×月13日
最近恋愛からギャグっぽくなってしまっている。
【ライタ】
家に着いたものの、ベルルとサムは頭を合わせて寝てしまっていた。いや、こういうのって段階を踏んでいくものじゃないのか……?
そんな気持ちをグッと堪えて、二人を運ぼうとした。だが、左腕がズキッといたんだ。そういえば、敵にやられたのだった。なので、家の中のメイドを呼んで、協力して運ぶことにした。
ベルルを自身の部屋に、サムは適当な部屋に寝かせて俺もベッドがある部屋に行った。
「ふぅ……もう朝だってのに……二人とも全然起きないな……」
疲れて俺もそのまま眠ってしまった。
【ベルル】
起きた……それはどうでもいい。だが、先程から体がおかしい。フラフラするし、どことなく意識がふわふわする。部屋の壁によそりかかりながら、ゆっくりと部屋の扉を開けると、ちょうど入ってこようとしていたサムさんとぶつかった。
「わっ……!」
勢いよくどちらも移動していたので、体のでかいサムさんに押されて、ベッドに押しつぶされるような形で重なって倒れてしまった。
「ベルル様っ……大丈夫ですか……?」
「えぇ……ごめんなさい。」
恥ずかしさで顔が真っ赤になっているが、気づいていないように部屋を出ようとした。立ち上がった瞬間、部屋の扉の前にライタが立っていた。
「ベルル……お前もう……!?」
「違う違う!!!そうじゃない!!!」
「見損なったぞ!お父さんは悲しいぞ!」
「そうじゃないって!!!しかもお父さんじゃないわ!」
なんか変な勘違いをされてしまった。恥ずかしかったので逃げるように部屋から出ようとした。瞬間、ふらっとした。そういえば、私は体調悪いんだった……そのままその場に倒れて、意識を失った。
目を開いた時には、目の前にサムさんが座っていた。さっきの出来事を不信に思っているかもしれない。ピルクレアとバレたら嫌われるかもしれない。咄嗟に思いついた嘘をついてしまった。
「サムさん……これはただの貧血で……」
「知ってますよ?ピルクレアでしょう?」
なんだって?サムさんは知っていたのか。倒れている間にライタから聞いたのかもしれない。そんな想像をしていると、サムさんは優しい笑みを浮かべて言った。
「ベルル様がピルクレアだと判明して数日も経たずに部下から聞いていましたよ。まぁ、アレクは知らなかったみたいですけどね。」
アレクはやはり財産目的だったらしい。だが、何故余命が三十日もない私に求婚に近いようなことをしてきたのだろうか。思わず口に出てしまった。
「なんで……余命も少ない私にしたの……?」
「だからこそですよ。ベルル様だからこそこの残り少ない僅かな時間を過ごしたいと思ったんです。」
思わず涙が溢れるのが分かって、恥ずかしくて窓の方向を向いた。丁度気がついたが、もう深夜だ。この時間が一生続けば……そう思っていた矢先、インターフォンが鳴ったのだった……
第十三話 終
次回、なんとあのキャラクターが登場!?




