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×月27日

今回少し短くなってしまいました。すいません。

【サム】


 ベルル様が倒れた事故の後、検査によると、ピルクレアがもう末期にまでなっているらしい。当然と言えば当然だった。これだけ重い病が発見から26日目にして安全だと思った方がおかしいのだ。

 少なくとも自分がベルル様と出会ってから、明確に状態が悪くなったと言えるような事象は起こらなかった。


「せっかくのベルルの最後の結婚式だったのに……!!」


 ライタはそうどこにもぶつけられぬ怒りを込めてそう言い放った。俺もそう愚痴を吐きたいが、どれだけ怒っても変わらない。

 なら、せめてだ。せめて、ベルル様の残りの人生を幸せにしてあげなければいけない。


「ベラ様……お義母様、お願いがあります。」

「……?」


 あと3日しかないベルル様の人生、俺は絶対にしなければいけないと自分の中で義務にも似た事を考えていたのだ。


「明日、ベルル様の人生で最高のパーティをしましょう。私たちで残り少ない時間を幸せにしたいんです。」


 お義母様は少し迷ったあと、頷いて早速立ち上がった。


「今すぐ準備をしましょう。意識はまだあるわ。」


 そう言ったお義母様と頷きあって、直ぐに準備に取り掛かった。ライタも少ししてからため息をついて渋々準備を始めた。

 いつまでもネガティブにして下を向いていても意味は無い。そう半ば自分に言い聞かすように頭の中で唱えた。


 一応、朝意識は取り戻したそうで、明日には家に戻ってきて、30日まで日常生活を送る予定らしい。だが、もう状態は悪く、激しい運動をすれば命の危険性がある。


「明日のパーティを最高にするのが……俺の使命、そして義務だ。」


 そう頭の中で一度唱えて、外に出た。食材と飾り付け、そして人を呼ばなければいけない。

 馬車に乗って、買い出しに出かけた。背もたれによたれかかって、空を見上げる。

 この青はどこまでも続く。どこまでも。


第二十七話 終

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