の方が気恥ずかしくなり、理由を付けて距離を置いていた。それに合わせてくれたのだろうか、杏も僕と距離を置くようになり、だからこそ本当にこの家に入るのは久しぶりだった。

 階段を昇り、小さい頃と変わらない場所にある杏の部屋の前に立った。

 最後に入ったのはいつだろうか。中学生の頃には疎遠になっていたから、小学校の高学年あたりになるのだろうけれど。

「まさか、こんな羽目になるなんて」

 嘆息しながらも、起きているかもしれないという配慮のもと、一応ノックをしてみる。

「反応なし、ね……」

 僕自身も大概ぎりぎりまで寝ている人間ではあるが、アラームを設定した時間にはきちんと起きることが出来る。

 だけれども僕の母親や杏はそんなアラームすら無視して寝続けることが出来る程に寝起きが悪い。だからこそ起こす人間が必要となるのだけれど、僕の母親はそれですら起きない。閑話休題。

 小さい頃と同じであれば、杏は起こす人間がいれば割とすぐに起きる。

 意を決してドアノブに手をかけ、ゆっくりと回した。

 部屋の中は薄暗く、カーテン越しに伝わる日の光だけが部屋を照らしていた。相変わらず女の子らしい小物が多いな、と思ったところで首を横に振り、さっさと起こして出てしまおうと思い直す。

 カーテンのすぐ下、窓際にベッドがあり、杏はその上でぐっすりと眠っていた。その前に覗き込むようにして立つ。

 とりあえず肩を揺すってみることにする。

「おーい、杏。起きろー」

「う……ん……?」

 反応はあったが、すぐにまた寝返りを打って、静かな寝息を立て始めた。こんなに寝起き悪かったかなとも思ったが、どうにも小さな頃の思い出すぎてはっきりしない。

 仕方がないので、僕は次に頬を軽くぺしぺしと叩く。

「おーい、もう朝だぞー。杏―、起きろー」

「ん……もうちょっと寝かせて……」

 ここで引いたらまた眠りについてしまうだろうという推測を立て、さっきよりも少しだけ強めに叩く。

「もう由梨おばさんも朝飯の支度して待ってるぞー」

「だから、もうちょっと寝かせてって……ん……ママ、じゃない……?」

 そこでやっと杏は重い瞼を薄く開いた。そして、顔を真っ赤にした。

「み、瑞樹!?なんで私の部屋に入ってるの!?」

 起こすことには成功した。後は何事もなく無事にこの部屋を脱出するだけだ。

「よし、起きたな。由梨おばさんが下で飯の準備して待ってるから、早く着替えて降りてこいよ」

「待ちなさい」

「……はい」

 起こしてあげたのだからお礼を言われることこそあれど、文句を言われる筋合いはないだろうと思いながらもそれを口に出せるほど僕は肝が据わっていなかった。

「まずなんで瑞樹がここにいるの?」

「朝飯がなかったから、です」

 意味不明だと思いながらも事実なのでこういうしかなかった。杏は口調こそ穏やかだが下手なこと喋ると怒る。絶対に怒る。

「それがなんでここにいることとつながるの!」

 ほんとごもっともです。とはいえ爆発を目の前で見る趣味も爆発の煽りを受ける趣味も僕にはないのできちんと順序立てて説明する。

「朝珍しく早起きしたら、食材も何もないことに気付いて、助けを求めるために杏の家に行ったら由梨おばさんと出会って、ご飯の準備するからその間に杏を起こしてくるように頼まれまして」

 思わず敬語になっているのはご愛嬌というものだ。

 僕の説明を聞いた杏は深くため息をつき、頭を抱えていた。いつもは後ろで一括りにしている長めの髪がぼさぼさになっているせいで、まるでテレビの中から出てくるホラー映画に出てくるような幽霊や怪物のようになっていた。端正に整った顔立ちも相まって、本当に映画のキャストのように見えるくらいだ。

 自分の中で一区切りついたのか、杏は僕の方へと顔を向ける。

「瑞樹が無断で入ってくるわけないものね。まあ、いいわ、信じてあげる」

「うん、というか別に由梨おばさんに確認してくれても大丈夫だけどな?」

「どうせ面白がって入れたにきまってるもの……」

「ん?」

「なんでもない!」

 杏は強く否定すると、脇に置いてあった目覚まし時計を確認し、僕に対して手で追い払う仕草をした。

余談だが、その目覚ましは何度も強い衝撃を受けてきているのか全体的に凹みが見られた。

「もうすぐ朝御飯なんでしょ! 着替えるから出てって!」

「あ、ああ! そういうことな! じゃ、下で待ってるから!」

 意図を理解しない僕に対し、痺れを切らした杏は顔を赤くしながら、今にもものを投げつけそうな勢いでまくし立てた。

 その勢いに押され、僕はそそくさと部屋から抜け出した。

 扉を閉めてようやく一息をつく。

 しかし微かに聞こえる衣擦れの音に、ずっとこんなところにいたんじゃ覗きと勘違いされてもおかしくないだろうと思い、さっさとリビングに戻らせて貰うことにした。

 階段を下りて再びリビングに戻った僕は食卓に三人分の食事の準備が着々と進んでいることに気付いた。

「あら、起こせた?」

 横合いから不意に声をかけられる。そちらを見やれば由梨おばさんが料理の乗った食器を片手にキッチンから来ていた。

「いつもならもっと時間かかるんだけど。流石瑞樹君、仕事が早いわね」

 いやらしさは全く感じないが、ニコニコというよりはニヤニヤという表現がしっくりくるような笑みを浮かべている。

「ふふ、もうすぐ出来るからそこのソファーにでも座って待ってて」

「あ、はい、ありがとうございます」

 配膳くらい手伝おうと思っていたのだけれど、タイミングを逸してしまったので仕方なしにソファーに腰掛けた。

 テレビから流れるのは僕が家でつけていたのと同じ情報番組だった。

お堅い感じではなく、軽く流しながら時間も確認できることで毎朝つけているのだが、現在は連日続いている通り魔殺人事件の概要を解説しているところだったので、キャスターの声にも真剣みが帯びていた。

 そんなに長い間見ていたわけではないと思うが、いつの間にか準備を終えた由梨おばさんが食卓に配膳を終えていた。

「なんだかこの通り魔こっちの方にだんだんと移動してきてる気がするわね」

「そうですね」

 ここ一週間で四件の事件が起きているが、まだ捕まるどころか目撃証言すら全くなく、手がかりがほとんど掴めていないのだろう。

だが、犯人は見つからないようにするためか、はたまた別の目的があるのかは定かではないが移動をしている。そして台風の進行予想図ではないけれども、そういう風に見ると確かにこちらの地区へと向かってきている気がする。

「この犯人は用意周到みたいだし、一人にならなければ襲われないでしょ」

「そう、ですね」

 そこで階段を下りる忙しない音が聞こえた。

「あの子も来たみたいだし、ご飯にしましょうか」

「はい」

 もう、通り魔事件のニュースは終わっていた。




「ごちそうさまでした」

「はい、お粗末様~」

 テーブルに並んでいた洋風の朝食というに相応しい料理の数々は、僕と杏と由梨おばさんによって全て食べ尽くされた。

 朝食中こそ和やかに近況報告などをしていたが、杏が部屋から降りてきたときは大変ご立腹だった。

 それをあれよあれよという間になだめてしまった由梨おばさんの手腕は流石杏の母親というしかないものだったが。

「そろそろ出た方がいいんじゃない?」

「ああ、いえ。片づけ手伝ってから行きますよ」

 僕はそう切り出したが、由梨おばさんは笑って手を横に振り、やんわりと断ってきた。

「ほんと気にしないでいいのよ」

「そうそう。それに時間結構やばいでしょ?」

 杏にまで同調され、仕方なく時間を確認すると、確かに走らなければならないという時間ではないものの心もち早く歩かなければ遅刻するという時間にまで迫っていた。

「遅刻しそうになったら私、瑞樹置いていくわよ?」

「杏の足、ほんと速いからなー……」

 男女差や体格差といった諸々の事情ひっくるめたとしても絶対に僕は杏には運動では敵わない。情けなさよりも先に圧倒的な戦力差、もとい身体能力を前に諦めを感じるくらいに杏の運動神経は凄い。僕が短距離くらいしか体力がもたないもやしっ子というのもあるのだろうけれども。

「じゃあ、すみません。お言葉に甘えます。ご馳走様でした」

「最初からそう言ってるじゃない」

 食事までお世話になったため少しでもお返しがしたかったが、僕は観念して学校に向かうために鞄を手に取る。

「いくか」

 僕の言葉に杏も頷いてくれる。席を立ち、僕の鞄の隣においていた飾り気のない学生鞄を手に取り、片づけをしている由梨おばさんの方を見る。

「じゃ、いってくるね」

「ありがとうございました。いってきます」

「はい、いってらっしゃい」

 見送ってくれた由梨おばさんに対してもう一度お辞儀し、僕達は少し急ぎ目で杏の家を出た。




 結局学校についたときには僕は置いて行かれていた。

 息を切らしながらなんとか本鈴に間に合った僕は教室の後ろの扉を開く。

 時間を気にしながらもまだざわめいているクラスメイトたちのお陰で僕に気づいた人はいても、特別注目されるということはなかった。

杏は気づいたのだろうが、一瞥をくれただけで、すぐに友達との談笑に戻った。

 息を整えつつ、僕は窓際の自分の席へ向かう。

 着席すると僕の前に座っていた男子生徒が声をかけてきた。

「よう、宍倉。お前が遅刻ギリギリなんて珍しいじゃねえか」

「おはよう、乾。そうかな? いつもギリギリまでは寝てるつもりなんだけど」

 話しかけてきたのは乾宏幸。ちょっとした不良っぽい人相や制服の着崩しをしているが、話してみると気さくな奴で、成績も優秀だったりする。ちなみに皆勤賞。乾と知り合ったのは去年で、同じクラスだったというだけだ。

まだ新学年が始まって一月も経っていないため、喋る相手が乾のような元クラスメイトくらいだった。

「つっても予鈴にはいつも来てるだろ」

「まあ、そうだな」

 いつもは十分前行動を心掛けているとは言わないが、平穏な学生生活に余計な波風をたてないために予鈴には間に合うように時間をはかって来ている。

 今朝の事情を話そうとしたが、杏の家に訪れたことを話して良いものか考えあぐねているうちに教室の教卓側の扉が音を立てて開いた。

「ちっ……今日は早いな……。せっかく噂の転校生の話でもしてやろうと思ってたんだが。とりあえず後だな」

「ふうん? ま、後で頼むよ」

 少し気にはなったが、どうせすぐに終わるショートホームルームの後にでも聞けばいいだろうと思い、教壇に立った男性教師の方に向き直る。

 担任はやる気のないタイプではないが、さりとて熱血タイプでもないので淡々と事務連絡を済ませていく。

 いつもなら連絡事項を終えて、すぐに日直に指示を出すのだが、入ってきた扉の方をちらりと見て一つため息をついた。

「あー……今日、本当は転校生を紹介するはずだったんだが、来ないのでまた明日紹介することにする。では日直!」

「は、はい! 起立! 礼!」

 日直が号令を動揺しながらもつつがなく終わらせ、教室内に喧噪が戻った。

 担任はにがりきった顔になりながら職員室の方へ戻って行った。

 去ったのを見やるや、クラスメイトのざわめきはホームルーム開始前よりも一層大きくなり、その話題の中心はやはり件の転校生であった。

 まだ新学期始まって間もないという時期に転校生が来るというのだから、当然といえば当然のざわめきだろう。

 それに合わせてというわけでもないだろうが、乾がまた僕の方を向いて話しかけてきた。

「さっき言おうとしてたのはこの転校生のことだぜ。いや分かってるとは思うが」

「それは確かに分かってるけど。でも乾が何か言うくらいなんだ。ただ転校生が来るって噂だけじゃなかったんだろ?」

「ああ。といっても担任がほとんど話しちまったんだけどな」

「ふーん。つまり転校生が今日来るはずだったのに来てないって噂がたってたわけだ。で、さっきの担任の話で裏が取れた、と」

「ま、そういうこった。補足するとすれば、その転校生とは連絡がついてないだとか、事故に巻き込まれてるだとか、美少女だとか、そもそも人間じゃないだとか、もう尾ひれがつきすぎてどんな噂だったのか分からんくらいだ」

「ファンタジー要素まで混じってるんだな」

「はは、要は噂なんて当てにならんってことだ」

 二人して笑いあった。

 転校初日に休むなんて珍しいが、ないことではないのかななどと考えていると乾がまた切り出してきた。

「そういや、お前なんで今日遅れかけたんだ? 結局さっきは話ぶった切られたしな」

「ああ……。簡単に言うと冷蔵庫の中に何もなかったから朝食の調達をしてただけだよ。うちの母親だと稀にそういうことがあるんだよ」

「大分前にも同じこと言ってたな。でもそのときは確か食わなかったんじゃなかったか? いつも通りの時間に来て愚痴ってた記憶があるんだが」

「今日は…親切にしてもらってるご近所さんの家でお世話になったんだ。美味しくて、お蔭様でぎりぎりまで食べて遅刻しそうになったんだけど」

「いいねぇ。俺もそういうご近所付き合いとかしてみたいもんだ」

「乾の場合は人相のせいで確実に第一印象は怖がられるよな」

「この野郎! と言いたいが全くその通りだから何もいえねえな」

 乾はその外見に違わず本当に腕っぷしも強いので、怒らせると怖いがこういう冗談は通じるのだ。

喧嘩は外見のせいで絡まれることが多く、その過程で強くなっていくという本当はいい奴な不良が主人公の漫画にありそうな話だった。

 僕達は一限目の数学の授業が始まるまで世間話に花を咲かせていた。




 授業が全て終わり、朱い光が窓から差し込んでくる教室で僕はぐっと伸びをした。

 結局今日の授業全部が終わっても噂の転校生が姿を現すことはなかった。一向に来ない転校生を燃料に、噂は加速していき、今では亡国のお姫様がどうのこうのという突拍子もない噂まで出てくる始末だった。

 ホームルームも終わり、ゆっくりと帰り支度をしていると乾がすでに支度を整えて僕の前に立っていた。

「宍倉、今日はどうする?」

 どうするか、というのは遊びに行くかどうかということで、僕と乾は暇さえあればどこかに遊びに行っているのだが。

「ごめん、乾。今日は無理だ」

「どうしたんだ?」

「いや、今朝も言ったけど、冷蔵庫の中身空っぽなんだ。ついでに言うと今日は母親も遅いから晩飯どころか明日の朝飯さえ危ういからさ」

 せめて惣菜くらいは買っておかないと明日の朝も夏原家で厄介になってしまう。

 由梨おばさんは嬉々として招き入れそうではあるが、また杏を起こさせるだとか僕の想像には及びもつかないとんでもないことをさせそう、もしくはされそうで怖い。

「ああ、分かった。別に俺も飯を外で食ってもいいんだけど、手持ちがちょっと心もとねえしな。今日は帰るとすっか」

「また明日」

「おう」

 僕は手を振り、乾はそれに合わせて手を挙げて帰って行った。

 そんなに乾との会話で時間が経ったつもりはなかったが、もう教室に残っていたのは僕と杏の二人だけだった。

 杏は先ほどまで会話していた乾と同じ場所に来た。

 少し開いていた窓から風が吹き、初夏を感じさせる暑さと涼しさの混じった風が杏の長いポニーテールを揺らした。

 机の上に乗っかり、夕陽を浴びる杏の姿はまるで一枚の絵のようだった。

「なんで、私のこと言わなかったの?」

 詰問するでもなく、ただ純然たる問いかけ。

 だが、杏の目は反らすことを許さない意志の強さを感じさせた。

「なんでって……付き合ってると勘違いされても困るだろ。乾はそういうやつじゃないけど、周りのやつが聞いてるかもしれないからな」

 今朝の会話を思い出し、自分が何故言い淀んだかを考えた結論がこれだった。

 だけれども、杏は静かに首を横に振った。

「誰が困るの?」

 僕。杏。杏のことが好きな誰か。

「そりゃ、杏に決まってるだろ」

 杏のことが好きな誰かさんも困るだろうが、そんなことは知ったことではない。

 僕のことを置いて走って先に教室に入ったのも関係を勘ぐられるのが嫌だからだろう。

 そう推測し、僕は素直に心に思ったままに答えた。

 その言葉に納得をしたのか、反転して僕に背を向けた。

「別に困らないのに」

 ぼそりと何かを呟いたが、また教室に吹いた風が流していってしまった。

 そのことを僕が反応する暇さえ与えず、杏は自分の席に置いてある鞄を手に取りに行く。

 鞄を肩に掛けて、僕に対して微笑む。

「じゃ、また明日」

「あ、ああ。またな」

 何を考えているのか、全く分からなかった。

 幼馴染なのに。

 僕はただ、見送ることしか出来なかった。




 流石にあの後は料理などする気など起きず、かといって杏の家に行って料理をご馳走になるなどという気にも勿論なるはずもなかった。

 必然的に外食という選択肢を取らざるを得なかったが、一人で入れるところなど、僕の脆い精神力ではラーメン屋が限界だった。

 こってりなとんこつスープのラーメンを食べた後、家路の途中で冷蔵庫の中身が何もないことを思い出した。

「コンビニで朝飯買っとかないと」

 来た道を少し引き返すことになるが、明日の朝に買いに行くことに比べれば何てことはない労力だった。

 大分夜も更けてきたせいか、道の人通りは随分とまばらだった。

 僕の住んでているこの街は都市郊外にあたる、いわゆるベッドタウンともいうべき場所であり、駅に続くメインストリート以外は飲食店や小売系の店などがほとんどない。飲食店はあってもせいぜい喫茶店や居酒屋ぐらいだ。

 そういった立地ということもあって、もう十時を超えた今の時間帯だと、仕事から帰ってきたサラリーマンくらいしか見当たらない。

 道行く人たちとは逆行して駅の方へ向かう。

 もちろん駅前にもコンビニはあるのだけれど、そちらまで行ってしまうと遠いのでもう一つのコンビニを目指す。

 大通りを曲がり、さっきまでの明るさとは一転して二十メートルおきくらいにしか電灯がない閑静な道を歩く。

 カツカツ、と自分の歩く足音がやけに大きく聞こえる。

 不意にコツ、という僕の足音とは違う足音が後ろから響いた。

 振り返ってみる。

 しかし、そこには誰もいない。

 普段なら気にせずにそのままのペースで歩いていただろう。

 だが、今朝見たニュースのせいで少し恐怖心が煽られた。

 少しだけ早歩きにしてみる。

 カツカツカツコツカツカツコツカツカツカツカツ。

 やはり自分とは違う足音が後ろから聞こえる。

 しかも、僕に合わせて早歩きになったせいか足音がより聞こえるようになった。

 流石にもう振り返る勇気はなかった。

 僕は全力で走りだした。

 閑静な住宅街を二つの音が駆け抜けていく。

 やっぱり、追ってきている。

 僕を……狙っている。

 そう思うと寒気が全身を襲った。

 恐怖に身が強張りそうになった。

 呼吸が上手くできない。

 足が上手くまわらない。

 だが、それでも走る。

 走らなければ、殺される。

 元々、僕は体力なんてない。

 だから走って、人を見つけて助けを求めたいのに、全く出会わない。

 もう周りは全く知らない道だったが、追跡者は僕を完全に追ってくる。

 だから、焦った。

 焦ったせいで、知らない場所なのに曲がってしまった。

 そこは袋小路だった。

 申し訳程度に電灯の一つがそこを照らしていた。

 僕はその場所で立ちすくんでしまった。

 僕の足音が聞こえなくなってか、この場所が行き止まりだと知っているのか定かではないけれど、追跡者の足音はゆったりとしたものになっていた。

 一定のペースで響くコツ、という音。

 それがまるで十三階段を一段一段のぼっていく音に聞こえた。

 僕は疲れと恐怖のせいで未だに息が整わない。

 膝が笑っていて、立っているのがやっとだ。

 最期だというのに落ち着いたとか言う映画や物語の中の登場人物がいるが、あれは絶対に嘘だ。諦めで怖れを上塗りすることなんて僕にはできない。

 曲がり角の影にいることが足音と気配でわかる。

 僕は後ずさりし、壁に背中をぶつける。

 そして壁にぶつかる音が契機だったように、追跡者が最後の一歩を踏み出してくる。

 ようやく姿を見せたとき、僕は息をのんだ。

 丁度街灯の下に現れた姿は可憐な女の子だったのだ。

 セミロングの髪を風に揺らし、こちらに近づいてくる。

 シャツとスカートという普通に町に歩いている女の子の格好をしているはずなのに、その少女が着るだけで映える。

 後ろ手に組んだまま、僕の目の前まで歩いてきた。

 その子は腰を少し折って、上目遣いでこちらを見、微笑みかけた。

「初めまして、ミズキ」

 そうして後ろ手に組んでいた右手を僕に差し出す。

「わたしはイオン。よろしくね」

 これが僕とイオンの出会いだった。



 姿を現して、こちらに近づいてくるときから感づいてはいたが、あの少女、イオンはやはり通り魔ではなかった。

 そうして安心した僕は握手を求めて差し出された手を無視して、情けないことにその場にへたり込んでしまった。

 今までの緊張や恐怖が一気になくなり、疲労がどっと押し寄せてきた。

 安堵のため息を大きく吐き出したところで、ようやく目の前の少女が目を丸くしていることに気付いた。

 僕と目が合うと苦笑して。

「立てる?」

 握手のために差し出した手を、そのまま僕に向けてくれた。

 僕はその小さな白い手を借りて立ち上がった。

「ありがと」

「いえいえ。というか驚かしちゃったのかな? ごめんね」

「ああ、うん。実は通り魔かと思った」

「あはは。ほんとごめんね。挨拶したかっただけなんだけど、ミズキが逃げちゃうから追いかけちゃったの」

 そこでふと忘れてたことに気付く。

「そういえば、どうして僕の名前を知ってるんだ?」

 そこで少女はこほんと咳払いをし、神妙な顔を浮かべる。

「そうだね。じゃあ、改めて自己紹介させてもらうね。わたしの名前はイオン。悪魔のイオンだよ」

「あく……ま……?」

 現代日本ではそれこそ物語の中でしか聞かないような単語を反芻する。

「そ。まあ悪魔だからキミの名前を知ってるってわけじゃないんだけどね」

 とんでもない電波だ、信じられない、と一笑に付してしまってもいいが、イオンの目は真剣そのものだった。

「……なんでその悪魔が僕に挨拶に来るんだ?」

「うーん。とりあえず落ち着ける場所に移動しよ?」

「それは、いいけど」

 なんだかいやな予感がした。

「じゃ、ミズキのウチにレッツゴー!」

 そう言い放つ、イオンの顔はさっきまでとは打って変わってとても楽しげだった。




 そして結局僕の部屋にまで来てしまった。

 まだ母親が帰っていなかったのは不幸中の幸いだったと言える。

 イオンは僕のベッドに腰掛けたので、仕方なしに僕は床に座る。

落ち着いたところで再度質問を投げかけた。

「で、なんで僕のところにきたんだ?」

「わたしより上の人……人っていうか悪魔? の命令だよ」

「だから、なんでそこで僕なんだ! 自分でこういうのもなんだけどこれといった特徴もない平凡な人間だぞ!」

 そこでイオンは初めて考える素振りを見せた。少し逡巡したあと、軽い微笑みを浮かべて僕に向き直った。

「いいよ。教えてあげる。別に言うな、とは言われてないしねー」

 悪魔というよりは小悪魔的な笑顔で僕に対して体を近づけてきた。

「な、なんだよ……」

 いやな予感がし、じりじりと後ずさるが、イオンはそんなことおかまいなしににじりよってくる。狭い部屋の中では距離をあけるにも限界があった。僕は壁へと追い詰められ、イオンは僕の顔へ無言のまま顔を接近させる。

「ミズキにはね、悪魔になる素質があるんだよ」

 そう、耳元で小さく囁いた。

「……へ?」

 何かされると覚悟して目を閉じていた僕は反応が遅れて、つい間抜けな声をあげていた。

 僕の反応が気に食わないのか、イオンは少し声を大きくしてもう一度言った。

「悪魔になれるよ! っていってるの!」

 嬉しくないの?とでも言いたげな顔でこちらをジト目で睨みつけてくる。

「悪魔って……イオンみたいな?」

「そう! 素敵でしょ?」

 改めてイオンを見つめるが、角が生えていたりだとか耳が尖っていたりだとか羽が生えていたりだとかそういった非人間的な要素はない。いや、確かにこの世のものとは思えない可愛さをもっていると言われれば十分に非人間的と言えるのだろうが。

「そんなにじっくり見られると流石に恥ずかしいんだけど……」

「うわ! す、すまん!」

 近くでじろじろと見てしまっているのに気付き、距離を取るために思わず飛び退こうとするが壁に頭を思い切りぶつけただけだった。

「だ、だいじょうぶ!?」

 頭を抱えていた僕を心配するように顔をのぞきこませようとするので、慌てて立ち上がる。

 急に立ち上がった僕を不可解に思っているのか、イオンは怪訝そうな顔をしていた。素直に見惚れるほど整った顔が近くにきたのでびっくりした、なんて目の前で言えるわけもなく、強引に話題を戻す。

「それより悪魔になるってどういうことだよ?」

 強引すぎたかと自省したが、イオンは割り切ったように一つ頷くと僕のベッドの方に戻り、腰掛けた。

「そうだね……どこから話そっか。いざ話すとなると難しいもんだね」

 イオンは苦笑しつつ、頭をかく。

「まず、ミズキは天使と悪魔の戦争って知ってるかな?」

「あれだろ? 聖書だったかなんだかは知らないけど、そういうのに載ってるやつだろ?」

「そだね。ある一面で見ればああいう書物も真実を表してると言えなくもないんだけど。実はその戦争ね、まだ決着ついてないんだ」

 あまりにも軽く言うものだから世界的に有名な話が否定されたことに一瞬気付けなかった。

「は? え? 決着ついてないってどういうことだよ。天使が勝って人界は平和ですね、って話じゃないのかよ?」

「うん、まあ一時期は……特に話が伝承し始めた時期は確かに天使サイド有利だったし、今でも一進一退くらいだけど、それでも悪魔サイドは負けてないよ」

 訳が分からなかったが、お構いなしにイオンは続ける。

「今現在はもうほんと消耗戦で、この世界風に言うと世界大戦状態とでも言うのかな。それでも天使側はまだいいよ。教会っていう人界の物資補給拠点があるからね」

 ファンタジックな話をされているはずなのに戦略シミュレーションの話をされているように聞こえてしまう。

「悪魔側は召喚してくれる人間から代償頂いて細々とやってるっていうのにね! 全く、上の経営方針が無茶苦茶だと末端が振り回されるっていうブラック企業のいい例だよ!」

 とても悪魔の言葉だとは思えなかった。というか世知辛かった。

「その上願い叶えてあげてるっていうのに、代償をもらっていくことで人間から逆恨みされるんだよ!? 自業自得とは言わないけど、流石に恨むのは筋違いだと思うの! こんな割に合わない仕事がある!?」

「あ、いや……なんかすまん」

 反射的に人類を代表して謝らせて頂いた。

「いやこっちこそ……。平には愚痴すら許されないの……。こほん。話を戻すね。そんなこんなで不足しているのは何も物資だけじゃなくて人材……いや不足しているのは悪魔だから悪魔材? とにかく戦力も足りないの。わたしの仕事は悪魔になっても通用しそうな人間をスカウトすること」

「そしてその人間が僕だ、と」

「そういうこと」

 笑顔でブイサインを決めてこちらに向ける。

「最初にも言ったけど僕、本当に平凡人間だぞ。勉強が少し出来るくらいで運動はあんまり出来ないし。これはさっき追いかけてきたから知ってるとは思うけど。そういうんじゃないとしたら一体悪魔の素質っていうのは何なんだ?」

「正直素質っていうのは人間界でのステータスなんてあんまり関係ないの。うーん……魔法攻撃力っていうのが一番近いかな?」

「本当にゲームの話にしか聞こえなくなってきた……」

「あはは。まあでも隠しパラメーター的なものではあるね。人間じゃ扱えない能力を扱うために必要な素質だから」

「人間じゃ扱えない能力って……そういえば、悪魔ってどんなことが出来るんだ?」

「ソロモン七二柱や大魔王みたいなお偉いさんとかだとまた違うんだけど、わたしのは簡潔に言ってしまうと事象干渉だね」

「もうそれだけで勝てそうなくらい万能な能力だな……」

「あ! 勘違いしないでね? 事象改変じゃないから、ロールプレイングゲームでいうとラスボスなんていなかった、なんて奇跡は起こせないよ? もちろん、わたしの干渉力……つまり魔法攻撃力が高ければそれも出来るんだろうけどね」

「じゃあ、何が出来るんだ?」

「そうだねえ」

 むんむんと考え出す。

 イオンが考えている間に、玄関の扉が開く音がした。

「まずい……イオン隠れて。母さんが帰ってきた」

「うん、分かった」

 頷きながらもイオンはベッドの上に座ったまま動こうとしない。

そうしてる間にも階段をのぼる音が聞こえてくる。

「イオン、早く!」

「効果が一目瞭然だからこっちにするね」

 焦っているのは僕だけで、イオンは悠然としている。

 そしてついにドアの取っ手が回されたと同時にイオンが指を鳴らした。

 カッという中指と人差し指から放たれる小気味よい音が響き、そしてドアが開いた。

「丁度よかった。おみやげ買ってきたから呼びに来たんだけど、イオンも一緒だったのね」

「そうだよー。すぐ降りるから下で待ってて」

「はいはい。じゃあ二人ともすぐに降りてくるのよ」

 満面の笑みで返事をして、イオンは母親を追い返した。

 僕は質問責めにされることを想定していて、何の疑問も抱かずにイオンと母親が会話している状況をただ呆然と眺めることしかできなかった。

「ふふ。これが私に出来ること」

 どや顔で僕に言い放ったところでようやく我に返った。

「何をしたんだ……?」

 改めて超常現象を目の当たりにした僕は恐る恐る聞いてみた。

 イオンは僕の不安を見抜いたのか余裕のある優しげな笑みを浮かべた。

「やったことは単純。認識操作とでも言えばいいのかな?ミズキのお母さんにわたしをミズキのお姉ちゃんとして認識してくれるようにしただけだよ」

「…………え? 姉として?」

「引っかかるのそこなの!?」

 僕自身もこの反応はどうかと思うがそれよりも気になったのがイオンの年齢なのだから仕方ない。

 イオンの見た目は同い年か少しだけ年下に見えるくらいで決して年上には見えない。いや、 そういう姉弟も存在するとは思うけれど。

 動揺していた僕は直球を投げかける。

「イオンは何歳なんだ?」

「教えてあげなーい」

 べー、と舌を出しながら言ってくる。

 でも、とイオンは前置きして。

「年上なのは本当だよ」

 イオンは立ち上がって、僕の手を掴んだ。

「さ、母さんが待ってるよ。行こ?」

 そうして僕の運命の一夜は更けていった。

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