"Ah, vous dirai-je, maman"「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」きらきら星変奏曲「ハ長調 K. 265」モーツァルト
日本では、なぜか「きらきら星」ですよね?
けど、フランス語では"Ah, vous dirai-je, maman"「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」が原詞である。
その原詩をみてみましょう。
【フランス語】
Ah ! Vous dirai-je, Maman,
Ce qui cause mon tourment ?
Depuis que j'ai vu Silvandre,
Me regarder d'un air tendre ;
Mon cœur dit à chaque instant :
« Peut-on vivre sans amant ? »
L'autre jour, dans un bosquet,
De fleurs il fit un bouquet ;
Il en para ma houlette
Me disant : « Belle brunette,
Flore est moins belle que toi ;
L'amour moins tendre que moi. »
Je rougis et par malheur
Un soupir trahit mon cœur.
Le cruel avec adresse,
Profita de ma faiblesse :
Hélas, Maman ! Un faux pas
Me fit tomber dans ses bras.
Je n'avais pour tout soutien
Que ma houlette et mon chien.
L'amour, voulant ma défaite,
Écarta chien et houlette ;
Ah ! Qu'on goûte de douceur,
Quand l'amour prend soin d'un cœur !
【日本語訳】
ねえ! 言わせてお母さん
何で私が悩んでいるのかを
優しい目をしたシルヴァンドル
そんな彼と出会ってから
私の心はいつもこう言うの
「みんな好きな人なしに生きられるのかな?」
あの日、木立の中で
彼は花束を作ってくれた
花束で私の仕事の杖を飾ってくれた
こんなこと言ったの「きれいな金髪だね
君はどんな花よりきれいだよ
僕はどんな恋人より優しいよ」
私は真っ赤になった、悔しいけど
ため息ひとつで私の気持ちはばれちゃった
抜け目のないつれなさが
私の弱みに付け込んだの
ああ! お母さん、私踏み外しちゃった
彼の腕に飛び込んじゃった
それまで私の支えは
仕事の杖と犬だけだったのに
恋が私をだめにしようと
犬も杖もどこかにやった
ねえ! 恋が心をくすぐると
こんなに甘い気持ちがするんだね!
【自己解釈】
完全に、エロスを描いて偉大なる母に書いた詩である。
それがドイツに渡り、アメリカ渡り、日本にきた。
「きらきら星」であるが、まったく遠いわけでなく、織姫と彦星の童話に近い作詞になっているようだ。
そう、地球という星ではエロスが蔓延り、甘く苦い彼の胸に飛び込み迷走し、本当のパートナーでないことを悟り、妥協で付き合うのである。
もちろん、子供を産むことは人類の発展に、次なる可能性にかけるわけで、すべてを批判しているわけではない。
だが、残念ながらイザナギやイザナミのようにワタシ達の世界は凹凸がマッチしていないのである。
そのマッチをするためにも、少しばかり織姫と彦星を思いながら、過ちを犯した少女の語れずの言葉を言葉にしよう。
「ああ、偉大なお母さん どうか私の許して 受け止めて」
作詞:アシカ
いだいな お母さん
どおか ゆるしてね
あのこを すきに
なあたの 迷子の 私なの
ぜんぜん ちがうの そうなのよ
迷子の 迷子の 私なの
私の 気持ち
エロスを しりたいの
わたしは 忘れない
偉大な お母さん
どおか 忘れてね
どおか ゆるしね
いつか 還るから