表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/26

巨人

「あそこ、気味悪いんですよ」

Aさんはまったりとタバコをふかしながら顎でガラス越しの道路を指す。

「1年前、大規模な道路陥没事故が起きましたよね。でも規模の割に誰も怪我したりもなくて…」

その時、Aさんも近くにたまたま居合わせたらしい。

「振り返ると本当に何の前触れもなく、いきなり上からすごい圧を感じました。巨人が移動しているみたいな」

T市の陥没事故といえば、私も覚えている。

巨大な穴に加え原因は不明という気味の悪い事件だった。

「祖母に聞いたんですけど、祖母が幼少の頃からあの辺りは道路として開発されてたんですけど、随分前は畑だったそうなんです。でも当時いくつもの畑の作物が潰れるって事件があって、その後土地開発して現在に至ると。祖母曰く【いる】らしいんですよ」

何が?幽霊?と尋ねてみる。

「いえ、巨人みたいです。ダイダラボッチって知ってます?この街はT市に合併される前は村だったんですけど、その時の名前が「大打村」で現在は改名されて「大田町」なんです。」

それで、とAさんは続けた。

「あんまり良くない前触れらしいんですよ。前の事件が起きた時はその後に戦争が始まっちゃって、ここら一面焦土になって土地開発する羽目になったそうなんです。祖母曰く、何か悪いことが起きそうだからダイダラボッチがよそに避難して畑を潰したんじゃないかって。」

もう何も起きて欲しくないな、そうAさんは呟いた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ