×月12日
今回は少し戦闘シーン多めなので恋愛感ないかもです。まぁ、いつもなんですけど……
【サム】
ベルル様の護衛は、信頼する者を呼んである。きちんとベルル様とライタが安全に寝ていることを確認してから病院を出て、剣を腰の鞘に刺して歩いた。目的地は初めから決まっている。
数十分も経つと、だんだん豪勢な城が見えてきた。そう、ここはメイシー家の城だ。だから来たのだ。
門番が立っている門に向かって一直線に歩いていった。門番がムムッと言うような表情を浮かべてこちらに向かおうとしてくるが、相手になりはしない。
「邪魔だ……!」
抜刀したことに気が付かない程のスピードで門番を一瞬にして切りつけた。部下も一人もいらない。私だけで十分だ。
門を切り刻んであけると、メイシー家の兵が一斉に驚きつつも襲いかかってきた。切り捨て御免、というように全員を一瞬で切り捨てて、城にどんどん侵入していった。
城の一番奥の部屋、大体こういう位置にボスの部屋があるのだ。扉を壊すように開くと、やはりと言うべきか、ガレクが豪華な椅子に座って驚いたような表情でこちらを見ていた。
「貴様……クローディア家のサム!何しに来た……!」
「復讐。」
【ベルル】
起きた時にはサムさんはどこにもいなかった。昨日言ってはいたが、まさか本当にメイシー家に乗り込んでしまったのか……!?
「大丈夫だよ、ベルル。クローディア家の一家が負けるわけないじゃない。それに、サムは帰ったらベルルと結婚する予定があるんだよ?死ぬわけないよ。」
「ハハハ」と笑いながらそう言っていた。まぁ、確かにサムさんが部下を率いてメイシー家を潰しに行けば余裕かもしれない。
そんな時、外から馬車の馬の鳴き声が聞こえた。もしや、と思い外を見ると、馬車にはサムさんが乗っていた。窓を開けてサムさんに対して話しかけた。
「サムさーん!」
「ベルル様。」
そして会おうと、病院から出ると、サムさんはとても疲れたようだった。そう言えば帰りが早すぎる、というか倒すのが早過ぎないか?そう思い、遠回しに聞いてみた。
「大丈夫でしたか?」
「えぇ、私一人でも軽く潰せましたよ。」
なんだ……良かった……え。一人!?あれだけ権力も兵力もある一家を一人で崩壊させたというのか!?さすがサムさん……という言葉すら出てこなかった。
「じゃ……じゃあライタも元気になったみたいですし、家に帰りましょうか。」
「そうですね。運転手、頼んでもいいか。」
そうして馬車に乗って家に向かっていった。
第十二話 終
次回作は絶対にバトル系小説にする。




