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狡猾で腹黒な皇女は野望達成の為に隣国の怪物王女と呪われた聖女と落ちこぼれ令嬢と平民勇者を亡命させる

作者: 雪月花VS花鳥風月

新作を投稿します。

読んでもらえたら、とても嬉しいです。

私はルビー帝国の第二皇女ラティシア。

数々の国難の解決に苦慮している。

しかし私の辞書に不可能の文字は無い。

私が次期皇帝になる為に絶対に全ての国難を解決してみせる。

それには隣国サファイア王国の怪物王女と呪われた聖女と落ちこぼれ令嬢と平民勇者の協力が必要不可欠なので、まずは四人の亡命を必ず成功させるのが最重要課題だ。

影三十六号に亡命を急ぐように連絡しよう。


「何故だ。どうして婚約破棄がこんなにも続くのだ。もしかして我が国は呪われでいるのか」

ルビー帝国の皇帝マポレオンは悩んでいた。


「私はセイソ嬢との婚約破棄を宣言する。そしてアクナ嬢との婚約を新たに結ぶ」

今も皇家主宰の夜会で馬鹿者が婚約破棄騒動を起こしている。

我がでは婚約破棄が続いている。

今月に入ってから、これで三人目だ。

本当に懲りない連中だ

いい加減にして欲しいと、マポレオンは心の底から思った。

事の始まりは第二皇子の婚約破棄だった。


【回想開始】

「私はミヤビ嬢との婚約を破棄する」

余の誕生日パーティーで第二皇子アタマカルイが唐突に婚約者のミヤビ嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。

「理由は真実の愛に目覚めたからだ」

理由は真実の愛とかいう、馬鹿馬鹿しい内容だった。

「そしてバカナ嬢と新たに婚約を結ぶ」

更にアクヤ嬢と新たに婚約を結ぶという、戯言を言い出した。

余はアタマカルイを完全に見限る決心をした。

「分かった。アタマカルイとミヤビ嬢との婚約破棄を認める。但し貴様の有責でだ」

婚約破棄の承諾とアタマカルイの有責とする事を宣言した。

「・・・・父上、何を言っているのです」

アタマカルイが文句を言い出した。

「黙れ。貴様は廃嫡だ。皇宮からも追放とする」

「そうですよ。きちんと責任を取りなさい」

皇妃も余に賛同してくれた。

「・・・・母上までも」

「「「・・・・」」」

ようやく周囲の状況に気付いたらしく、アタマカルイの顔色が真っ青になった。

アタマカルイは皇籍の剥奪と皇宮からの追放となった。

【回想終了】


「またしても婚約破棄をする馬鹿者が現れたわよ」

「同じ貴族として恥ずかしい」

周囲の令嬢や令息。そしてが馬鹿を小声で非難している。

しかし馬鹿者は周囲の状況に気付いていない。

「何の騒ぎだ。静まれ」

皇太子が会場入りして、騒ぎを納めた。

元凶の馬鹿者は貴族籍を剥奪されて、平民となった。


「はぁ~」

余は思わず溜め息を付いた。

どうして婚約破棄をする馬鹿者が多いのだろう。

我が国の行く末が心配になってきた。


「父上、提案があります」

唐突に第二皇女のラティシアが余の執務室を訪れて、提案があると告げられた。

「私とコンビを組んで、理不尽な婚約破棄をする馬鹿者を断罪しましょう」

それはとんでもない内容の提案だった。

詳しく話を聞くと、余は提案に乗る気になった。

余は皇帝なのでたとえ皇族でも断罪出来る権限がある。

ラティシアは記憶を再生させて、映像化するスキルを有している。

余の権限とラティシアのスキルを使用して、冤罪を擦り付ける馬鹿者を断罪する事だった。


「私はカレン嬢との婚約を破棄して、ゴミカ嬢と婚約する。その理由はカレン嬢がゴミカ嬢を虐げたからだ」

四人目の馬鹿者が現れて、婚約破棄と理由を告げた。

「お言葉ですが、ゴミカ嬢を虐げた覚えはありません」

婚約破棄を告げられたカレン嬢が虐げた覚えは無いと否定した。

「嘘を付かないで下さい」

「ゴミカ嬢の言う通りだ。複数の証言があるんだ」

「その通りです。私はカレン嬢がゴミカ嬢を虐げている現場を目撃しました」

「私も目撃しました」

二人の令息が目撃したと証言した。


「待たぬか」

「私達がこの婚約破棄騒動を審議します」

余とラティシアが乱入して、審議をすると告げた。


「「「「「皇帝陛下、ラティシア皇女」」」」」

二人の突然の乱入に五人は驚愕した。


【記憶再生】

ラティシアは記憶再生を発動させて、映像化した。

「お前達はカレン嬢がゴミカ嬢を虐げている現場を目撃したと証言しろ」

「分かりました」

「お任せ下さい」

「これで私が貴方の婚約者になれるのですね」

四人の密談の映像が映し出された。

「「「「・・・・」」」」

四人の顔色が真っ青になり、身体が硬直した。

「貴様達の冤罪の企ては露見した」

「貴方達の罪は明白です。私は皇女として断罪します」

余とラティシアは四人に断罪を告げた。


婚約破棄をした馬鹿者と取り巻き達は貴族籍を剥奪されて、鉱山での強制労働の処罰を受けた。

ゴミカ嬢は戒律の厳しい修道院送りとなった。


こうして今回の冤罪による婚約破棄騒動は解決した。

しかし婚約破棄は一向に減らなかった。

皇帝の苦悩はまだまだ続きそうだった。


「はぁぁぁ~」

余は再び溜め息を付いた。

どうして婚約破棄が減らないのだろう。

やはり我が国は呪われているのだろうか。


「父上、新たな提案があります」

またしてもラティシアが余の執務室を訪れて、新たな提案があると告げられた。

「婚約破棄を企てる連中を選別して、クロと判明した馬鹿者を私達が実行前に処罰しましょう」

それは魅力的な内容の提案だった。

「しかしどうやって婚約破棄の企てをする連中を選別するのだ」

「これは極秘の話なので、他言無用に願います。実は隣国サファイア王国のエターナル王女、聖女カミュラ、ローラ伯爵令嬢、勇者ベルトを我が国に亡命させる計画が進行中です。事後報告になって、申し訳ありません」

「・・・・冗談だろう」

「冗談ではありません」

隣国サファイア王国のエターナル王女、聖女カミュラ、ローラ伯爵令嬢、勇者ベルトを我が国に亡命させるなんて、冗談としか思えん。

しかし聖女カミュラは呪われた聖女という二つ名で、ローラ伯爵令嬢は落ちこぼれ令嬢という二つ名で呼ばれていると記憶している。

亡命させる価値があるのだろうか。

ところが聖女カミュラは魔物を操るという特殊なスキルを有していて、ローラ伯爵令嬢は念話という他人の思考を読み取る事が出来る素晴らしスキルを有しているらしい。

なるほどローラ伯爵令嬢のスキルを使用すれば、婚約破棄を企てる連中が簡単に選別出来る。

余は直ちに提案に乗った。


「怪物王女のエターナル様だ」

「狂暴そうな雰囲気のお方よね」

「本当に恐ろしいわね」

王宮の職員達が私の陰口を言っている。

私はサファイア王国の第一王女エターナル。

怪物王女という二つ名で呼ばれて、王族からも、貴族からも、王宮の職員からも、国民からも、恐れられている。

その理由は全ての物理攻撃、全属性魔法攻撃、毒・石化・呪いなどの状態異常を無効とし、魔力値が無限で、全属性魔法が発動可能で、身体能力が人の限界を超越していて、要するに全ての能力が規格外の怪物だからだ。

しかも成人の儀式を終えてからは成長が止まってしまい、十七歳なのに十二歳程の身体のままだった。

その為に親しい友人も専属侍女さえも居ない。

だから着替えも食事も入浴も全て自分でしなければならない。

当然だが学問もマナー教育も武術も魔法も独学だ。

こんな生活はウンザリだ。

今は伝説の魔法である転移魔法を取得しようとしている。

そして王宮を脱出して、自由になるんだ。


神殿で熱心にお祈りしている白髪で紅眼の聖女を見かけた。

これが私と初めての友人カミュラとの出逢いだった。

「ずいぶん熱心にお祈りしているわね」

「エターナル様」

第一王女のエターナル様から声を掛けられた。

「良かったら一緒にお祈りしてあげる」

「そんな第一王女様に一緒にお祈りしてもらうなんて、恐れ多いです」

「構わないわ。さぁ、一緒にお祈りしましょう」

私は彼女の隣でお祈りを始めた。

「ありがとうございます。申し遅れました。私は聖女のカミュラです」

「私の事を知っているみたいだけど、一応名乗っておくわね。第一王女のエターナルよ」

私達はお祈り後に色々な話をした。

「私には魔物を操るスキルがあるのです」

私の秘密を初めて打ち明けた。


「呪われた聖女のカミュラ様だ」

「白髪と紅眼なんて不気味なお方よね」

「本当に気味が悪いわね」

信者達が私の陰口を言っている。

私は聖女のカミュラ。

呪われた聖女という二つ名で呼ばれて、神官達からも、同僚の聖女達からも、信者からも、忌み嫌われている。

その理由は白髪で紅眼からだ。

その為に神官達や同僚の聖女達から嫌がらせをされている。

もうこんな生活は嫌なので、逃げてしまいたい。

神殿でお祈りしていると、怪物王女という二つ名でで呼ばれているエータナル様と出逢った。

とても凛々しくて、私の憧れそのものだっって思ったですカミュラた。

これが私とエターナル様の出逢いだった。


王宮内で不安そうに歩いている令嬢を見かけた。

どうやら道に迷っているようだ。

これが私と二人目の友人ローラとの出逢いだった。

「道にでも迷ったの」

「エターナル様」

第一王女のエターナル様から声を掛けられた。

「良かったら道案内してあげるわよ」

「そんな第一王女様に道案内してもらうなんて、恐れ多いです」

「構わないわ。さぁ、行きましょう」

私は彼女の手を掴み、強引に歩き出した。

「ありがとうございます。申し遅れました。私はローラです」

「私の事を知っているみたいだけど、取り敢えず名乗っておくわね。第一王女のエターナルよ」

私達は歩きながら、色々な話をした。

「私には魔念話という他人の思考を読み取るスキル物を操るスキルがあるのです」

私の秘密を初めて教えた。


「落ちこぼれ令嬢のローラ様だ」

「令嬢らしくないお方よね」

「本当に令嬢なのかしら」

屋敷の使用人達が私の陰口を言っている。

私は伯爵令嬢のローラ。

落ちこぼれ令嬢という二つ名で呼ばれて、家族からも、使用人からも、蔑まれている。

その理由は魔力値が低く、記憶力も悪く、不器用で、人見知りだからだ。

その為に他の令嬢達から嫌がらせをされている。

もうこんな生活は嫌なので、死んでしまいたい。

王宮内で道に迷っていると、怪物王女という二つ名で呼ばれているエターナル様よ様と出会った。

威風堂々としていて、私の理想そのものだった。

これが私とエターナル様の出逢いだった。


ある夜、魔法の練習の為に中庭に出たら、一生懸命に修行をしている少年が居た。

暫く見学していたら、私に気付いたみたいだ。

「待ちなさい。逃げ出す事はないでしょう。それより話をしない」

「分かりました」

立ち去ろうとしたのを呼び止めて、色々な話をした。

これが私と三人目の友人ベルトの出逢いだった。


「おい、勇者のベルトだぜ」

「平民出身のベルトだ」

「本当に気品の無い奴」

兵士達が俺の陰口を言っている。

俺は勇者ベルト。

平民勇者という二つ名で呼ばれて、パーティー仲間達からも、騎士達からも、兵士達からも、馬鹿にされている。

その理由は平民出身だからだ。

いつか見返してやる。

その為に真夜中に修行をしている。

ある夜、怪物王女と呼ばれているエータナル王女様に見れてしまった。

立ち去ろうとしたが、呼び止められてしまった。

そして色々な話をした。

これが俺とエターナル様との出逢いだった。


「そなたを黒の塔に幽閉する」

唐突に国王の父から黒の塔に幽閉だと宣言された。

遂に脱出する時が訪れたと思った。


「影三十六号、居ますね」

「はい」

自室に戻り、影三十六号を呼び出した。

「今日の深夜に隣国ルビー帝国への亡命を実行します」

「分かりました。準備は完了しております」

「さすがは隣国ルビー帝国のラティシア皇女の自慢の影ね」

影三十六号はこの国の影ではなく、隣国ルビー帝国のラティシア皇女に仕える者だ。

ラティシア皇女は亡命計画の立案者であり、協力者でもある。


【探知】

【転移】

カミュラに別れを告げる為に彼女の居る場所に転移した。

一緒に連れて行って下さいと懇願された。

断わろとしたが、駄目なら自害すると言われてしまった。

仕方なく彼女も連れて行く事にした。


「今度の最果ての神殿への異動はお前に決まった」

昼間に神官長から最果ての神殿への異動と決まったと告げられた。

エターナル様に逢えなくなるなんて、絶対に嫌です。

その夜にエターナル様が別れを告げに来られた。

どうやら幽閉させられるので、隣国ルビー帝国に亡命するみたいです。

「私も一緒に連れて行って下さい。実は神官長から最果ての神殿への異動を告げられたのです」

私は一緒に連れて行って下さいと懇願した。

最初は渋っていたエターナル様も駄目なら自害すると言ったら、了解してくれた。


【探知】

【転移】

ローラに別れを告げる為にカミュラと共に彼女の居る場所に転移した。

一緒に連れて行って下さいと懇願された。

断わろとしたが、駄目なら戒律の厳しい修道院に行きますと言われてしまった。

仕方なく彼女も連れて行く事にした。


「お前の婚約が決まった」

昼間に父から婚約が決まったと言われた。

エターナル様以外の人との結婚なんて、絶対に嫌です。

その夜にエターナル様が別れを告げに来られた。

どうやら幽閉させられるので隣国ルビー帝国に亡命するようです。

「私も一緒に連れて行って下さい。実は父から婚約が決まったと言われたのです」

私は一緒に連れて行って下さいと懇願した。

最初は渋っていたエターナル様も駄目なら戒律の厳しい修道院に行きますと言ったら、了解してくれた。


【探知】

【転移】

ベルトに別れを告げる為にカミュラとローラと共に彼の居る場所に転移した。

俺も護衛として付いていくと言い出した。

断わろとしたが、駄目なら一人でも王宮を脱出すると言われてしまった。

仕方なく彼も連れて行く事にした。


「そなたに単独でのドラゴン討伐を命じる」

昼間に国王陛下から単独でのドラゴン討伐という死んで。無茶苦茶な命令が下った。

「畏まりました」

命令を受けざる得なかった。

エターナル様と話せなくなるなんて、絶対に嫌だ。

その夜にエターナル様が別れを告げに来られた。

どうやら幽閉させられので、隣国ルビー帝国に亡命するようだ。

「俺も護衛として付いていく。実は国王陛下から単独でのドラゴン討伐を命令されたのです」

俺も護衛として付いていくと言った。

最初は渋っていたエターナル様も駄目なら一人でも王宮を脱出すると言ったら、了解してくれた。


【転移】

三人と共に以前に国内視察で訪れた事のある国境付近に転移した。

こうして怪物王女と呪われた聖女と落ちこぼれ令嬢と平民勇者は隣国への亡命を実行した。


「エターナル第一王女が王宮を脱出しました」

「聖女カミュラが失踪しました」

「ローラ伯爵令嬢が行方不明です」

「勇者ベルトが逃亡しました」

エターナルの脱出とカミュラの失踪とローラの行方不明とベルトの逃亡が発覚して、王宮内は騒然となった。

「国内を探索して、絶対に連れ戻せ」

国王が連れ戻せといつ厳命を下した。

「「「畏まりました」」」

兵士達が急いで探索に出発した。

「冒険者ギルドにも探索を依頼しろ」

「指名手配しろ」

エターナル達を探索する為に次々と命令が出された。

国中の冒険者ギルドから全ての冒険者が探索に駆り出された。

指名手配書が国中に配布された。

エターナルは完全に人族の限界を超越した規格外の存在だ。

エターナルにしか打ち明けていないが、カミュラは魔物を操る事が出来る。

エターナルにしか教えていないが、ローラは念話により他人の思考を読み取る事が出来る。

ベルトは世界で五人しか居ない勇者だ。

もしエターナルとカミュラとローラとベルトが他の国に亡命して、敵対する事になったら、この国は滅びてしまう。

だから絶対に連れ戻さなければならない。

エターナルを怪物王女という二つ名で呼んだり、恐れたり、黒の塔に幽閉しようとしたり、カミュラを呪われた聖女という二つ名で呼んだり、忌み嫌ったり、最果ての神殿に異動させたり、ローラを落ちこぼれ令嬢という二つ名で呼んだり、蔑んだり、勝手に婚約を決めたり、ベルトを平民勇者という二つ名で呼んだり、馬鹿にしたり、単独でのドラゴン討伐を命令したくせに、余りに身勝手である。

しかし全ては無駄な努力であった。

エターナル達は既に国境を越えていたので、完全に手遅れだった。


「既に国境を越えて、隣国に入国しただと」

エターナル達が既に国境を越えて、隣国に入国したという報告が王宮に伝えられて、王宮内は大混乱となった。


「やっと国境を越えたわ」

「そうみたいですね」

「此処まで来れば安心ですね」

「エターナル様、カミュラ様、ローラ様、少し休憩しましょう」

エターナル達は国境を越えたので、休憩する事にした。


「ドドドドド」

大集団の足音を響いてきたので、そちらの方向を向くと、大勢の兵士が駆け寄って来た。

そして目の前で一子乱れず整列した。

あり得ない光景に驚愕して、呆然となってしまった。

「エターナル王女、聖女カミュラ、ローラ伯爵令嬢、勇者ベルト、我が国にようこそ。お待ちしていました」

「ラティシア皇女」

協力者のラティシア皇女から声を掛けられた。

「どうしてラティシア皇女が此処に居るのですか」

「もちろん貴女達を迎えに来たのです。帝都まで案内します」


何故か私達を迎えに来たと告げられて、帝都まで案内された。

どうやら影三十六号から連絡を受けていたようだった。


帝都に到着したら、そのまま皇宮に案内された。

「そなた達がエターナル王女、聖女カミュラ、ローラ伯爵令嬢、勇者ベルトか。余は皇帝のマポレオンだ」

「「「「皇帝陛下、お目にかかれて光栄です」」」」

何故か皇帝に謁見する事になった。

「ラティシアから報告は受けている。祖国では不当な扱いをされていたそうだな」

「「「「そのような事はありません」」」」

「隠さずとも良い」

皇帝は全てお見通しのようだ。


謁見を終えて、私達は皇帝の執務室に案内された。

「実は我が国では婚約破棄が流行っていて、国中が混乱しているのだ。そこでローラ伯爵令嬢に婚約破棄を企てる連中の選別を依頼したいのだが、引き受けてもらえないだろうか」

「私には選別なんか無理です。荷が重すぎます」

「謙遜しなくても良い。ラティシアから聞いておる。ローラ伯爵令嬢が念話で他人の思考を読み取る事が出来るのは分かっておる」

「「「「・・・・」」」」

ローラが真っ青な顔色になった。

私達も驚いた。

私達しか知らない情報を掴んでいるとは、ラティシア皇女は恐ろしい人だと改めて思い知らされた。

「分かりました。お引き受け致します」

皇帝とラティシ皇女にゴリ押しされて、ローラは依頼を引き受けた。

「それじゃ、俺はローラ様の護衛をする」

ベルトはローラの護衛を担当する事にした。


これで婚約破棄騒動は終息するだろう。

マポレオン皇帝は安堵した。


「エターナル王女と聖女カミュラに魔物討伐を依頼したい。報告によると魔物の動きが活発になり、被害が多発しておるのだ」

私とカミュラは皇帝から魔物討伐を依頼された。

どうやら魔物による被害が多発しているらしい。

「お受け致します」

「お任せ下さい」

私達は快諾して、直ちに魔物討伐に向かった。


「今回の討伐対象はゴブリンよ」

「あの不気味な小鬼のような魔物よね。余り気乗りしないわ」

【探知】

「ゴブリンの群れを発見したわよ」

「分かったわ」

【飛翔】

探知魔法でゴブリンの群れを発見したので、飛翔魔法で現地に向かった。


「うわぁ~、団体さんのお着きだ」

「ウジャウジャいるわ。本当に不気味よね」

先手必勝。

【即死】

私は即死魔法を発動させて、ゴブリン達を全滅させた。

即死魔法は私のオリジナル魔法で、標的の心臓を麻痺させる。

「カ・イ・カ・ン」

私は快感を感じて、身体を震わせた。

「ちょっと、私にも活躍させてよ」

カミュラにジト目をされた。

「メンゴ、メンゴ」


「ゴブリンが全滅している」

「コイツはゴブリンキングだ。ゴブリンジェネラル、ゴブリンメイジも居る」

「二百匹以上は居る」

「凄い光景だな」

「アンタ達が全滅させたのか」

唐突に声を掛けられた。

声のした方を見ると、冒険者らしき集団が居た。

「そうよ」

「正確には彼女が一人で全滅させたのよ」

「傷が無いけど、どうやって全滅させたんだ」

「即死魔法でよ」

「「「「「・・・・」」」」」

冒険者達が無言になり、顔色が真っ青になった。


冒険者達の話ではゴブリンの右耳を冒険者ギルドに提出すると討伐の報酬を貰えるとの話だ。

「耳を切り落とすのは面倒で嫌だから、貴方達に報酬は譲るわ。その代わりに左耳も切り落として、私達に渡してよ」

「「「「「本当か。ラッキー」」」」」

冒険者達は嬉々として、ゴブリンの両耳を切り落としていった。


冒険者達に冒険者ギルドへの案内を頼み、一緒に向かっている。

「此処が冒険者ギルドだ」

「案内して下さって、ありがとうございました」

「助かりました」

「俺達も冒険者ギルドに用があるからな」

冒険者達と共に冒険者ギルドに入った。

「「「・・・・」」」

ギルド内の冒険者達が私達にを睨み付けた。

お約束の通りね。

「冒険者の登録をお願いします」

「こちらの申請書に必要な情報を書いて下さい」

名前はエターナル、年齢は十七歳、職業は魔法戦士、犯罪の有無は無し。

「これで良いですか」

「確認します」

受付嬢が申請書を確認した。

「・・・・本当に十七歳ですか」

「本当よ。失礼ね」

「彼女は本当に十七歳です。私が証人です」

「・・・・それなら問題ありません。それではこの水晶に両手を置いて下さい」

「分かりました」

私な水晶に両手を置くと、水晶が七色に輝いた。

「・・・・七色に輝くなんて、信じられない。貴女は全属性魔法が発動出来るのですか」

「そうですよ」

「・・・・」

受付嬢が固まってしまった。

「カミュラは登録しないの」

「今回はエターナルに付き合っただけよ。私は聖女だから冒険者にはならないわ」

「これが冒険者の身分証です。ランクはF級です。紛失した場合は再発行に銀貨五枚が必要になります。それから冒険者の手引き書です。必ず読んで下さい」

「分かりました。紛失しないように気を付けます」


「お前みたいな小娘が冒険者なんて、笑わせるぜ」

「そうだ、そうだ」

「怪我をしないうちにやめておけ」

ギルドのから出ようとしたら、柄の悪い冒険者達が因縁を付けてきた。


「お前達、やめておけ」

「彼女を怒らせるな」

「お前達の歯の立つ相手じゃない」

「一方的にやられるだけだ」

「後悔するぞ」

私達と一緒に来た冒険者達が止めに入った。


「うるせえ」

「邪魔するな」

「引っ込んでいろ」

しかし柄の悪い冒険者は忠告を無視した。

【麻痺毒】

私は麻痺毒魔法を発動させて、柄の悪い冒険者達の身体を痺れさせた。

「う、動けねえ」

「身体が痺れてやがる」

「テメエの仕業か」


「だから忠告したのに」

「馬鹿な奴等」

「自業自得だな」

「麻痺だけで良かったな」

「本当に怒らせたら、殺されていたぞ」

「失礼ね。いくら私でも殺しまではしないわよ。せめて半殺しまでよ」

「「「「「ごめんなさい」」」」」

一緒に来た冒険者達を睨み付けたら、土下座と謝罪をしてきた。

「分かれば良いのよ」

私達は柄の悪い冒険者達を放置して、ギルドから退出した。


「これがゴブリン討伐の証です」

「見せんで良い」

皇帝にゴブリン討伐の証の左耳を見せたら、叱責されてしまった。

叱責されるなんて、解せないし、納得出来ないし、理不尽だ。


「おい、即死魔法少女だ」

「眼を合わせるな。即死させられるぞ」

「・・・・」

エターナルに即死魔法少女という新しい二つ名が付いた。

あの冒険者達、即死魔法の事を喋ったな。

覚えていなさいよ。


「大変です。辺境でデスマウスの大量発生が確認されました」

デスマウスとは鼠の魔物で肉食でドンドン増殖する恐ろしい魔物で、ランクはSS級だ。

「・・・・我が国は終わりだ」

皇帝の顔色が真っ青になった。

「私とカミュラなら絶滅させられますよ」

「本当か」

「私の即死猛毒魔法とカミュラのスキルで共喰させれば良いのです」

「おぉ、それは名案だ」


【転移】

私とカミュラは辺境に転移した。

【探知】

デスマウスの群れを確認した。

【即死猛毒】

私はデスマウスの群れに即死猛毒魔法を発動させた。

カミュラはデスマウスに共喰いの命令をした。

デスマウスは共喰いを始めて、即死猛毒魔法の連鎖で次々と死んでいった。

一時間程でデスマウスは絶滅した。

【灼熱】

火属性魔法の灼熱でデスマウスの死骸を焼却処分した。

こうして国家滅亡の危機は回避された。


「おぉ、規格外聖女様だ」

「規格外聖女様、とても素敵ね」

「・・・・」

カミュラに規格外聖女という新しい二つ名が付いた。


「一大事です。山岳地帯に複数のドラゴンが確認されました」

ドラゴンとはこの世界最強の魔物で、ランクはSSS級だ。

「・・・・今度こそ我が国は終わりだ」

皇帝の顔色が真っ青どころか真っ白になった。

「私とカミュラなら討伐出来ますよ」

「本当か」

「カミュラのスキルでドラゴン達を操り、同士討ちにより龍鱗に傷を与えて、弱った処を即死魔法で絶命させれば良いのです」

ドラゴンの龍鱗は魔法耐性があり、魔法が効きにくい。

しかし龍鱗が傷付けば、魔法が効きやすくなる。

「おぉ、それは妙案だ」


【転移】

私とカミュラは山岳地帯に転移した。

【探知】

ドラゴンを確認した。

カミュラはドラゴンに同士討ちするように命令をした。

【即死】

ドラゴン達は同士討ちを始めて、龍鱗が傷付いたので、即死魔法で止めを刺した。

ドラゴン討伐は完了した。

こうして今回も国家滅亡の危機は回避された。

ちなみにドラゴンの素材は冒険者ギルドに高額で買い取ってもらった。


「おぉ、規格外少女様だ」

「規格外少女様、とても可愛いわ」

「・・・・」

エターナルに規格外少女という新しい二つ名が増えていた。


こうしてルビー帝国の数々の国難はエターナル達によって次々と解決されていった。

そして国力が増大して、繁栄していった。

逆にエターナル達を失ったサファイア王国は国力が減少して、衰退の一途を辿っていった。

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