×月23日
【登場人物】
『ベルル・アリア』
権力を持った貴族の一家の悪女。悪役令嬢。この物語の主人公。
『エイカ・アリア』
ベルルが夜遊びを繰り返した結果、生まれてしまった子供。愛情を受けず、奴隷のような生活をしている。
『ベラ・アリア』
ベルルの母親。今では記憶喪失から復活したベルルと復縁した。
『バラ・アリア』
ベルルの兄。一度家が火事に出ていってしまったという。ベルルを襲い、逮捕された。
『ライタ』
ベルルの数少ない友人。アリア家の兵士として働いている。
『アレク・メイシー』
メイシー家の息子。心優しい性格の裏は、最悪の性格をしている。死亡。
『ガレク・メイシー』
アレクの父親。厳格かつ、傲慢な性格をしている。
『サム・クローディア』
クローディア家の長男。『冷酷な堕天』と呼ばれる性格とは裏腹に、ベルルへの愛情は人一倍もっている。現在ではベルルの婚約者。
【あらすじ】
余命30日を言い渡された悪役令嬢、ベルルは、何者かに襲われ、記憶喪失になってしまった。ベラとエイカ達の協力で記憶は取り戻したベルル達はバラの逮捕にも成功し、遂に……
【サム】
時間が無いんだ、言うしかない。そう覚悟を決め、食事中のベルル様に話しかけた。
「ベルル様……結婚式の用意ですが……どうしますか。」
アリア家の城に帰ってきた一日目でこんなことを言うのは野暮かもしれない、だがベルル様には時間が無いのだ。
ベルル様は一瞬、理解が追いつかないようで困惑した顔をして、その後目を見開いた。
数秒後、冷静になったベルル様は深く呼吸をして話し始めた。
「け……結婚式は26日でいいですか?会場は『ル・グール』を借りておきます。」
ル・グールは世界一大きく、高級とされる結婚式場だ。一度借りるだけでも億単位の金が動くとされている。
「いや、クローディア家がお金は出します。ベルル様に払わせる訳にはいけません。」
「いやいや、大丈夫ですよ。アリア家も財産は有り余るほどありますから。」
そんな調子で一分ほど譲り合った結果、半分ずつ払うことになった。公平で手っ取り早いので良いだろう。
そうなれば早速会場の準備等を進めていかなければならない。
部下に会場まで馬車で予約を取りに行かせて、自分は服などの準備をしに行った。
レンタルで借りられるそうだが、そういうのは性にあわない。自分で買ってしまおうと思い、馬車で服屋まで急行したが、流石にそんなドレスなどは売っていないようだったので、レンタルで妥協することにした。
【ライタ】
俺は「君の名は。」ばりの確率の出来事を目にした。
アリア家の直轄のレストランにお偉いさんが来るということで、護衛の為にレストランに立っていた所、ちょうど目の前の服屋にサムが来ていた。そしてドレスなどを買おうとしていたが、「そんなものはない」と突っぱねられていた。
まぁ、それだけでも十分凄いのだが、サムが帰った数分後、ベルルが馬車で服屋に来て、同じことを言って「そんなものはない」と同じふうに突っぱねられていた。
「俺は何を見せられているんだ……」
そんなことを思いつつも、また護衛としてレストランの前に立ち続けるのであった。あ〜、暇。
【結婚式まで残り3日】
「〇〇ばり」って表現しますかね?変かも。
あと、今回の話少し短くなってしまいました。すいません。




