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忌み嫌われ諦めていた【占いの館 ネムノキ】の魔女の扉を開いたのは、強面の騎士でした。  作者:


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3 強面騎士様の依頼


 

  「それで……。どうやって探すのだ?」

 強面騎士様は、座りなおして聞いてきた。


『そうですね……。ダウジングが良いかと』

 「ほう……」

 感心したように強面騎士様は言った。


『地図をテーブルの上へ開いて、いくつか質問をしていきます。よろしいですか?』

 「ああ」

 

 ツボに立ててあった地図を取り出して、テーブルの上へ広げた。

『お名前をお聞きしても?』

 名前を聞いておかないと、なんて呼んだらいいか分からない。

 「かまわない。ゼイン・クラウンだ」


 ゼイン・クラウン……。聞いたことがある。

 平民で、のし上がって副団長の座をつかみ取った強面の騎士。



『では、クラウン様。なくしたと思われる場所はこの国で、ですか?』

 この国以外だと難しくなってくる。

 「そうだ」

 それならば……。見つかる可能性がある。

 

『ローゼリア王国の、どの辺でしょうか?』

 絞ることが出来れば確率が上がる。


 「ローゼリアの城の中と周辺、それに街。この人里離れた森にも、見回りに来ている」

 だいぶ範囲が絞られてきた。


 私は、金のチェーンの先に重りをつけた天然石のペンデュラム(振り子)を地図の上へ。

 チェーンを親指と人差し指で軽く挟み持った。

 地図から数センチ上へペンデュラムを垂らした。

『では始めます』


 ペンデュラムの揺れがとまるまで待って、再び質問をした。

『まず……。探して欲しい指輪は、あなたのものでしょうか?』

 基本的な質問だ。本人のものでないと探せない。

 盗んだものや、他人の物を探せと言われたらここで終了。

 犯罪に巻き込まれるのは、厄介だからだ。


 「俺のものだ」

 クラウン様のものならば、問題ない。

 ()()()()()()()正しいと言っている。


『失くされたのは、いつ頃でしょうか?』

 続けて質問する。これから本格的に探すためだ。

 「……二日ほど前だ」

 少し考えてクラウン様は返事をした。

 嘘はついてないようだ。ペンデュラムが回転して教えてくれる。


 二日前は天気が良かったはず。

 その後も天気が良いので、泥にまみれたり雨で汚れたりしてはないだろう。


『その日のスケジュールを、言える範囲で教えていただけますか?』

 質問すると黙った。横を向いて考えているようだった。

 思い出しているのだろう。

「その日は……、家から城へ。その後は街の見回りをした。この森にも来ている」


 指を組んで、こちらを真っ直ぐ見た。

 「それから城へ帰ったときには、もう無かった」


『……かしこまりました』

 本当はどこかへ寄ったか聞きたかったけれど……。

 プライベートなことと騎士様というお仕事柄、言えないこともあるだろうと深く聞かないことにした。


『クラウン様。私の手の上から、あなたの手を乗せて下さいませんか?』

 「……手を?」

 クラウン様は不思議そうな顔をしている。


『あなたのオーラ(魔力)を追って指輪を探しますので……』

 「俺は魔法なんか使えないぞ」

 

 クラウン様は驚いていたが説明をした。

 『誰もが魔法を使えるわけではありません。しかし、魔力の差はありますが誰でも魔力はあるものなのです』

 静かに伝えると「そうなのか」と言って納得してくれた。


『どうぞ手を。私の上へ、お願いします』

 今、ダウジングをしているとだ。

 金のチェーンを落とさないように片手で持っているため、私の手に上からかぶせる形になる。

 「わかった」


 体を乗り出してクラウン様は、片手を私の手にかぶせた。

『……』

 大きくてあたたかい手に一瞬、反応してしまった。

 冷静にならないといけない。


 クラウン様のオーラ(魔力)は失礼ながら怖いお顔と違って、あたたかくて包むような優しいものだった。

『もう大丈夫で御座います』

 動揺しないように落ち着いて伝えた。

 「あ、ああ」


 スッ……と離れていく手を、寂しいと感じてしまったのは、気のせいだろうか。


 クラウン様のオーラ(魔力)はつかんだ。

『では広範囲ですが、探してみましょう……』


 まずはお城。

 地図に、お城の絵が描かれている。

 その上にペンデュラムをかざしてみる。――ペンデュラムの反応がなかった。

『お城には、無いようです』

 「そうか」


 次は街。

 広いので何度も街の上をペンデュラムの反応を見て、往復させる。

『街の中も……、どうやら無いようです』

 街は広い。この場所で落としたら、見つけるのは大変で難しい。


 「街は馬に乗って回ったから、広範囲だった。ここに落ちてないのなら、次の場所だな」

 クラウン様は私のダウジングを信じてくれている。


 中には見つからなくて、インチキだと言って怒り出す依頼者もいた。

 その者は失くしても無いものを探させたのだから、見つからないのは当たり前だった。

 その依頼者のポケットから、私が探し出して終わった。


『この街はずれの森へ、見回りにいらしたとおっしゃっていましたね』

 「そうだ」

 だとしたら、この森に落とした確率は高い。


『この森の中を探します』

 そう言って、私は指輪を見つけるために集中した。

 ペンデュラムが大きく反応した。やはりこの森に落としたようだ。


『森の中に、あるようです』

 「森の中か!」

 クラウン様は、急にソワソワと落ち着きがなくなった。やっぱり大事なものなのだろう。


『この辺りの地図に変えて、詳しく探します』

 「お願いする」

 組んだ手を額に当てて、私にお願いをした。

 


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