第二十話 放送
-----------南の門にて---------------------
「ヒュー――――――」
風の音だけ聞こえる。何も喋らずに何時間経過したのか...
(ナード)グワアアーグワアアーグワアアー
ナードは叫び始めた。人間と違い怪物は待つという習性がない。だからここまで我慢したのも初めてだ。目の前に新鮮な肉があるのに我慢して我慢して待ったのに、一向に子供の肉は来ない限界だ。
(ナード)人間の王、いつまでおじゃを待たせる気だあぁ?
(ニック王)怪物、もう少し待ってくれ
(ニック王)槙場は何をしているんだ、すまないパルン、ワシは様子を見に行ってくるお前は門を見張るだけでいいからな、開けてはならぬぞ
(騎士長パルン)わかっています
ニック王はすぐさま馬に乗り街の肉小学校へ向かった。
----------数時間後----------------
(ニック王)槙場ーーーーーーーーーーーいたら返事しろーーー
ニック王は肉小学校の正面から侵入し槙場を探すがとても静かだった。物音ひとつしない。階段を登ると吐瀉物が落ちていた。まだ新しい、ニック王はそれをたどり保健室へとついた。ドアは血でべっとり、匂いもした。なんだろう腐ったような匂いだ。
(ニック王)ゲホゲホ、槙場いるのか...ゲホゲホ
ニック王はゆっくり血の付いたドアを開けた。部屋は血と肉で埋め尽くされており見るに堪えなかった。女の子の死体が多くありその中には槙場の死体もあった。
(ニック王)まき、ば、槙場ーーーー
最初は信じがたい光景だったがやっぱり槙場だ。人類の夢と希望が消えた瞬間だった。
(ニック王)これでは、ワシら人類はもう無理だ、槙場以外にできるものはおらず、桜には期待しているが今、怪物がすでに南の門にいる、即戦力にはならない ゲホゲホ
ニックはこの死体を南の門まで運ぶことも考えたが、この量は速達ロケットを使わないと到底運べなかった。所有者はルーシアだが、速達ロケットの動かし方は槙場しか分からない。かといって女の子1人なら運べるが奴は満足しないだろう。そう考えていると机の上にメモが置いてあった。ルーシアからだ。
(私たちの地下帝国が完成したは、今こそ新たに始めましょう、そしてこの国の最後を見届けるの)
(ニック王)がっはっはっ、そうかようやく完成したか間に合ってよかった。槙場すまないな本当はお前も地下帝国へ連れていく予定だったが死んでしまってはどうしようもない
ニックは強烈な匂いの部屋からでて王都へ急いで向かった。地下帝国は王都の中から繋がっている。
ーーー南の門にてーーーーー
(ナード)おじゃもう無理だグワアアア
「ドーン、ドーン」
木でできた壁は少しずつ壊れてきた。
(騎士長パルン)おい、怪物、肉が来るまで待て
(ナード)グワアア、もう時間切れだ、おじゃ門を破壊する
「ドーン」
(騎士長パルン)こうなるなら最初から戦うべきではありませんかニック王...
そして南の門は再び破壊された。
(ナード)人間喰う、おじゃは何時間も待った、だが契約は無効になった。
(騎士長パルン)俺は最初から戦うことを望んでいたがな、この門を破壊する力、お前はこれまでに戦ったことのない力を持っていそうだ。精々楽しませてくれ
(ナード)肉ごときがああ、グワアア
面と向かったパルンとナードだったがそのとき放送が流れた。
「ザ――――――――」
(ニック王)この国はもうじき消滅するであろう。そして新の国へと進化する、全てが従順であり素晴らしい国へとな、今生きている諸君、死んでくれ
「ザ――――――――」
国中に響きわたる放送だった。




