第十七話 無力
ーーーーーーーーーーーー学校の裏口にてーーーーーーーーーーーーー
(翔太)舞こっちだ
(舞)うん
翔太と舞は学校から逃げようと裏口へまわっていた。
「ガチャ、ガチャ、ガチャ」
裏口のドアは鍵が閉まっていて開かない。そのとき男の人が近づいてきた。
(槙場)やっと見つけたよ、舞ちゃん
(舞)桜ちゃんのパパー、きいて私ルーシアせんせいに殺されるかもしれないのだから助けてほしい
舞は桜のパパなら助けてくれると信じ真剣に訴えた。だが槙場はへらへらしていた。
(槙場)ルーシア先生に殺される?ってそんなことないよ安心しなさい。とりあえずおいで
(舞)はい
槙場は舞の手を掴んだ瞬間だった。
(槙場)捕まえた
槙場はニヤリと表情を見せ頭を撫でた。
(槙場)よーしお利口だね舞
そう言いながら頭をなでる。舞は撫でられなんだか温かい気持ちになったが次の瞬間お腹に激痛がきた。一瞬、舞は何が起きたのかわからなかった。そしてまたお腹に激痛がはしる。
(舞)おえぇぇーーー
衝撃で今朝食べた物を吐いた。
(槙場)汚ねぇな
(舞)い、いたい、よ、桜ちゃんのパパ
(槙場)裏口から逃げようだなんて、だめだよ舞ちゃん、もうすぐで、もうすぐでさぁ、ははは、あははははは人類が終わるところだったよ、危ない、危ないよかった間に合って本当に、本当に...
槙場は笑ったと思ったら自分が死なずに済み泣き出した。皆、死ぬのは怖いのだ。
(翔太)おまえもルーシアの仲間か、舞を離せ
翔太はその光景をみて声を上げる。
(槙場)私はね、桜以外どうでもいい、桜だけ生きていれば...
そういい舞のお腹を殴る。
(槙場)オラッ
(舞)うっ
(槙場)オラッ
(舞)ヒャッ
(槙場)オラッ
(舞)オェェェェェェーヴィロヴィロヴィロヴィロオェェーゴホゴホ
何度もお腹を殴られ本格的に吐いた。
(舞)はぁはぁ、オエェェェ――
槙場は舞の髪の毛を引っ張りいまだにお腹を殴り続けている。舞は激痛と吐き気でどうにかなりそうだった。
(槙場)おっとアザができたら価値が下がってしまう、ってもう遅いよな、ははは、これぐらいでやめておくか、翔太くん、君もいつかこの日が来るよ、その時はたっぷり遊んであげるから
槙場はニヤっと表情を見せた。
(舞)お、ねがい、もう...いた、い..のしょうちゃぁぁぁーーーんた、す、け、てえぇぇー」
舞は意識が朦朧としているなか最後に翔太に助けを求めたが、翔太が助けることは無かった。言葉も途切れ途切れだ。
(舞)し、にた、く、ない
翔太は裏口で固まっていた。もう足が動かなかったのだ。パンツとズボンはびっしょり濡れポタポタとおしっこが垂れている。子供にはどうすることも出来ない。
(翔太)俺は無力だ...ごめん、ごめんな舞
そして槙場は舞の髪の毛を引っ張りながら引きずり保健室に連れていった。




