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人食殺  作者: ウルリン
第一章 裏切りの王
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第一話 食肉

皆様ようこそお肉の世界へ。この物語は人が食肉になった話である。お互いに傷つけあい、誰もが死にたくないと思っている。だから人間同士で殺しあう。人はそうだ恐怖の前では本性を表す。

(男)おいお前、俺をこの街から出せ


 男はこの街に居ることがもう嫌になり兵士に西門(にしもん)を開けるように大声で怒鳴りつけていた。


(兵士)この門より先には誰も通すことが許されていない


 この国では基本的に、誰も門より外へ出ることは許されていないのだ。そしてこの国は北門、南門、西門、東門の4つの門がある。門以外の場所は壁になっており民は登ることができないだろう。


(男)なんだと、このやろー


 男は怒りが収まらず門兵に殴りかかったが、相手は兜と鎧を身に付けていた。勿論、拳が負ける。


(男)いってぇぇぇぇーーーーーー

(男)ふぅっふぅっふぅっ


 男は拳に息を吹きかけていた。


(兵士)ははは、お前馬鹿だな


 兵士は男のバカげた行動に笑っていた。そして力強く手首を掴んだ。


(男)いてててて、いてえってぇーー


(兵士)お前のような奴は牢屋行だ

(兵士)よーし、おいお前こいつの手首を縄で縛り王都まで連れていけ


(兵士2)はい!


 兵士2は男の手首を縄で縛り馬に乗せようとしていた。


(兵士)何をしている?そいつは馬に乗せるんじゃないぞ


(兵士2)は...はーーー?


 兵士2はどうすれ良いのかわからなかった。


(兵士)こんな歯向かう馬鹿はこれがいいんだよ、ははは


 兵士は馬の横にある荷物入れに縄を結んだ。


(男)おい、何をする気だこのくそ野郎


(兵士)よーし出発していいぞ


(兵士2)はっ


「ヒヒーン」


 馬の手綱を引っ張り兵士2は王都へ向かった。男は引きずられている。


(兵士)あーいいね、こうでもしないと門兵とかやってられねえよ、ったく


 男の服はボロボロになり皮膚の皮も剥けて血が出ている


(男)なあぁぁ...たのむ...とめ、てくれ


(兵士2)...


 兵士2は男の言うことに耳を傾けず王都までたどり着いた。


(王都兵)止まれ、その男は何だ?


(兵士2)は、はいこの男は門兵に殴りかかったものです。なので王都まで連行致しました。


(王都兵)それはご苦労、中へ


「ヒヒーン」


 男は馬に引きずられたまま王都へ入った。男はもう声を発していない。そこに見えるのは数々のお店だ。武器屋や食料、民の街とは違い品揃えも豊富だ。そして建物はレンガでできている。民の街と造りも全然違ったのだ。


(兵士2)ほら立て


「バシッ」


 兵士2に男は蹴られる。男はよろよろと立ち上がりなんとか足を前に出し歩き出した。何歩か歩くと塔のような場所に着いた。


(兵士2)お願いします。


(牢屋兵)話は聞いている、あとは俺に任せろ


 そして男の身柄は牢屋兵に任された。


(牢屋兵)っち、さっさと歩け


 牢屋兵は無理やり縄を引っ張り薄暗い階段を下りた。


「ポタポタ」


 どこかで水の音も聞こえる。


(男)水...


(牢屋兵)水が飲みたいのか?


 男はこくりと(うなず)いた。そうすると牢屋兵はボトルを持ってきた。


(牢屋兵)ちょっと待ってろよ


 何やら牢屋兵はもぞもぞし始めた。


「ブルブルブル」


(牢屋兵)あーーーこりゃ大量だぁぁ


 牢屋兵はそのボトルを男に渡した。男は喉がカラカラだったから、一気に飲んだ。


(男)ぶうぅぅぅおえぇぇぇぇーーー


 男は口から勢いよく全て吐き出したのだ。


(牢屋兵)おいおい、ちゃんと飲めよ出したて新鮮なんだから


(男)ふざけ...るな、ゲホ、ゲホ、オエェェ―


 その後、男は狭くて暗い牢屋に放り込まれた。


(男)悪魔め...


(牢屋兵)はぁーすっきりしたし、お前のそんな顔が見れてよかったよ


「ガシャン」


 牢屋兵は鍵を閉め階段を上がっていった。

 この国でも法律があり、人類はそれに従わなければならない。しかし男は門兵を襲ったという罪で牢屋に一時的に入れられたのだ。これから王の判断がある。王がどうするかを決めるのだ。それから数時間後、王に報告が入る。


(兵士)王様、西門の兵士によると男が素手で殴りかかってきたので捕らえたそうです。


(ニック王)がはははは、まさか素手で鎧を殴るとは鎧の硬さも知らないようだな、だがそのような奴は生かしてはおけない死刑だ。


(兵士)はっ


 兵士は王からの判断を牢屋兵に伝えた。牢屋兵はその判決通り、男を牢屋から出しキッチンへ連れて行った。


(牢屋兵)それじゃこの男を頼みます 


(シェフ)今日は人間か、やりたくないが王の命令とはな...仕方がない


(男)いい香りだ


「ジュルジュル」


 男はよだれが垂れていた。何て言うんだろうこの香りは、今まで嗅いだことのない香りだ。


(シェフ)いい香りだろう、これは今晩の王様の食事用だ


(男)はっ ここで何をする気だ。


 男はいきなり我に返ったようにシェフに何をするか聞いた。


(シェフ)なにって?肉だよ


(男)肉ってなんだよおぉぉぉーー


(シェフ)残念だよ...俺もやらなきゃ肉にされるんだ、ごめんよ


(男)何言ってるんだよ、お、俺はただの民で、こ、これまで一生懸命働いて、あっあっどうしてこんなに国に尽くしたのに王様を信じ一生懸命、一生懸命なんでこんな、こんなぁぁぁーーーーー


「ギイィッギイィッギイィッギイィッ」


 男はその研いでいる出刃包丁を見てやっぱりかと思った。肉というのは俺のことだろうと...逃げようと頭の中では思っていても馬で引きずられ体はボロボロでもう動けない。


(シェフ)大丈夫だすぐに楽になるよにしっかり研いどいたからな


 シェフは出刃包丁を男に見せながら説明した。


(男)いやだ、しにたくない、しにたくない、いやぁぁぁぁーーー


 この出刃包丁は特殊な加工にされており皮膚を切ると同時に骨までサクッと切れる。だが多少は力が必要だ。なのでシェフは男があまり苦しまずに死ねるように出刃包丁を両手で頭の後ろまで振り上げた。人を切るのは3日ぶりだ。少し手が震えていたが、集中し力を込めて左足を目掛けて一気に切り落とした。


(シェフ)やあああああーーーー


(男)()()()()()()ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ぶしゃーーーーーーーー」


 太ももと足との間の断片がはっきり見え血が噴き出した。シェフの真っ白な服や帽子にまで血が付着する。シェフはすぐ布で断片部分を止血する。


(男)痛い、痛い、痛い、痛い、お、俺が何したっていうんだよおぉぉぉ----


(シェフ)兵士殴ったでしょ?


(男)それが何だっていうんだ、俺は、俺はただこの国から出たかったんだ。もうこの国にはうんざりなんだよおぉぉぉぉぉーーーー


 男は暴れようと必死だが体が言うことを聞いてくれない。麻酔は勿論ない。地獄だ。


(シェフ)すまないがあんたの意識は最後まであるようにしないといけない


(男)どうして、どうしてこんなことを


(シェフ)人類の為だ。意識については最後まである方がより新鮮だ。奴らも喜ぶだろう


(男)何言ってるのかわからないって言ってるだろ、ちゃんと分かるように言えよ


 そして右足、左手、右手、4つの部分の切断をし止血する。残りは体と首だけだ。もう男の精神状態は壊れている。


(男)俺は、いまどんな状態なんだ...


(シェフ)いい感じですよ、あとは目と脳みそ、首の切断だけです。


(男)っくぅーー、()()()()()()()、いつか必ず()()()()()


(シェフ)それは健闘を祈る


 そしてシェフは目玉をアイスピックでぶっ刺し目玉串を完成させた。


(男)ぎいぃぃゃゃゃああああああーーーー

(男)ころ、す、こ、ろす、必ず


 男の言葉はそれが最後だった。脳みそは頭蓋骨にドリルで穴を開けて慎重に取り出す。


「ドクッドクッ」


(シェフ)はあぁー素晴らしいこれは成功だ


 何かを訴えているかのように男の脳みそは動いていた。シェフは解体が終わると男の肉塊をビニール袋に詰めて王の部屋へ運び出した。


(ニック王)どうすればいいのだ、また奴らから肉の要求が来ている、今回は子供の肉多めと...


 ニック王は一人で何やら喋っているようだ。


「コンコン」


(ニック王)入りたまえ


(シェフ)王様、男の解体完了致しました


(ニック王)そうか、すまないが奴らからまた沢山の要求がきておる。解体を頼むぞ


(シェフ)承知いたしました


 そしてシェフはキッチンへ戻り解体の準備を進めた。




 皆この国の仕組みを知らない。人類は()()だということを



人食殺、第一話お読みいただきありがとうございます。是非第二話以降も見てください。

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                          ウルリンより

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[一言] 淡々と進んでて読みやすくて好きです。
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