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×月21日

【登場人物】

 『ベルル・アリア』

 権力を持った貴族の一家の悪女。悪役令嬢。この物語の主人公。

 『エイカ・アリア』

 ベルルが夜遊びを繰り返した結果、生まれてしまった子供。愛情を受けず、奴隷のような生活をしている。

 『ベラ・アリア』

 ベルルの母親。今では記憶喪失から復活したベルルと復縁した。

 『バラ・アリア』

 ベルルの兄。一度家が家事に出ていってしまったという。

 『ライタ』

 ベルルの数少ない友人。アリア家の兵士として働いている。

 『アレク・メイシー』

 メイシー家の息子。心優しい性格の裏は、最悪の性格をしている。死亡。

 『ガレク・メイシー』

 アレクの父親。厳格かつ、傲慢な性格をしている。

 『サム・クローディア』

 クローディア家の長男。『冷酷な堕天』と呼ばれる性格とは裏腹に、ベルルへの愛情は人一倍もっている。現在ではベルルの婚約者。


【あらすじ】

 余命30日を言い渡された悪役令嬢、ベルルは、何者かに襲われ、記憶喪失になってしまった。ベラとエイカ達の協力で記憶は取り戻したが……

【エイカ】


 病院内……いや、この街、都市全体が騒然としていた。お母さん、ベルルを襲った犯人が分かったのだ。

 お母さんが入院する部屋に、私とサムさんが呼ばれ、警察に三人取り調べを受けた。


「最後に一応聞きます……本当に犯人は……」

「はい。犯人は()()です。」


 そう、お母さんがきちんと捉えた犯人、それは兄であるバラだった。

 兄、バラは突然夜に窓から入ってきてお母さんに襲いかかった。視界が悪い中、暴行を受けたお母さんはどうにもできず、そのまま意識を失った。

 バラは、おそらく窓から出たと思われる。お母さんが寝る時に開けなかったはずの窓が開いていたらしい。


「そうなると、全地域に指名手配をします。ベルル様の安全は我々警察一同がお守りします。」

「大丈夫です、ベルル様。私も着いています。」


 そう言ってお父さんはお母さんのことを見た。これだけ警備をすれば襲われる事は無いだろう。なので、警察とお父さん、そして合流したライタさんで護衛をしつつ、帰宅した。

 とは言っても、流石にもう一度あの家に寝泊まりするのは危ない。なので、念の為におばあちゃん、ベラの家で過ごすことになった。


「とは言っても、バラの存在を放置しておく訳にもいかないな。警察だけに任せるっていうのも心もとないし、サムさんは近くにいてあげてくれ。俺がバラを探しに行く。」

「了解だ。ベルル様は確実にお守りする。」


 そう言ってライタさんは家から出ていってしまった。バラを確実に見つけ出す、という覚悟がその背中から感じられたのだった。



【ライタ】


 家を襲撃したということは、家の近くにいるはず。そして、有名な話だが「犯罪者は必ず現場に戻ってくる。」ので、まずは家の近くを探すことにした。

 バラ・アリア。ベルルの兄であったが、俺とは反りが合わず、殺し合いとも呼べるレベルの喧嘩は日常茶飯事だった。


 そんな事を繰り返していれば、相手のこともだんだんは理解できてくるはずだ。俺の予感は……


「バラはここにいる……」


 家の近くの森の木のざわめきが耳を刺激した。この中に絶対にバラはいる。そういう確信があった。

 森に一歩入った瞬間、途端に周りが暗闇に包まれた気がした。安心しろ……自分が不安なだけだ。

 ギシ……という落ち葉を踏む音が辺りに響き渡る。瞬間、背後から首筋にそっと触れられた。もはや気が付かないほどの繊細な力。だが、何故か体が動かず振り向くことが出来ない。


『動くなよ……ライタ……』

「その声は……バラ……!」


 背後に立つバラの姿を確認しようにも出来なかった。そのままの状態でバラは話し始めた。


『明日の昼十三時、昔の家跡で待つ。』


 瞬間、首筋を掴む手が離されたので、一瞬で背後を振り向いたが、もう居なくなっていた。空を仰ぐカラスの声だけが耳に響いた。


第二十一話 終

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