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プロローグ
「――これからどうするんだよ……」
季節は冬。
受験をまじかにひかえている学生はみんなピリピリしている。
そんな学生の一人である は悩みを抱えていた。
今、 のおかれている状況は最悪だ。
この前受けた「判定」の結果は五段階で一番下の数字を示されていた。
つまり、 の希望している高校へ合格は絶望的なのだ。
「まあ、気にしないほうがいいよ」
と激しく憂鬱な に横から声がかかる。
声の主は 。
小学生からの付き合いで、かれこれ九年になる。
その間ずっと同じクラスで、今もこうして一緒に下校している。
「君は優秀だからそれくらいの欠点があった方が人間じみてるよ」
「それくらいってな――それくらいのせいで高校を諦めなきゃいけないんだぜ」