表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『小説家になりお』シリーズ

感想を書かれました

 ボクは小説投稿サイト『小説家になりお』に物語を投稿してるんだ。

 そりゃブルジョワな人たちに比べたらちっとも読まれてないも同然だけど、それでも楽しい。

 読んでくれてる人は確かにいるし、たまに感想だってもらえちゃうからね。ふふふ。


 流行りのジャンルは書く能力がないので、好きなものを好きに書いてるだけ。

 でもボクが好きなものを好きになってくれる人が少なからずいる。


 ぽわぽわ爆弾を主人公にした現実恋愛モノを投稿すると、ボクはドキドキしながら待った。

 一時間は必ず待つ。

 一時間待ってから、どれぐらい読まれたか、もしかしたら感想がついてるか、確認する。


 どうだ!?


 面白い自信はあった。


 感想、来いっ!


 祈りながら、スマホを持つ手に力を込めながら、読み込みが終わるのを待つと、ボクの目の中に赤い文字が現れた。



 感想を書かれました!



 何? 

『感想が書かれました』とどう違うの? ぶるぶる……


 いつも感想『が』書かれました、って表示されるよね? なんか怖い……


『が』と『を』の違いって、何? それとももしかしたらボクが知らないうちに表現に変更があったの?


 ドキドキしながらその赤い文字をタップすると、感想の内容が現れた。



 ぽわぽわ爆弾を主人公にするのをとても新しいと思いました。

 これからを頑張ってください!を



 顔がニヤけてしまった。


 わかる人はわかってくれるんだなぁ。


 やっぱりボクが書いたものは面白かったんだ!


 そう思ってホーム画面に戻ると、また赤い文字が表示されていた。



 感想に書かれました!



 何を?

 何を感想『に』書かれちゃったのかな!?


 そう思いながら赤い文字をタップする。



 ぽわぽわ爆弾に主人公にするのにとても新しいと思いました。

 これからに頑張ってください!に



 なんかおかしくない?

 なんか世界が狂いはじめてない?


 そう思っていると、また赤い文字──



 感想で書かれました!



 ちょっと疲れちゃったかな、と思ったので画面を閉じた。


 ココアをくぴっと一口飲んで、心を落ち着けて、再び画面を開くと──



 レビューは書かれました!



 すげえっ!


 レビューなんて書かれちゃったよ、ボク!


 初めて書かれたので違和感ない!


 そのレビューは遂に書かれちゃったんだな、と凄く納得することが出来た。


 早速、興奮しながらその赤い文字をタップすると──



 ぽわぽわ爆弾は主人公にするのはとても新しい存在は斬新なアイデアとしてはよく、なかなか新しい世界は開かれている。

 私はこの作者はこれからは頑張ることだろうということは信頼は持てるとは感じており、とても期待は出来るものと思ってはいる。



 

 なんか日本語おかしくない!?


 いや、きっと、もしかしたら外国人のひとなんだ。外人さんも結構ユーザー登録してるって聞くから──


 そう思っていると、また赤い文字がホームページに表示された。



 運営からもメッセージが届きました!



 今度は一際赤い文字。赤い! 赤すぎる!


 運営さんから何のメッセージが届いたの!? っていうか運営から『も』ってことは、それだけじゃなく? どこからもメッセージ届いてんの!?


 っていうかこれってもしかして、警告!?

 あるいはその反対で、嬉しいメッセージ? 書籍化!?


 そう思いながら、心臓をバクバクさせながらタップすると、


 そこで目が覚めた。



 なんだよ夢オチかよ。

 それ、タブーとされてるって聞くよ?


 そう思いながら、枕元のスマホを取り、開くと、感想は、一件も届いてなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  この夢オチは最高です。  また、助詞は難しいけど面白いと気づかせてくれる面白い作品でした。    
[良い点] 最低でもこの小説には感想付いてるからよし [一言] 「通知:感想だけ書かれてしまいました」
[良い点] すごく面白かったです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ