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×月17日

【登場人物】

 『ベルル・アリア』

 権力を持った貴族の一家の悪女。悪役令嬢。この物語の主人公。

 『エイカ・アリア』

 ベルルが夜遊びを繰り返した結果、生まれてしまった子供。愛情を受けず、奴隷のような生活をしている。

 『ライタ』

 ベルルの数少ない友人。アリア家の兵士として働いている。

 『アレク・メイシー』

 メイシー家の息子。心優しい性格の裏は、最悪の性格をしている。死亡。

 『ガレク・メイシー』

 アレクの父親。厳格かつ、傲慢な性格をしている。

 『サム・クローディア』

 クローディア家の長男。『冷酷な堕天』と呼ばれる性格とは裏腹に、ベルルへの愛情は人一倍もっている。現在ではベルルの婚約者。


【あらすじ】

 余命30日を言い渡された悪役令嬢ベルルだったが、突然何者かに襲われ記憶喪失になってしまった。記憶を取り戻すため、母親ベラはベルルを様々な場所へ連れていくが……

【ベラ】

 

 今日はどこへ行くべきだろうか。そんなことを考えてアルバムを開くと、色々な写真がずらっと並んでいた。


「そういえばこの写真の場所……大人になってからは行ってなかったな……」

「どれですか?」


 ライタが興味津々で覗いてきた。


「『精霊の泉』。泉で願いを唱えれば数日以内に願いが叶うという噂がある場所よ。」

「へぇー魔法でもかかってるんでしょうか。」

「いいえ、魔法はかかってないから、ただの迷信らしいわよ。」 


 昔はよくここに行ってベルルが「お母さんみたいになれますように!」と言っていたものだ。まぁ、昔の私の男癖が悪かったことだけは似てしまったみたいだ。


「まぁ、行ってみる価値はあるでしょうね。」


 隣からサムさんがそう言ってきた。色々な思い出がある。行ってみればまた何か記憶が蘇るかもしれない。




「『精霊の泉』ですか?」


 病院に着いてからベルルに言うと、やはり記憶には何も無いようだった。まぁ、行ってみるしかないだろう。


「アサルク山から北西の方向に100mくらい行けば着くと思うわ。向かいましょう。」


 そうしてエイカとベルルと私とサムさんで向かうことにした。ライタは、「護衛はサムさんがいるし、ベルルを襲った犯人を見つけないといけないから」という理由で家に残った。

 道中、森の中に入ると、森の奥からざわめきのような音が聞こえてきて、ベルルが目を見開いて驚いていた。子供の時も同じような反応をしていたことを思い出して懐かしくなった。


「大丈夫、精霊達がお話しているだけよ。」


 そう言うと、安心したようでほっとしていた。そのまま車椅子をサムさんが押して進んでいくと、数センチ程の大きさの小さな精霊が2人程話しかけてきた。


『あなたベルルさんね……記憶喪失になった事は私の「予感」で分かるわ。泉を見ていってね。』


 そう、精霊には「予感」という超能力があり、相手の事を大抵は分かるのだ。でも教えて欲しい情報を教えてくれることはほとんどない。

 そして、精霊はどこかへ行った。精霊に出会ったということは泉までもうすぐだ。

 森の木々の間を縫うように通っていくと、開けてる場所に出た。


「ここが『精霊の泉』よ。」

「綺麗……」


 ちょうど時間的に月光が泉に反射して美しくなっていた。


「祈りを捧げてから泉の水を飲むのよ。そうすると数日以内に祈りが叶うの。」

「そうなんですね。」


 すると、ベルルは目を瞑って願いを頭の中で唱えて、手ですくった水を飲んだ。私も続いて水を飲み、祈りを捧げた。

 「ベルルの記憶が戻りますように」と。


第十七話 終

なんだかんだ言って母親もベルルの記憶を取り戻したかったっていうことですね。

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