第二話 肉小学校
(ママ)朝よ起きなさい桜
(桜)ママーもうちょっと寝るー
「スースー」
(ママ)さくらぁぁぁーーーーー起きなさい
ママは桜の布団を取り上げ耳元で大きな声を上げた。
(桜)ママぁぁ声でかい、眠たいよー、はぁぁぁぁぁあああああ
桜は目を擦りこすりながら渋々起き上がる。時計を見ると遅刻5分前、肉小学校まで歩いて20分、走っても10分だ間に合わない、馬だと3分!桜はママに馬で送ってもらえば遅刻せずに済むし楽して学校に行ける一石二鳥と考えた。
(桜)おねへがいママ、
桜はご飯を口に入れながらお願いした。
(ママ)桜行儀が悪いわよ、仕方ないわね次はないわよ
(桜)はーーい
桜は笑顔で返事をした。そして小さくガッツポーズした。ママの後ろに乗り、出発したのだが
「ブルン、ブルン」
今日は、馬の調子が良くなくて歩きより遅い。結局、桜は遅刻した。
(ママ)桜ごめんね
(桜)うえぇぇーーんもうママなんて嫌い
(ママ)あ、ちょっと桜、桜!
桜はママの言葉を聞かず泣きながら正門を抜けた。そして急いで靴箱で上履きに履き替え階段を上る。クラスに入ってみるとそこには先生は居なかった。
(桜)めっちゃ奇跡
泣いてた桜は一瞬で泣き止んだ。そして再びガッツポーズ。でも何かがおかしい。いつもは、みんな賑やかなのに葬式のように誰一人と喋っていない子供たちも少なくなっていた。
(舞)桜ちゃんおはよう!
友達である舞が桜に話しかけてきた。
(桜)舞ちゃんおはよう、他の子たちが少ないけど何かあったの?
(舞)...
舞は一瞬黙った。
(翔太)桜、お前は大丈夫だったんだな良かったよ。
舞と話している途中、翔太も話しに入ってきた。
(桜)どういうこと?
桜にはどういう状況なのか全く理解が出来ていなかった。
(舞)本当に桜ちゃんは知らないんだ...ここにいない子はね転校しちゃったんだよ王様から通知が来た子は転校させられるの
舞は下を向きながら桜にそう言うと涙をポロポロ流していた。
(桜)舞ちゃん泣かないでよ
桜はそっと舞を抱きしめた。
(桜)舞ちゃん、桜もその気持ちわかるよ、辛いよね、急に転校しちゃうなんて...でも大丈夫だよ翔太も桜だってまだいる、卒業するまで一緒だよ
桜はとびっきりの笑顔を舞に見せた。
(舞)桜ちゃああああん
舞も桜を抱きしめる。とても暖かく寂しさが少しは消えた気がした。そうこうしているうちに先生が来た。
(ルーシア)はーい皆椅子に座って今日も楽しく頑張りましょう
先生の名前はルーシア、学校では眼鏡をかけていて胸も大きく美人だ。男女共にとても好かれている。
(ルーシア)今日の1時間目は健康診断、2時間目は血液採取です。
週に一度は健康診断と血液採取が行われる。健康診断は、裸にさせられ隅から隅まで見られた。ケガや傷がある物は薬を飲まされる。血液採取は、沢山血を取られる。それにより倒れる生徒もたくさんいる。何に使うんだろうって思うくらいタンクに子供たちの血液が入っている。タンクは学校の敷地の半分以上を占めている。
桜は、やっぱりおかしいと感じていた。何かがおかしいとだから放課後ルーシア先生に聞いてみることにしたのだ。
(桜)ルーシア先生、クラスのほとんどの子はどうして転校したの?
(ルーシア)え?
先生はニッコリしながら答えた。
(ルーシア)桜ちゃんはなーんにも気にしなくていいのよ、それよりもう下校の時間よ。気をつけて帰ってね。怪我したら大変だからね。
(桜)でも先生、桜気になるんです。教えてください!!だって小学校はここにしかないはずでしょ?
(ルーシア)言ったでしょ。桜ちゃんはなーんにも気にすることはないの。残った子たちと今まで通り楽しくすれば...
桜はそれを聞いてがっかりした。何かを隠していることは分かったのだから。
(ルーシア)私は職員会議があるから...気を付けて帰るのよ。怪我だけはしないように
桜はとても納得がいかなかった。でも雰囲気がいつもの先生と違うし、怖くてこれ以上何も聞けなかった。だから渋々家に帰ることにした。
桜が靴箱からでて正門に向かう姿を見て、睨みつけた顔で舌打ちをした。
(ルーシア)チッ あぁぁーーーもおおおおーーー
髪の毛をぐしゃぐしゃにし、付けていた眼鏡を外し真っ二つに折った。
(ルーシア)あのくそガキィィィーーー
ルーシアは相当怒っており窓ガラスを思いっきり殴り割った。拳は出血しているが怒りが全く収まらない。
(ルーシア)あぁぁぁぁぁーーーー殺す殺す殺す殺す殺すころぉぉぉぉす
学校中に響き渡るくらいの声だった。
(ルーシア)はぁはぁはぁ、これ以上秘密を探るようならあのクソガキ殺す
そしてルーシアは廊下を歩いて行った。