×月28日
あと2日ですね!完結も近づいてきました!
【エイカ】
お父さんと協力して、ベルル様のパーティの為にケーキを共に作っている。今は最後の、仕上げの最中だ。
「お父さん、ここにホイップクリーム!!イチゴ乗せすぎ!!」
「何だと?それは多いからこそ美味しいんだろう。」
「喧嘩しない!」
準備中のライタさんがこちらを向いてそう叫んだ。どうにもお父さんとは相性が悪い。「喧嘩するほど仲がいいっていうじゃん」とライタさんには言われたものの、納得いかない。
とにかく、このホイップを乗せれば最後だ。サムさんがホイップを乗せようとしたちょうどその時、インターホンが「ダダダダ…」と鳴らされた。
この光景を見たことがあった。お母さんが襲われかけた、結婚式の前日のあの日。嫌な予感が頭の中を過ぎる。
お父さんはホイップの袋型のチューブを持ったまま警戒して扉を開けた。すると、外からはアリア家の部下が急いでサムさんに何かを伝えた。
部屋中の静まり返った空気の中、お父さんがホイップの袋を落とした音が鳴り響いた。そして、お父さんは虚ろな目で一言呟いた。
「ベルル様の容態が……急変した?」
平和が長続きすることは無いのだ。絶対に。
「ベルル様の意識が戻らない!!」
「緊急治療室に誰か手配して!!」
そういう叫びが病院内で飛び交っていた。私とお父さんがライタさんよりも先に着いたようだ。
何が起きたのか、未だにほとんど理解できていない。とにかく分かるのは、「マズイ」ということだけだ。地獄のように叫び声が飛び交う院内で、私とお父さんはただ立っていることしか出来なかった。
どんなにお母さんと距離を近づけても、どんなに強くなろうと、どんなに財力を持とうと、大事なものは肝心な時に守れないのが運命なのだ。
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「サム様と……エイカ様、そしてライタ様ですね……」
数時間して、院内が落ち着いてから医師がこちらに寄ってきて話しかけてきた。そして、深刻そうな顔に低い声で告げた。
「ベルル様の身体は憔悴しきっています……そして、意識はまだ取り戻しません。心拍は動いているもののこのままでは……」
「……」
少し言うのを迷うかのように間を開けてから医師は告げた。
「亡くなるのは最早30日とは言えません。」
全員が息を飲み、一瞬空気が止まった。つまり、お母さんがこの世から去るのは明日だと言うことだ。
第二十八話 終
読者全員が息を飲み、一瞬空気が止まった。つまり、この作品が完結するのは「明日」ということだ。ナニィ!?




