17話 発見?
紹介された場所に来てみたら、
そこは街の隅にあるなんともボロい宿だった。
しかし入ってみると、
掃除が行き渡り綺麗だ。
「すみません。従魔と泊まれるって聞いたのですが」
受付にいたのは、老婆だった。
「泊まれるよ。1泊5銅貨ね」
「はい、一月分お願いします」
お金を出した。
「これが部屋の鍵ね。2階の一番奥の部屋さ。
基本的に自分のことは自分でやっとくれ。
部屋の掃除して欲しかったら言ってくれればやるさね」
悠希は鍵を受け取ると、部屋に向かった。
階段を上ると同い年くらいの少女がいた。
かるくお辞儀して部屋に入っていった。
「お隣さんか。それにしても可愛かったな」
あの少女が一人か気になったが、
悠希はとりあえず自分の部屋へ入った。
ベッドのそばに荷物を置き、
寝転んだ。
「ふぁ…このまま寝ちゃいそうだ」
「もふ!」
モッフルが飛び乗ってきた。
「私もここで寝ます」
「重い…寝ていいから乗っからないでくれ」
「はい…」
落ち込んでいるモッフルにある提案をした。
「さっそくだけどムーン洞窟へ行かないか?」
「行きます!」
モッフルは尻尾をパタパタさせている。
「じゃあ、行こう」
悠希たちは宿を出た。
市場がにぎわっている。
悠希にとってこんなにぎやかなことは新鮮な体験だ。
売っているアイテムや食べ物を見ながら、
街の門を出た。
「さて、ここから近いはずだけど」
ムーン洞窟はあちら→
看板が立っていた。
「観光地かよ」
悠希はツッコんでしまった。
「冒険者がよく行くのでしょうね」
「そうだな。魔物なんているのか?滅んでたりして」
「それは…あるかもしれませんね」
悠希たちは、ムーン洞窟にたどり着いた。
入り口の前はガヤガヤしている。
「こんなに人がいて依頼なんてできるのか?」
「さぁ…どうなんでしょう?」
「入ってみるかー…」
中に入って見ると案外広く、
たまに人とすれ違うくらいだった。
「魔物いないな。もっと地下に行くか」
地下への道を探し始めた。
「入り口にいた冒険者らしき人たちが話していたが、地下に行けば行くほど魔物は強くなるらしいぞ」
「盗み聞きですか、悪い人ですね。
けど、そんなこと話してましたね」
「お前もじゃないか」
悠希たちは、人気のない奥の方まで進んできた。
「ここならいいだろう。探索」
探索魔法を唱えた。
「ん?なんか変な部屋があるぞ?」
探知した結果、ぽっかりと広い空間に全然動かないでいる人がいた。
「こっちか」
悠希はその空間に向かった。
「ここからは壁か」
「この奥にあるのですか?」
「そうみたいだ。静かに壊したいな…モッフル頼めるか?」
「任せてください!」