第七話 大男?
後ろを見ずに全力で走った。何百メートル走っただろう街から随分遠くまできた。服も火で半分以上焼けており、裸足なので足も切り傷でいっぱい顔も汚れている。桜はママの火だるまの姿が脳裏に何度も浮かぶが泣いていられない。学校に遅刻する感じ以上に全力だ。しかし逃げた先は大男?なのかわからない毛がふさふさ生えた奴にぶつかった。桜の何倍もでかい。
(桜)いてっ
桜はそのまま倒れ尻もちをついた。
(大男?)美味そうな子供だな
怪物はよだれを垂らしながら桜をつまんだ。
(桜)離して離してよ
桜はつままれながらも必死に暴れるが、大きな手から外れることは無かった。大男?はずっとにやにやしてよだれを垂らしている。
(民)よーしやっとおいついたぞ、このクソガキ、コロ..
桜を追ってきた男は殺すと発しようとしたが声がでない。3mはある大男?がヨダレを垂らしながらにやにやしてるのだから...
(民)なんだよおまえーー
その後、一瞬で男は踏み潰され、体から腸やあらゆる臓器と血が飛び散る。
(大男?)ガウゥゥゥゥゥ
大男?は踏み潰した足をどかして手で落ちている臓器を食べた。
(桜)きゃあああああああああーーー...
桜はそれを見て気絶した。
大男?は桜を肩に乗せたまま食べ足りず、桜を追ってくる民たちを手で握り潰し血も肉も平らげた。
(大男?)グエエエエェェーー
大男?は桜を食べようとはしなかった。きっと暗黒界の王レック様に捧げるつもりなのだろうか。
(大男?)喰った喰った、新鮮うまい、こいつはレック様に捧げなければ、子供貴重...
子供なんて喰ったことないがレック様に捧げれば自分は地位の高い者に慣れると思っていた。だから我慢した。が、臭いだけ嗅ぎたかった。
(大男?)グエエ
(大男?)クンクンクン、あーーーーこの肉の臭い堪らないなー
桜の体を舐め臭いを嗅いだ、舐めた部分には緑の液体が付着する。それでも桜は気絶したままだ。小学生にはもう限界だっただろう。子供の肉は臭いと味は全然違うのだ。喰いたい衝動が沸いてくる。大男?は必死に我慢しながら、街とは反対の方向にある南門に引き返した。