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人食殺  作者: ウルリン
第一章 裏切りの王
43/60

2020年再編集版②(5話~7話)

今週もやってきました。再編集版②になります。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー王都にてーーーーーーーーーーーーーーー


「これより入団試験を開始する。今までは剣さばきで判断していたが昨日の門兵が殺されたことや、最近の兵士が全く強くないから、この私が育成方法の変更を決めた。今回は科学者の槙場が開発した殺人ロボットと戦ってもらう。この殺人ロボットは反乱が起きたとき対民として活躍してくれる。殺人ロボットの強さは…私よりは弱い。なお殺人ロボットと3分間決着がつかない場合また殺された場合は入団を認めないとする。」


 騎士長パルンは500人の前にたち入団試験について説明した。


「今年は500人か…毎年、人数が減ってるな、殺人ロボットに勝てるのは何人でるか楽しみだな」


 ニック王は王座に座り片手にワイングラスを持ちながら喋っていた。


「私の開発したロボットがついに役立つ時が来ましたか、まだ未完成な部分があるので万が一の暴走対策も…」


「それでは1番目の者は、闘技場の真ん中に立つのだ」


「こんなこと聞いてない殺人ロボット何て…」


 挑戦者とは民から騎士・兵士になりたい者のことを言う。


「ウガギガ、ニンゲンコロス、コロス」


 殺人ロボットは左右とも剣を持っている、言わば二刀流であり、切れ味は勿論、人間の肉をえぐり取れやすい形をしている。挑戦者が使えるのは普通の剣のみ。


「ひ、ひぃー」


 挑戦者は足がすくみ手は震えていてとても戦える様子ではなかった。それを見ていた殺人ロボットは自ら近づいて人間に騙る《かた》。


「オマエハムカッテコナイノカ、ギガガギ」


 呟き(つぶや)と共に挑戦者の胸に剣を刺した。その剣は引き抜くと同時に臓器までも引きちぎる。臓器が飛び出た状態でも何とか、最後の力で起き上がろうとする挑戦者たが殺人ロボットは刺すことをやめることなくむしろ刺すスピードが速くなっている。既に死んでいてもお構い無しだ。


「シ、シネー、ガギガガギ」


「槙場、あの殺人ロボットは設計ミスか?少しやりすぎであろう。あれでは挑戦者に恐怖を与えているようなものだぞ。」


 王様は少し心配していた。


「しかし、もし奴らの肉となれば体は喰われもっと酷い姿になるでしょう、これくらいがちょうどいいと思いませんか?」


 槙場はニヤニヤしながら言った。


「...」


「それでは2番目の者、闘技場の真ん中に立つのだ」


 騎士長パルンは1人目が残酷に死のうが次々に入団試験を開始した。


「怖い、はぁはぁはぁ」


 怖くてでも震え全く戦える状況ではなかった、それでも勇気を振り絞り前へ走る。


「コロス、コノゴミメ」


 殺人ロボットは剣を投げてきた、スピードは50kmを超えていた。挑戦者2はそれをぎりぎりかわした。


「とりゃあぁぁぁぁーー」


 剣を伸ばし声を上げたが、あと1歩のところでもう片方の剣で頭を真っ二つ切られる。脳みそ、左脳と右脳がきれいにみえた。


「ニンゲンヨワイ…ギガギガ」


「これは勝てる奴はいなさそうだな…ワシなら余裕だが」


 ニックなら余裕だろう。


「それでは3番目の者、闘技場の真ん中に立つのだ」


「こいつはなかなか強そうな相手だなひゃあっはぁー」


 剣を舐める、この男は、元殺し屋で成功率100%である、牢屋にいたが王からの命令により兵士になれば解放するとの約束を受けていた。


「ようやく面白い奴が現れたか、殺し屋対殺人ロボットは見物だな、こいつを倒して牢屋生活から抜け出してやるぜ」


「それじゃ早速いこうかひゃあっはぁー」


 瞬足で殺人ロボットまで走る。


「タタタタタ」


 殺人ロボットは今度は最初に剣を投げてこなかった。挑戦者3が間合いに入るのを見て剣を振り下ろした。その振り下ろした剣の上に立ち、もう一本の剣を挑戦者3が振り落とす。


「ギガギィィィィィィィ?」


 殺人ロボットもこれまでの挑戦者より強いことを感じたのか体が止まる。

 挑戦者3は剣の上からバック回転し一度体制を整えた。


「この殺人ロボット大したことないな、次で仕留めるひゃっはぁぁー」


 そういいながらもうひとつの剣を落としにかかる、殺人ロボットは負けると思ったのか、間合いの距離で一か八かの剣をを飛ばしてきた、スピードは500kmを越える。もちろんよけるのは不可能、心臓に突き刺さる


「ぐはぁー」

「ぶしゅ――ーーーーー」


 大量の血が噴き出した。


「そ、んなの、あり、かよ...」


 すでに殺人ロボットは両手に剣を持っていない為、挑戦者3の勝ちとなるが、殺人ロボットはまだ動いている。


「コロス、ギガガギ」


 地面に落ちるている剣を拾い挑戦者3のお腹を何度も何度も突き刺さし、さらに突き刺したまま腕を高速回転し臓器をミキサーでかけたかのような体の中はぐちゃぐちゃになった。闘技場は血で染る(そま)る。それを見ていた民も王や兵士たちさへも顔色があまり良くなかった。


「騎士長殿、挑戦者3の勝ちなのになぜ止めないのですか?これはあまりにもやりすぎです。」


 兵士はあまりの残酷さにパルンに止めるように言った。民たちは絶望の光景を前にして吐いている人や放心している人もいた。


「奴はすでに心臓を刺されている、止めても死んでいるのだよ、仮に生きていたとしても殺人ロボットの剣が刺さるやつなど兵士として必要ない」


「そんな無茶苦茶(むちゃくちゃ)な...」


「パルンよ、これは厳しすぎよ?私も今のはきっと避けられないわ」


 兵士長マラリアは、こんなやり方をもう見てられなくてパルンを説得した。だが


「マラリア、奴らはいつ攻めに来るかわからないんだ。わかってくれ即戦力の兵士ではないとだめなんだよ」


「パルンどうしちゃったの?昔はあんなに優しかったのに」


 マラリアとパルンは同期の兵士だった。共に入団し、共にこれまで何十年戦った。しかしいつも王様から勲章を貰うのはマラリアだった。パルンは無敗なのになぜか貰えていなかった。その怒りなのかパルンが勲章を手に入れてからこうなった。


「すべてお前のせいだ…そうだろうマラリア...お前もそいつに殺されるといいさ」


 パルンは長い髪をひっぱり上から闘技場へと投げ入れた。


「きゃあああああーーー」


 マラリアは落とされた衝撃で骨は折れているだろう。


「エモノオチテキタ、コ、コロス、ギガガギ」


 殺人ロボットは、血の海を進み剣を向けて向かってくる。


「パルン、お前は何をしているんだ、槙場、あのロボットを今すぐに止めろ!」


「分かりました。止めます。」


 マラリアは未だに倒れたまま、殺人ロボットは近づき剣を振り下ろす。騎士長パルンは満面の笑みで見届けマラリアに声を飛ばす。


「シネーーーーーーーーーーー」


 血が吹き飛ぶと同時に殺人ロボットは停止した。






 ーーーーーーーーーーーー暗黒界にてーーーーーーーーーーーーーー


  「ムシャムシャムシャ」

  「まじぃぃーーこの右足美味しくない、子供の柔らかい肉が喰いたい」


  レックは右足を不味そうに食べていた。


  「この串目玉は何だ、新鮮さが全くないではないか」


  クロが持っていた串目玉はドロドロしており白色から黄土色に変色していた。


  「この脳みそはいけるな、甘い」


  ナードは脳みそを舐め回した。今食べているのはこの前送られてきた新鮮なものだった。


  「足りぬ、足りぬ、この量の肉で、しかも不味い、俺たちは、人間ごときに舐められているのか、食肉庫の分際で、許さんぞニックめ、もう少しで子供の柔らかい肉も来たはずなのにな…約立たずの雑魚が…」


  レックは怒りテーブルに並べられていた肉を持ち上げ地面に叩きつける。


  クロはレックに提案した。


  「レック様、いっそ食肉庫を襲いましょうよ、新鮮な肉が食えますよ」


  「何百年も前に約束をしたが、最近はこんな肉だけとは、もう限界が近いぞ」


  約束というのは昔、人類の王と話し合い、ここを食肉庫とし人肉を提供するから殺さないでくれと約束を交わしたのだ。それから人類も暗黒界軍も増えつづけ今の状況にある。


  「おじゃが王と直々に交渉してくる、従わない場合は街の隅から隅まで全ての肉を食べる女、子供、構わずに…」


  ナードは早く肉が喰いたくてたまらなかった。


  「まてナードよ、王が条件をのまなかった場合、大人全て殺し、子供だけを捕獲、そして家畜にするのはどうだ、そのあと子供を作らせ、それを食べるのだ、素晴らしいと思わんか?」


  「流石レック様だ、子供と生まれたての肉食べ放題」


  クロは肉食べ放題に喜んでいた。皆ヨダレが垂れている。


  「ではおじゃは人間界に行きます」


  暗黒界から王都までは時間がかかる。


  「肉喰いたいな…とりあえず子供だ、ちょっとくらい喰ってもいいよな」


  ナードはヨダレを垂らしながら暗黒界を飛び立った。



  ーーーーーーー数日後----------------


  ナードは人間界に到着した。


  「お前は何だ…」


  門兵は見た事の無いものを目にした。勿論人間ではない、口からはヨダレがベトベト垂れていた。目はギョロっとしている。人間界でもこの怪物のことは極少数の人しか知らない。


  「美味そうな肉だな暗黒界から飛んで何も喰ってないんだ、喰おうかな我慢できない」


  「お、おいぜ、絶対に門を開けるなーーーき、騎士長様に知らせるんだ」


  恐怖に満ちた声でなんとか入れさせないように必死だ。それを聞いたもう1人の門兵は、馬に乗り急いで王都に向かった。王都では現在、闘技場を行っている最中だ。


  「騎士長パルン殿大変です」


  「何事だ、入団試験の邪魔は許さない」


  「南から怪物が来ております」


  「まさか、こんな早くに…一旦闘技場は中止とする」


  「これは大変だ」


  「バレてしまったか」


  ニックと槙場は思い当たるようなことは勿論あった。


  「か、怪物?」


  民たちは驚くばかりだ。


  マラリアは血は出ているが、心臓でなく足に剣が突き刺さっている。


  「いててて、はぁはぁはぁ」


  パルンの脳に衝撃がはしる。


  「俺は何をしているんだ」


  「マラリアを誰か病院に運べ、そして私と共に手の空いている騎士と兵士は南へ向かうぞ」


  「まて、ワシとパルンと槙場だけでよい他の者は待機だ」


  皆は王様の命令に従った。



 ーーーーーーーーーーーー病室にて(桜の様子)ーーーーーーーーーーーーーー


  「ここはどこなのパパ、ママ…」


  「肉が食べたいよ、肉、肉ーー」


  桜は食欲が抑えられない。ようやく目を覚ましたが目は赤く口からは唾液、肉が食べたくて暴れている。隣で治療を受けている肉の匂いが堪らない。



 ーーーーーーーーーーー南の門にてーーーーーーーーーーーーーーーー


「なんなんだこの怪物は」


「人間…このおじゃを見ても抵抗するというのか」


「しゃ、喋れるのか」


 門兵は騎士長殿が来るまで必死に耐えていた。


「肉を喰わせろー」


 ナードも肉を前に必死で喰いに来ている。しかし、一時すると門を壊そうとする攻撃が収まった。


「か、帰ったのか…」


 気になった門兵は門にある小窓から外を見た。見えたのは広大な砂漠だ。そのときナードのギョロっとした目が見えた。


「うわぁぁーー」


 そしてナードは左手で門兵の右目をえぐりとった。


「ブシュ―――――――――――」

「あぁぁぁーーー俺の右目があぁぁぁーーー」


「これは美味そうだな」


 取れた右目はまだギョロギョロと動いている。


「新鮮、新鮮」


 門兵は必死に両手で右目を抑えて(ひざ)を着いている。


「さーてメインはもっと新鮮だろうなグァグァ…」


 ナードは小窓から左手を伸ばし怯えている門兵の右手を引っ張った。


「ガンッ」

「ガンッ」

「ガンッ」


 何度引っ張っても手から先の体の部分が引っかかっている。


「グワァーー」


 ナードはそれを見て右手に持っている肉切断専用、最高の切れ味をほこる出刃包丁を使い門兵の腕を切り落とした。門兵は勿論激痛がはしっているはずだが、右目の痛みが強すぎて痛みをあまり感じていないようだ。


 ナードは取れた右腕を1度地面に置き、小窓から体を引っ張ろとしたが手が届かなかった。ナードの足元には門兵の血が流れてきている。


「チッ右腕1本かぁぁグウー」


「ヒヒーン」


 そのとき馬の鳴き声が聞こえた。


「おじゃの獲物またきた」


 ニックとパルンと槙場は目の前の血を流している兵士を見ていた。


「まさか、怪物に...」


「恐らくそのようですね、右目がえぐりとられてますし」


「よくも俺の部下を」


「ドーン、ドーン」


 ナードの攻撃により門が今にも破壊されそうだ。


「怪物よ、これ以上の進行は許さんぞ」


「おじゃ肉喰う、お前は誰だ」


「ワシはこの国の王だ」


「王様...門兵を喰って悪かった、だが。お前がくれている肉は質も悪く、量も少ないからこうして暗黒界からきた。交渉はどうだ?」


「交渉だと」


「そう、新鮮な肉を用意し量を2倍にしろ、出来なければ喰う」


「いいだろう」


「ニック王ダメです。今でも数が少ない人界から2倍の新鮮な肉の提供など…子供たちは希望であり未来なのです。」


「仕方がなさそうですね、食肉庫が空になればお互い生きられない」


「今はこの場をしのぐことが優先だ」


 ナードはヨダレを垂らしながら王に言った。


「分かればいい、今すぐ、今すぐに持ってこい、肉が新鮮なうちに暗黒界まで持っていく」


「よかろう、パルンはここに待機、槙場は学校にいき子供の肉を持ってこい、あと殺人ロボットに殺された肉もだ。」


「わかりました」



 ーーーーーーーーーーーーーーーー肉小学校にてーーーーーーーーーーーーーーーー


 槙場は肉小学校へ急いで向かい、ルーシア先生に南の門での出来事を話した。


「というわけで肉をお願いします」


「わかったわ、そうね桜ちゃんの肉はどう?美味しいと思うわ」


 槙場はそれを聞いたとたん怒りと殺意が沸いた、この女、殺してやりたい。


「ルーシア先生、冗談ですよね…あの子は私の大事な一人娘なんです。しかも桜は入院中で怪我もある。」


「冗談よ、ただあの子、詮索せんさくが多いのよね、いずれ始末対象外だわ。とりあえず今日は舞でどう?舞とその他9人で」


「舞は…桜の友達か、仕方ない人類の為だ」


 槙場は桜が無事なら他の子供なんてどうでもよかった。そしてルーシアは教室に向かった。


「みんなー今日はね転校生が10人もいるのよ、とりあえず転校しない人は今すぐ下校して」


「嘘…」

「せっかく仲良くなれたのに」

「転校したくない…」

「ぶぅぶぅーーー」


 みんな転校を嫌がっていた。


(このクソガキどもが黙って言うこと聞けってんだよあああぁぁーーウッザ)

 ルーシアの心の声だった。


「みんな聞いて、転校するとね幸せが待っいるのよ」


 ルーシアは切り替えて何とか説得に入る。


「ほんとう?」


「ええ、料理だって、服だってみんな幸せいっぱいよ」


 他は皆それを聞いて喜んだが舞だけは泣いていた。


「うえーーん桜ちゃん、えーーん、どうして学校にこないの...私転校したくない」


「舞、泣くな、俺が舞を守るから」


「翔ちゃんほんと?嬉しいもう翔ちゃんしか私にはいないから」


「俺とさ逃げよう、昔作ったあの秘密基地に」


「翔ちゃんありがとう」


 舞は涙がこぼれていたが、翔太の言葉が嬉しかった。


「さて転校する子は保健室に行きましょうか」


「はーい」


 みんな嬉しそうにルーシアの後ろをついていく。


「先生、舞がトイレに行きたいみたいです」


 翔太は先生にそう言った。


「そうなの?分かったわトイレが終わったら舞は保健室に来るのよ」


 ーーーーーーーーーーーー10分後----------------


「舞、至急保健室に来なさい」

「舞、至急保健室に来なさい」

「舞、至急保健室に来なさい」

「舞、至急保健室に来なさい」


 放送で何度呼んでもこなかった。


「チッ、あのがきぃぃぃぃ――、まあいいわ、どうせこの学校からは出られないし」


 ルーシアはそう呟き他9人の健康状態をチェックしようとしていた。


「さあみんな転校する前に健康状態を調べましょうか」

「さあ上も下も脱いでね」


「はーい!」


 子供たちはもうすぐ幸せになれると思うとはしゃがずにはいられなかった。


「みんな走り回らないの」


 女の子たちは裸でもぎゃあぎゃあ、はしゃいでいた。


 ルーシアは1人ずつ体に傷がないか確認する。そして血を取り異常が無いか確認も行った。


「ふぅよかった、みんな健康状態に異常はないわよ」


 ルーシアはニッコリした笑顔を見せた。


「やったあー!かえったらパパとママに幸せになれるっていわなきゃ」

「そうだよね!しあわせ、しあわせ」

「わたしおしゃれしたいな!」

「わーい、わーい」

「わたし大きなステーキ食べたい!」


 みんなとても喜んでいた。勿論、そんな幸せなんてない。ルーシアはキッチンで包丁をとぎ始めた。この肉小学校は特別で保健室にキッチンが付いている。


「ギィィ、ギィィ、ギィィ」


 どんどん包丁は鋭く切れ味はよくなっていく。この切れ味だと骨も一瞬で切れるだろう。


「せんせい、なんで包丁といでいるの?」


 子供たちは裸のまま不思議そうな感じで聞いてきた。


「そうね、あなたたちを肉にするためよ」


「肉ってなんなのせんせい」


「どういうことか分からない?…」


 1人の女の子は急に(おび)えだし保健室から逃げようと走ったが、勿論、子供の足じゃ逃げきれず腕を掴まれた。


「だめでしょ裸のまま外に出たら」


 ルーシアの目は赤くまるで怪物のような目になっていた。


「ひっごめんなさいせんせい」


 女の子はその目を見て怯えながらも謝ったが、一瞬で首が跳ね飛ばされた。


「ブシュ――――――――――――――――」


 血が吹き飛び周りの子たちの体に付着した。


「びちゃ」

「キャーーーーー」


 他の子どもたちはパニック状態だ。何が起きたのか今の状況が分からない幸せがあるという夢から地獄へ落とされた感じだ。


「あー可哀想ねごめんね、保健室から出られると困るのよ」


 そういい首のない女の子の裸の死体にルーシアは話しかけた。


「せんせい、どうしちゃったの、おかしいよ」


「切れ味抜群!あはははは」


 いきなり思い出したかのようにルーシアは不気味な笑い声をあげていた。

 そして、満面の笑みで包丁に付いた血を舐めた。


「はぁー私が育てた新鮮な子供の血、なんてさらさらした味なのかしら、たまらない、たまらない、たまらない、楽しい、楽しい、楽しすぎるもっと切りたい、もっともっと切り刻みたい、その体、腕、足、めちゃくちゃにしたい」


 子供たちはそれを聞き真っ青な顔で立ち尽くしていた。


 そして、また1人と首を切られる。


「ボトン」

「ブシュ――――ーーー」


 転がった女の子の生首はとても恐ろしいものを見た表情だった。


「あー楽しいけれど首を切ってすぐ死んだらつまらないわね、せっかく何年も育ててきたのにね、そう、そうよね、一瞬で殺すのは可哀想よね、何やってるのかしら私は、残りの子供たちはしっかり苦しみを与えて上げなくちゃね、生きてるってことを実感できないわよね」


「や、やめて、やめてよょょょーーーー」

「お、おねがい、せんせいやめてよ、家に返してえええええぇぇぇーーーー」


 みんな先生にやめてと訴えるが勿論やめることなどない、それどころか殺し方はエスカレートしていく。


「シャー――――――」


 そして一人の女の子はこの現状をみて、お漏らしをしてしまった。


「あら、あら、悪い子ね、おしっこはトイレでしなきゃダメでしょ」


「…」


 その女の子は声も出せず青ざめた表情でルーシアを見ていた。


「オラッなにかいえっつのこのくそがきがぁぁぁくせーんだよ」


 ルーシアの性格は表裏(ひょうり)が激しすぎた。


「…」


 女の子はルーシアに問いかけられても、何も喋らない。


「ごめんなさいだろうがぁぁぁぁー」

「おらぁぁーー」


「ドンっ」


 ルーシアはその子の頭をおもいっきりつかみ床に叩きつけた。


「あははははははははは」

「飲めよクソガキがぁぁぁーー」


「ごめんなさい、ごめんなさい ゲホゲホっオエェェェ―――」


 女の子は顔面を自分のお漏らしした場所に突き付けられた。そしておしっこが口に入るがむせてすぐに吐き出した。


「聞こえてたのに無視してたのね、ふっなら耳いらないわよね」


 ルーシアは女の子の耳を引っ張り持ち上げると、包丁で切り落とした。


「キャアアアアアアアアアアアーーー」


「なんだ、声でるじゃない」


 女の子はあまりの激痛と恐怖で倒れ片耳の聴覚を失った。


「つまんないガキね、もう終わりなの」


 ルーシアは周りを見ると首を切断した子や耳を切り落とした子、舌を切り落とした子、さまざまに切り落とされた子たちが倒れていた。そして残っている子は1人だった。


「あら、あなたはしあわせになれるのを1番喜んでいた子よね、あーーーどんな感じ?幸せを目の前にして地獄を味わうのは」


「私ねせんせいを信じてたのせんせいだけは他の大人の人たちと違うんじゃないかって」


「あらあら、残念だったわね、あーーー最高な気分だわ」


「いやだ...いや、いや」


 女の子はしゃがみ込み頭を抱えて恐怖に満ちていた。


「そうよね、私も嫌だわ誰だって嫌なの、だから、だからねあなたが死ねばいいの、そしたら私は生きられる!」

「ねぇ最後に何か言いたいことはあるかしら?最後まで生き残ったご褒美として聞いてあげる」


 ルーシアは女の子の首元に包丁を突き付けながら聞いた。


「せんせい、おねがいやめてよ、私ね、先生のことが好きなの。いつも優しくて授業もわかりやすくて…」


 女の子は頭を抱えながらぼそぼそ喋った。


「それは、嬉しいわ、でもね私はお前みたいなガキが嫌いなんだよおぉぉぉぉーーー」


「ブシューーーー」


 首に斜めから包丁を突き刺した。大量の血が吹き出す


「あはははは、あーつい頭に血がのぼって殺してしまったわ、あとは舞を殺すだけね、舞の表情が楽しみだわ、この部屋をみてどんな顔をするのか...うふふふふ」


 そう言いながらルーシアは子供たちの解体を始めた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー学校の裏口にてーーーーーーーーーーーーー


「舞ちゃんこっちだ」


「うん」


 翔太と舞は学校から逃げようと裏口へまわった。


「ガチャ、ガチャ、ガチャ」


 裏口のドアが鍵が閉まっていて開かない。そのとき男の人が近づいてきた。


「おやおや、舞ちゃんじゃないか、どうしたのこんな所で」


「桜ちゃんのパパー」

「聞いてください、私ルーシア先生に殺されるかもしれないんです。助けてください」


 舞は桜のパパなら助けてくれると信じ真剣に訴えた。


「ルーシア先生に殺される?とりあえずこっちにおいで」


「はい」


 槙場は舞の手を掴んだ瞬間だった。


「捕まえた」


 槙場はニヤリと表情を見せ頭を撫でた。


「よーしお利口だね舞」


 そう言いながら頭をなでる。舞は撫でられなんだか温かい気持ちになったが次の瞬間お腹に激痛がきた。一瞬、舞は何が起きたのかわからなかった。そしてまたお腹に激痛がはしる。


「おえぇぇーーー」


 舞は衝撃で今朝食べた物を吐いた。


「汚ねぇな」


「い、いたい、よ、桜ちゃんのパパ」


「裏口から逃げようだなんて、だめだよ舞ちゃん、もうすぐで、もうすぐでさぁ、ふふふ、あははははは人類が終わるところだったよ、危ない、危ないよかった間に合ってほんとうにほんとうに」


 槙場は笑ったと思ったら自分が死なずに済み泣き出した。皆、死ぬのは怖いのだ。


「おまえもルーシアの仲間か、舞を離せ」


 翔太はその光景をみて声を上げた。


「私はね、桜以外どうでもいい、桜だけ生きていれば…」


 そういい舞のお腹を殴る。


「オラッ」


「うっ」


「オラッ」


「ヒャッ」


「オラッ」


「オェェェェェェーヴィロヴィロヴィロヴィロオェェーゴホゴホ」


 舞は何度もお腹を殴られ本格的に吐いた。


「はぁはぁ」

「オエェェェ――」


 槙場は舞の髪の毛を引っ張りいまだにお腹を殴り続けている。舞は激痛と吐き気でどうにかなりそうだった。


「おっとアザができたら価値が下がってしまう、ってもう遅いよな、ははは、これぐらいでやめておくか、翔太くん、君もいつかこの日が来るよ、その時はたっぷり遊んであげるから」


 槙場はニヤっと表情を見せた。そして舞の髪の毛を引っ張りながら引きずって保健室に連れていかれた。


「お、ねがい、もう...いた、い..のしょうちゃぁぁぁーーーんた、す、け、てえぇぇー」


 舞は意識が朦朧もうろうとしているなか最後に翔太に助けを求めたが、翔太が助けることは無かった。言葉も途切れ途切れだ。


「し、にた、く、ない」


 翔太は裏口で固まっていた。もう足が動かなかったのだ。パンツとズボンはびっしょり濡れポタポタとおしっこが垂れている。子供にはどうすることも出来ない。


「俺は無力だ...ごめんな、ごめんな舞」









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