第五話 牛さんのお肉
前回の続きになります。
今回の内容は全年齢対象になります。
日が落ちてきた。
桜とママはお家にようやく着いた。着く前は、もう話がないってくらい話しをした。いつぶりだろうかこんなに話をしたのは...
(ママ)よいしょ、桜ーこれ運んで
ママは1年分の高級食材を馬の横から取り地面に置いた。そこから少し取り出し桜を呼ぶ。
(桜)はーい、これ何?
(ママ)これは牛さんのお肉よ
(桜)牛さんのお肉!!
桜は目をキラキラさせていた。お肉なんて高級食材これまで食べたことなかったからだ。毎日朝は雑草の雑炊、昼は肉小学校での食事があるが全然美味しくない。なんかドロッとした白いスープを飲まされる。夜はまた雑草の雑炊と漬物だ。
(ママ)えぇ、つまみ食いはだめよ、焼かないと食べられないんだから
(桜)はーい
桜は嬉しそうに運んだ。
(桜)ちょっとくらいならいいよね
桜はママが来る前に枝木を敷いてその上に網を乗せて牛肉を焼いた。
「ジュ―――――ーーー」
「バチッ」
(桜)あちっ
牛肉の油がはねて桜の顔や服にとんだ。
(桜)もおっ牛さん大人しくしてて
桜は牛肉に向かって膨れ顔で話した。
「ジュ―――――ーー」
桜はお箸でひっくり返す。いい焼け具合だ。赤色から色が変わっていく。
(桜)わあー牛さんの色が変わった。生きてるみたい。
桜はお皿に牛さんのお肉を乗せるとお肉の中に一緒に入っていた、ビンを取り出した。
(桜)なんだろう
桜は臭いを嗅いだ。
(桜)は、は、は、はああああっくしゅん
大きなくしゃみをした。物凄く鼻がムズムズする。
(桜)そうだ、これ牛さんにかけたらおいしいのかも
「パッパッパッ」
牛さんのお肉はさらにいい香りが増した。相変わらず臭いを嗅ぐと、とても鼻がムズムズする。
(桜)いただきます、あーーーーん
牛さんのお肉、一塊を口にいれる。しかしなんだろうなにか視線を感じたので桜は後ろを振り向いた。そしたママがいた。
(ママ)さくらああああああああああああああああーーーーーーーー
(桜)ごめんなさいっ
桜は牛肉をくわえたまま走って逃げる。
(ママ)待ちなさい。
小学生の桜はママにすぐに腕を掴まれた。
(ママ)ほら捕まえた。さあお肉を口から出しなさい。
(桜)はむっはむっはむっ、牛しゃんがでちゃくないうてっ
桜は牛肉を食べながらママに言う。桜は幸せな気分だった。噛むたびにでてくる肉汁、そしてとても旨い。さっきかけた粉みたいなのが絶妙に合うのだ。
(ママ)もうお尻ペンペンよ!
桜はそれを聞き牛肉を急いで口からだした。
「べちゃっ」
牛肉は地面に落ちた。
(ママ)あーーーーーまだ食べてないのにいぃぃぃーーーさくらあああああーーーまあいいわこのお肉はパパの晩御飯にしましょう、ママの分はまだあるから
(桜)パパ可哀想...
(ママ)だって桜が悪いのよ、あーー服もこんなに油つけて
そう言いながらママは桜の服を脱がして水洗いを始めた。
(桜)ママ
(ママ)なによ
(桜)牛さんのお肉美味しかったよ
(ママ)そうっ、まあいいわ1年分もあるんだからね、この際だから体洗ってきなさい。
(桜)はーい
ママは桜の服を洗って干した後、晩御飯の用意を始めた。
(ママ)今夜は御馳走よあなた、早く帰ってきてね
野菜を切りながら、そう心で思っていた。
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