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×月15日【後編】

【登場人物】

 『ベルル・アリア』

 権力を持った貴族の一家の悪女。悪役令嬢。この物語の主人公。

 『エイカ・アリア』

 ベルルが夜遊びを繰り返した結果、生まれてしまった子供。愛情を受けず、奴隷のような生活をしている。

 『ライタ』

 ベルルの数少ない友人。アリア家の兵士として働いている。

 『アレク・メイシー』

 メイシー家の息子。心優しい性格の裏は、最悪の性格をしている。死亡。

 『ガレク・メイシー』

 アレクの父親。厳格かつ、傲慢な性格をしている。

 『サム・クローディア』【あらすじ】

 余命30日を言い渡された悪役令嬢、ベルルは、30日の間に真の愛を探す。

【エイカ】


「私は……誰……?」


 目を瞑りたくなるような嫌な現実が目の前で起こっていた。お母さんが記憶喪失になったというのか?

 ライタさんとお父さんの二人も現状を飲み込めていないようで、動きが完全に停止していた。


「ベルル様……もしや記憶喪失に……?」


 初めにそう言ったのはお父さんだった。困惑でひたすらに冷や汗が止まらない。そう聞くと、近くにいた医師もようやく理解できたようで、「えぇーっ!?」と叫んだ。瞬間、お母さんはフラッとして倒れてしまった。



 数時間後、意識を失ったお母さんを検査し終わった医師は出てきて話し始めた。


「ベルル様の身体を検査した所、頭部に損傷がありました。それに、腹部にも。おそらく頭部の損傷で記憶喪失を招いたのかと。てっきり崖から落ちたと聞いたのでその件かと思ったのですが、どうにも調べると損傷が起こったのは昨日の夜で、夜の内に損傷を受け、朝吐血しているのが発見されたんです。」

「つまり……夜の間に誰かに襲われたってことになりますか?」

「そうなります。」


 恐怖を覚えると同時に不安が襲ってきた。その犯人があの家に一度来たということは、まだこれからも来る可能性があるということだ。


「絶対に二度はさせません。私がベルル様を確実にお守りします。」


 そうお父さんは断言した。だが、問題なのはこれからどうするかだ。記憶喪失になったお母さんをどうすればいいのだ?そんな考えを汲み取るかのように医師は話し始めた。


「ベルル様の記憶を取り戻すにはやはり、強く記憶に残っている場所に連れていく、見せるなどしかありません。」


 そうなると一番詳しいのは……



「それで私を呼んだの。」


 おばあちゃん、ベラ・アリアを呼んだ。誰よりもお母さんと長くいた。なので誰よりもお母さんのことを知っているはずだ。だが、おばあちゃんは不機嫌、というか明らかに嫌そうな顔をしながら言った。


「本当は嫌だけど、エイカが言うなら分かったわ。手助けくらいはするわ。」


 心の底から嫌だ、というような低い声で一応は手助けしてくれることになった。


 なので、おばあちゃんとお父さん、ライタさんの三人と家に帰って思い出の品をその日は探すことにした。



 数時間が経ち、全員が広間に集まって各々の思い出のありそうな品を集めてきた。もう外は深夜、ちょうど0時の鐘がなったところだった。


第十五話【後編】 終

次回、全員で思い出のありそうな品見せ合いっこ!!

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