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走る意味ってなんだろう。エンジンをかけてくれ。

遅い車、前後左右なし。トップ10には、入りたい。ヘヤピン、上手く通過。このクルマ、速いな。無線。あっと言う間に、ホームストレート。

『哲夫君、負けてないぞ。8番手。BOXBOX』

『了解』

まあ、そこそこだな。挑めるドライバーって言われたんだから、やっつけ仕事はできない。スタンドに日の丸の旗。照れるよ。日の丸の真ん中に『テツオ』の文字。嬉しいけど、照れる。そうこうしていると、また、ヘヤピンに差し掛かる。横に赤い車。フェラーリ、ライコネンか。やはり、速い。置いてきぼりだ。上手いよな。さすがはチャンピオンシップを争えるドライバーだ。よいしょっと。ピットに帰る。体重計に乗り、布袋さんが走りを労ってくれた。ああ、お好み焼き食べたいなぁ。

「28秒967。良い走りだ。タルキーニの親父、笑ってたよ」

「そうか。Q2、まで、あと、何分あるの。腹が減った」

「約45分だな。何か食うか」

「お好み焼き。鈴鹿に美味い店があるんだよ。『スマイル』って店でさ。豚玉の出前、頼むわ」

「カツ丼じゃないんだね」

「笑わせるなよ。俺は卒業した。豚玉、本気で頼んで。店長さん、パドックパス、持ってるから、20分ぐらいで来てくれるよ」

「了解。哲夫君。スロースロー」


モーターホームでピーコンと語る。ノックの音。ぴょんぴょんとピーコンが飛んで行き、ドアを開けるとミハエルシューマッハの笑顔が見れた。

「おーテツオさん。今までで、イチバン、良い走り。グッドジョブ。彼女、出来たあるか」

「いないよ。ただ、走らなきゃいけないっていう義務感を感じたんだ」

「ほう」

「哲夫さん、凄く素敵ですよ。親孝行ですね。最大の親孝行」

「うん。ピーコン。ありがとな」


お好み焼きを食らう俺。ピーコンとミハエルは、俺に気を使い、ギャグをトバス。ミハエルシューマッハって面白い人なんだな。仕事が出来るドライバーの憧れの一人だ。フェラーリを復活させた。7度のワールドチャンプ。カッコいい。マイケルイズマイアイドル。

「テツオサン、タバコ、マルボロ。イイアルネ」

「サンキュー。レッドホワイト、めでたいめでたい」


よいしょ。Q2、行くか。モーターホームを出る。十字架を切る。走る意味っていったいなんだろう。コックピットに潜り込む。ステアリングをはめる。エンジンをかけ、ピットアウト。

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