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第8話:喧嘩と進路

 12歳になった。

 修業はまぁ…・…ぼちぼちだな。

 格闘や剣術は相変わらず、オークス先生やビクトルには勝てないが、かなりコツを掴めるようになったと思う。

 掴んだコツをカーリナ相手に実践してみると、上手くいったりいかなかったりでその都度結果が変わってくるから面白い。

 勿論、反省点はビアンカに貰った本に書いて、次の修行の時に活かしている。

 剣術も格闘も、魔術並みにもっと使えるようになりたいな。

 中々魔術みたいに簡単に出来るようにはならないだろうけど、少しでも技術を磨きたい。


 因みに、カーリナと格闘の組手をすると、勝率は大体四割程だ。

 格闘についてはカーリナの方が才能があるかもしれない。

 剣術では俺の方に分があるので、どうやら格闘の方が得意みたいだ。

 俺ももっと精進せねば!


 魔術や魔法についてはそれなりだ。

 あれから他に教えてくれた魔法は無かったが、ランペッジャメントについては短詠唱でも使えるようになった。

 カーリナはも魔法の習得に力を注いでいるが、最近になってやっと数回成功した程度だ。

 それでも成功率が一割にも満たず、先生の話では総魔力量の上昇が少なくなっているかもしれないそうだ。

 それでも毎日頑張っているカーリナは単純に凄いと思う。


 「きょーもげんきにふふんのふ~ん!」


 そして朝から機嫌よく小唄を口遊(くちずさ)むカーリナ。

 かわいいだろ? 妹なんだぜ、これ。


 いつもの道、オークス先生の家までの道中、俺とカーリナは手を繋いで歩く。

 割と朝から通うことが多く、アルフレッドは昼まで遊び、午後から修業に参加している。

 つまり今は二人で手を繋いでいるこの状況、これはまさしくデートではないのか!?

 妹相手でも、割とドキドキするもんだ。

 カーリナは贔屓目に見てもかわいいし、将来はビアンカ似の美人になると断言できる。


 そんな子と俺は今、手を繋いで歩いている。

 前世という記憶がある分、本当の家族、と心の底から中々思えなくて悩んでいるのだが、カーリナといるとどうでもよくなるな。


 「おいお前たち!」


 誰だ、俺達の恋の逃避行を邪魔する奴は。別に逃避してるわけじゃないけど。

 声が聞こえてきた方向に顔を向けると、10メートル程先に猿を筆頭にして、河童と豚もいた。

 オークス先生の家に向かう道中で、よく絡んでくるガキ大将達だ。

 さんび……三人は俺達の方にやってくると、ニヤニヤと嫌らしい笑みで見下してくる。


 「お前たち、ヤコブさんの所で魔術を習ってるそうじゃないか」

 「……まあそうですけど」


 いきなりなんだこの猿は。

 だからどうした、失せろ! と言ってやりたいが、言えば拳が飛んでくるだろうから言わないでおこう。

 痛いのは嫌だしね。


 「だったらどうしたのよ、あっち行ってよ!」

 「えっ!?」


 言っちゃったよこの子! カーリナなんで君、そんなに喧嘩っ早いの!?

 グーでパンチされちゃうぞ!?


 「フン! お前たちのようなへなちょこがヤコブさんから魔術を教わるなんて、相応しくないんだよ!」

 「俺たちの方が魔術の才能はあるんだ!」

 「だからお前たちに代わって、ヤコブさんから魔術を教わってやるよ!」


 殴られる! と一瞬身構えたが、意外と猿達は手を出すことをしてこなかった。

 三人の発言を纏めると、猿達が俺達に代わってヤコブ先生から魔術を教わる。と言いたいようだ。

 何だろう、俺達が有名な魔法師から、教えを受けるのがそんなに気に入らんのかね?


 「いやそれはちょっと……。そういうのは、ヤコブ先生にちゃんとお願いしたほうがいいですよ」

 「うるせえ! お前がいるから悪いんだ!」

 「ええー……」


 なんという理論だ……。まさにガキ大将の言い分じゃないか。


 「なによさっきから! お兄ちゃんの方がずっと才能あるもん!」

 「なんだと! 俺がこんなへなちょこより才能がない訳ないだろ!」

 「お兄ちゃんのことへなちょこって言わないでっ!!」


 俺のすぐ隣でカーリナが猿に食って掛かっている。

 というか、あんまりへなちょこへなちょこっていうなよ、凹むだろ……。

 カーリナも、顔一個分見上げる程の相手なのに、よくここまで言えるもんだな。

 ついつい感心してしまった。

 猿も猿で、年下の女の子に煽られるなよ……。

 煽り耐性ゼロか。


 「……ふん! だったら魔術で勝負だ!」

 「えっ、いや、それはまずいでしょ? 無闇に人に向けて使うなって言われてるし……」

 「むやみじゃねえ! これは決闘だ! ウィンドバレットなら怪我しないだろ!」


 突然、魔術で勝負だ、とか言い出しやがった。

 駄目だろ、って言ってもなんのそのだ。聞く耳持たねえよこの猿。

 後ろの二人もニヤニヤしてないで止めてくれ……。

 カーリナも、魔術での勝負を持ちかけられて、流石に心配した様子で俺を見る。


 「ウィンドバレットでも危ないですよ? というか決闘って一方的に言われても困るし……」

 「ごちゃごちゃうるせえ! 俺が勝ったら、お前たちはヤコブ先生のとこ行くなよ!」


 本当に一方的じゃねえか……。

 なんか勝手に決めて離れていくし。

 マジでやる気みたいだ。

 というか、俺のウィンドバレットは危ないよ? ウォーターバレットもそうだったけど、その気になれば風穴開くよ?

 ……うん。危ないからリザーブで猿の魔術を封じよう。


 「カーリナも危ないから、少し離れてて」

 「うん……ごめんね、お兄ちゃん……」

 「気にするな」


 そう言ってやると、カーリナは右後方の安全な所まで離れる。

 やはり、この強制的な決闘イベントの発端になったことを気にしているのか、申し訳なさそうな表情をしていた。

 大丈夫! 君のお兄ちゃんは勝つからね!


 「いいか! 使うのはウィンドバレットだぞ! 先に相手に当てて倒した方が勝ちだからな! 行くぞ!!」


 再び10メートル程離れた猿達が向き直り、また一方的に宣言してきた。

 だけ、とは言ってないな、うん、よし。

 今思ったが、これって実戦的な魔術の訓練にもなるんじゃなかろうか?

 そう思うと少しやる気が出てきた。今の自分の技量を試せるいい機会かもしれない。

 本当は人に使いたくないけどね。


 「『我が一にぎりの魔力をもってこの手より風球を撃ち出さん ウィンドバレット』!」

 「『リザーブ』!」


 猿が作り出したウィンドバレットを、上級無属性魔術のリザーブで打ち消す。

 ウィンドバレットはその名の通り、風の球なので見えにくい魔術だ。

 見えない分、まともに食らえば大の大人を転ばせることも出来る。


 「あ、あれ? わ、『我が一にぎりの魔力をもってこの手より風球を撃ち出さん ウィンドバレット』!」

 「『リザーブ』!」


 だからこそ、そよ風程度の影響も受けていない俺を見て不思議に思ったのか、はたまた打ち損じたと思ったのか、猿はもう一度ウィンドバレットを使ってきた。

 そしてそれを、俺がまたリザーブで打ち消す。


 「あれ? あれ!?」


 二回目も打ち消され猿は、おかしいな、といった様子で自分の手を見ている。

 それでも結局、何も分からないままさらにもう一度ウィンドバレットを撃ってきた。

 猿がいちいち全詠唱で撃ってくるため、俺もリザーブで封じやすい。


 「魔術が使えないぞっ、お前なにをした!?」


 連続でウィンドバレットを封じられた猿は、顔を真っ赤にしながら近づいて来た。

 後ろの取り巻きも慌ててくっついてくる。


 「いや、上級の無属性魔術のリザーブで、そっちの魔術を封じたんですけど……」

 「はぁ!? 何だよそれ! 卑怯だぞ!!」


 卑怯ってなんだよ、正攻法だろ。


 「卑怯じゃない! お兄ちゃんの方が色んな魔術を知っていたからでしょ!」


 いつのまにか隣に来ていたカーリナが反論する。

 それを猿はを忌々しそうに睨むと、カーリナの胸の辺りを強く押した。


 「うるさい! お前はすっこんでろ!」

 「きゃっ!」

 「カーリっ!」


 この野郎! カーリナを突き飛ばしやがった!!

 派手にこけてしまったが、先生から習った受け身を取ってダメージを抑えたようだ。

 カーリナを助け起こそうとするが、猿に胸倉を掴まれ、それどころじゃなくなってしまった。

 猿は力任せに俺を引き寄せ、拳を振り上げる。

 マズイ!


 「お前がわぐべっ!?」

 「あ、やべっ」


 殴られそうになったその瞬間、咄嗟に左拳で猿の顎を打ち抜いてしまった。

 それがクリーンヒットしたみたいで、猿なのにカエルみたいな声を上げながら崩れ落ち、そのまま気を失ってしまったようだ。


 「……」

 「……ま、マルコス!」


 唖然とする河童に、慌てて起こそうとする豚。

 だ、大丈夫だよね? 生きてる……よね?


 「と、取りあえずマルコスの家まで運ぼう!」

 「う、うん! お前たち、お、お、覚えてろよな!」


 取り巻きの二人が猿を抱えて連れて行く。

 てっきり二人にも殴られるかも。と身構えていたが、そんなことはなくてよかった。

 というか猿も大丈夫そうだ。運ばれる時に「う~ん」って唸ってたし。


 「勝っちゃったね……」

 「……うん」


 倒れてからすぐに起き上がっていたカーリナが、ドタドタと走って行く二人を見てぽつりと呟く。

 勝った。

 前世と合わせて、人生で初めて喧嘩に勝ったかもしれない。

 まああんまり自慢できることでもないし、相手は2,3歳年上とは言え、子供相手だからそんなに自慢することでも、威張ることでもないな。

 むしろ家に帰ったらビクトル達に怒られそうだ。


 「お尻大丈夫?」

 「うん、平気! お兄ちゃんこそ大丈夫?」

 「うん、俺も大丈夫だよ」

 「あの人たち、乱暴だよね?」

 「そうだな」


 結局彼らは何をしたかったんだろうか?

 俺達のことが気に入らなかったのは分かったが、乱暴は駄目だよな。

 ……今さらだが、ホッとしてから足が震えてきた。


 ただ、カーリナに怪我がなくてよかった。これもオークス先生のお陰だろう。

 不意を突かれて突き飛ばされていたが、カーリナがあのまま相手をしていても、三人を圧倒したはずだ。

 魔術も格闘も先生の許で修行していたからこそ、俺達に怪我が無くて済んだようなものだ。

 まあ、猿には悪いことをしてしまったかもしれないが、それも乱暴に絡んできた猿達の自業自得だろうしね。


 「先生の家にいこっか」

 「うん!」


 再び手を繋いで歩き出す。

 丁度人がいなかったこともあって、大した騒ぎにはならずに済んでよかった。

 まあ、ビクトルの方に連絡がいくかもしれんが、その時はちゃんと事情を説明して理解してもらおう。

 


 _______________________________________________




 「おはようございます」


 しばらくて、いつも通りオークス先生の家に着いた俺達は、ノックをしてから上がり込む。

 弟子になってからは、特に返事など待たなくても勝手に入ってもいい。と許可を貰ったので、今では好きに入り放題だ。

 当初は不用心極まりないと思ったものだが。


 「おお、来たか二人とも。丁度良い、そこに座ってくれ、話がある」


 家に入ると、先生は椅子に座って何かを読んでいる最中だった。

 テーブルの上には便箋のような物があるから、誰ぞからの手紙かもしれん。

 しかし、話の内容に心当たりが無く、カーリナと首をかしげながら顔を見合わせつつ、並んで椅子に座った。

 丁度先生の反対側、テーブルを挟んで先生と向かい合う形だ。


 「ヤコブ先生、何の話?」

 「その手紙と何か関係あるんですか?」

 「うむ、まあ少しの。説明するよりもまずはこれを読んでくれ」


 俺達の問いに、先生は持っていた手紙を俺達に差し出してきた。

 それを受け取り、カーリナと一緒に読んでみる。


 「え~っと―


 『久しぶりだな! 今回手紙を出したのは、ちょいとばかりお前に頼みたいことがあったからだ。

 実はこのあいだ生まれた娘、フェリシアが今度15歳になる。

 今まで俺の里で剣術を中心にしか修業をさせてやれず、魔術は少ししか教えてやれなかった。

 俺自身そこまで魔術を知っているわけじゃないからだ。


 そこで15歳になったついでに、しっかりとした魔術を覚えさせたいと思う。

 しかし今は、お師匠様は封印されているから最高の教育を受けさせてやれない。

 だから、お師匠様以外に頼れる魔術の実力者、としてお前にフェリシアを任せたい。

 勿論冒険者として一緒に旅をしながらだ。


 アイラも頭に浮かんだが、アイツは駄目だ。ギューンとかドーンとかばっかでまるで理解できねえ。

 フェリシアもフェリシアで、ちょいと我儘な所があるから大変かも知れねえが、そこをなんとか頼むわ!

 

 あとお前の家分かんねえし、俺電話って嫌いだから、ハルメニア東部のフィロータスにある冒険者ギルドで待ってるぞ!

 もしこの手紙無視したら、お前のその尖った鼻をへし折ってやるからな!

 絶対来いよ!


 ―フェリクス』


 ……んん?」


 手紙を一通り読んだが……色々ツッコミどころの満載な文面だった。

 随分荒っぽい人のようだ。

 そもそも、オークス先生の所在地が分からないのに、よくこの手紙が届いたな。

 

 肝心の手紙の内容は、差出人の娘さんを先生の下で魔術の修行をさせたいらしい。

 それも冒険者としてだ。


 まあそれは理解できた。

 ただ、差出人の名前が気になる。

 フェリクス、ってどこかで見たような…・…。


 「フェリクスって、”剣皇フェリクス”のこと? 魔神エルメスの弟子の?」

 「そうじゃ、そのフェリクスじゃよカーリナ」


 ああそうか! いつぞや先生から借りた本に書かれていたな。”剣皇フェリクス・ファーランド”。

 オークス先生も魔神の弟子だもんね。そりゃ繋がりがあって当然か。


 「すごい! ヤコブ先生って、すごい人と知り合いなんだね!」


 有名人からの手紙だと知ってカーリナは大いにはしゃいだ。

 因みにカーリナはまだオークス先生の正体を知らない。


 しかしカーリナのテンションが上がるのも納得だ。

 SM○Pからメール来たんだぜ。って言われたようなものだもんな。

 やべ、俺もちょっとテンション上がって来た!


 ……いやでもちょっと待てよ。

 手紙では来い! って書かれているから、オークス先生はここからいなくなるのか?

 俺達の修行は?


 「先生、この人達の所へ行っちゃうんですか?」

 「えっ? あっ! そっか……。先生行っちゃうの?」


 俺は出来るだけ悲しそうな表情で聞いた。

 それを見たカーリナも手紙の内容を思い出したのか、一瞬で表情が曇り、俺以上に悲しそうな表情をする。

 天然成分100%な分、カーリナの方がより悲壮感を感じる。

 そもそも、俺としては先生に行って欲しくない訳で、なんとしてでもここに引き留めたい。

 先生の鼻が犠牲になるだろうが、なあに、その時は俺が治してやんよ!


 「うむ。そこで本題なのじゃが、儂はお前さん達も一緒に連れて行きたいと思うのじゃ」

 「え?」


 と思っていたら、何かとんでもないことを言われた気がするんだが……・。

 え? 何? つまり俺達も一緒に旅に出ろと?


 「……手紙には、冒険者として旅をしながら魔術を教えろ。って書いてありましたけど……?」

 「そうじゃ」

 「そうじゃって、いきなりそんなことを言われても……」

 「その代わり、と言ってはなんじゃが、儂がフェリクスの娘に魔術を教えるかわりに、フェリクスにはお前さん達に剣術を教えさせようかと、思っておる」

 「本当ですか!?」

 「おおー!!」


 っていうことは、称号付の人から、それも”剣皇”と呼ばれている人から剣術を習うことが出来るのか!

 これって、プロ野球選手から直接野球の指導をしてくれるようなものだもんな。

 こんな機会は滅多にないだろうから、是非とも連れて行って欲しい!

 ……と、思うんだけど……。


 「でも、冒険者をしながら、っていうのは、ちょっと心配といいますか、ほら僕達まだ子供ですし……」

 「お前さんのような子供がなにを言うか。魔法だって使えるじゃろうに……」

 「そうだよ! お兄ちゃんは強いんだから、きっと大丈夫だよ!」


 なんか先生からは心配されてないし、妹は適当なこと言われるし、俺の本心は理解されていない気がする。


 何を隠そう、俺は怖いんだ!

 考えてみて欲しい。俺はほぼ平成育ちの元もやしっ子だぞ? どこそこへ旅に出て帰ってくるならまだしも、冒険者をしながら旅をする、っていうのは最早あれだ、苦行みたいなもんだ。


 冒険者については、ビクトルから聞いたことがあってだな、というか昔冒険者だったらしく、色んな話を聞かせてくれた。

 冒険者と言うが、要は何でも屋で、冒険者ギルドからの依頼でなんでもこなすらしい。

 それこそ屋敷の警護から秘境の探索まで、あらゆることをだ。

 当然、危険な依頼程報酬は高いらしいが、危険であることには変わらない。

 死の危険も、十分にある。


 それをこの爺さんは、12歳の子供にさせようというのだ。

 いくら称号付の人が同伴でも、これは流石に悩む。

 でもプロから剣術を学びたいし……。どうしたものか……。


 「……行こうよ、お兄ちゃん! 危ないこともあるかもしれないけど、楽しいこともきっといっぱいあるよ」


 黙って悩んでいた俺は、屈託のない笑顔のカーリナに誘われる。

 本当に分かっているんだろうか? 一度旅に出てしまえば、自分の身は自分で守らないといけないだろう。

 いつもいつも先生が守ってくれるわけではない。

 そのことをよく考えて欲しいのだが……。


 「それに私、お兄ちゃんと一緒に行きたい!」

 「カーリ……」


 なんてことを言うんだ! 俺の悩みが全部ぶっ飛んでしまいそうじゃないか!

 思わず身悶えそうになったが、何とか兄としての威厳を取り繕う。

 そんなもんは元々なかった気はするが。


 「ベルホルトよ」

 「はい、先生」


 すると今度は、オークス先生に声を掛けられた。

 先生の方に顔を向けると、彼は真剣な表情で俺を見つめてきて思わず背筋を伸ばしてしまう。


 「安全な所で修行をするのもよいが、時には危険に身を任せながら修業することで、より感覚を研ぎ澄ませ、より強くなることが出来る。それは、お前さんにとっても望む所だと思うがの」

 「……」


 先生の言う通りかもしれない。

 今までのように安全な所で修行して、危険を回避する方法を知らないまま真神との戦いに巻き込まれたら?

 その時俺は生き残れるだろうか?


 いや多分生き残れる確率は低くいだろう。

 だったら、この旅について行って、いずれ巻き込まれるであろう戦いに生き残るために、少しでも危険を知っておいた方がいい。


 何より、前世のように自分の感情を優先させていては駄目だ。

 カーリナ達を守りたいのだったら、今ここで諦めたり中途半端になったりしたら駄目だ。


 ……うん。二人のお陰で、大事なことを思い出した。

 この想いは忘れてはいけない。


 「わかりました、俺も行きます。行きたいです、連れて行って下さい!」

 「お兄ちゃん!」


 その場でついて行きたいと申し出る。

 それを聞いたカーリナは嬉しそうだ。

 先生も満足そうな表情で抑揚に頷いていた。


 「うむ。ベルホルトもカーリナも、付いて来てくれると信じておった。帰ったらビクトルとビアンカにも伝えておいてくれ」

 「はい」

 「はい!」


 うん。帰ったらしっかり伝えておこう。

 今日は丁度、ビクトルの仕事も休みだから家にいるだろうしね。

 きっと二人とも、突然のことでビックリするだろうな。

 ……危ないから駄目! って言われそうな気もするが、まあ、そこは何とか説得しよう。


 「ねえ先生。旅からはどれくらいで帰ってくるの?」


 そう言えば、とカーリナが疑問を投げかける。

 確かに、いつまでも旅をするわけではないはずだ。

 そこのところもしっかり聞いておかなければ。


 「おおそうじゃ、期間は2年ちょっとかの? まあお前さん達が15歳になる前にはかえって来れるように、フェリクスと相談するつもりじゃ」

 「2年……15歳になる前に、ですか?」

 「うむ。15歳になったら、お前さん達学院に入学するじゃろうて。王立魔術学院に」


 あれ? 俺そこに行く話になってたっけ?

 興味はある、って言った気はするが、入学するとは一言も言ってないぞ! 


 ……いや、これもそうだ。

 折角オークス先生が考えてくれているのなら、そこへ入学したほうがいいのだろう。

 なんだか流されている気もしないでもないが、これも俺に必要なことなんだと思っておこう。


 「……そうですね、そっちの方もよろしくお願いします」

 「私も入学出来るよね?」

 「勿論じゃ。カーリナならば簡単に入学出来るじゃろう」

 「本当!?」


 王立魔術学院についても決まったな。

 なんだかんだで、学校なんて前世の高校以来だから何気に楽しみではある。

 ……高校生の時によくつるんでた友達は、今も元気かねぇ……。


 「ただ、学院に入学するにあたって先立つものが必要でな。その為に、冒険者として得た報酬はしっかり貯えておきなさい」

 「わかりました」


 何事も金が必要ということらしい。

 まあ、冒険者がどれだけ儲かる仕事かは分からないが、なるべく無駄遣いの無いようにしよう。


 その後、大まかな段取りを決め、今日は修行をせず家に帰ることとなった。

 ビクトル達ともしっかり話し合いをしておけ。とのことだ。

 出発は一か月後。

 少し慌ただしくなりそうだな。


 「そう言えば今日、ここに来るときにサ……じゃなくて、誰だっけ? あの三人組。確かま、ま……」

 「マルコスかの? もしかして、あやつらに何かされたのか?」

 「はい。ここへ来る途中に因縁を付けられまして……」

 「私たちのこと悪く言ってきたから喧嘩になっちゃって……」


 帰る間際、猿達に絡まれたことを思いだし、一応話してみる。

 一通りの出来事をカーリナと二人で説明すると、オークス先生は俺達から目を逸らし、「あ~……」なんて声を出していた。

 もしかして、心当たりがあるのかこの爺さん。


 「すまん。それは儂の所為かもしれん……」

 「どういうこと?」


 そうだ、どういうことだ。もしかして(けしか)けたわけではあるまいな。

 やめてくれよ本当に。

 変に絡まれて怖かったんだぞ。

 それにカーリナが怪我をしたらどうしてくれるんだ? その時は俺とビクトルが黙っていないぞ!

 魔導師がナンボのもんじゃい!


 「うむ、ついこの間、マルコス達が家にやってきてな。魔術を教えろと言ってきたもので、仕方なく一度だけ魔術を見てやったんじゃ」

 「俺達がやって見せたように、素質を見たんですね?」

 「そうじゃ。しかしあの三人は全くとは言わんが、素質がなくてのう。教えるのを断ったのじゃ」

 「その時の様子はどうでした?」

 「……怒って帰りおった」


 最後に微妙な表情で答えた先生を見て、なんとなくことの成り行きが分かった気がする。

 要は、先生に師事しようとした猿達三人は、先生に断られて憤慨し、八つ当たりとして俺達に喧嘩を吹っ掛けてきたわけだ。


 「なんだか自分勝手な人たちだよね」

 「そうだな」


 結局はこれに尽きると思う。

 最初に遭遇した時から自分勝手なことばかり言っていたし、何でも自分本位じゃないと気が済まないのだろう。

 それに巻き込まれるこっちもいい迷惑だ。


 「あやつらもそこそこの悪ガキじゃが、儂も子供の時分は村一番の悪童での。何度親に殴られたことか……」

 「えっ!? そうなんですか?」

 「へ~。なんか意外だね」


 意外なことに、オークス先生も昔はヤンチャ坊主だったようだ。

 今のしみじみと頷く姿を見ても想像し難い。

 人は見かけによらずだな。


 「しかしそれにしても、お前さん達が一方的に叩きのめさなくてよかった。儂としては、その方が心配じゃわい」

 「『持つ者は持たざる者を貶めるなかれ』ですからね」

 「……成程、ビクトルやビアンカの教育が行き届いているようで、何よりじゃ」


 先生はそう満足したように頷く。

 そりゃそうだよな、自分の教え子が教えた技で人に危害を加えた、なんてことになって欲しくないだろう。

 俺も喧嘩は好きじゃないし、理不尽に暴力を振るうようなこともしたくない。


 「ま、色々問題にはなるじゃろうが、儂からもあやつらにも言っておくから、帰ってからビクトル達にしっかりと説明しなさい」

 「はい、そのつもりです」


 別にこっちから喧嘩を吹っ掛けたわけじゃないし、正当防衛だから許してくれると思う。

 何はともあれ、帰ってからすぐに報告だな。

 ほうれんそうは大事。


 そんなこんなでオークス先生との打ち合わせを終え、帰路に就く。

 途中で猿達の報復に合うかもしれない、などと内心ビクビクしていたが、そんなことはなかった。



 _______________________________________________




 「ただいまー」

 「ただいまー!」

 「あ! お兄ちゃんたちおかえりー!」

 「あら? お帰りなさい二人とも。こんなに早く帰ってくるなんて、どうしたの?」

 「もしかして、何かあったのかい?」

 「うん。実は――」


 昼前に帰ってきたためか、ビアンカは台所で料理を作っている最中で、ビクトルはアルフレッドの遊び相手をしていた。

 いつもより大分早い時間に帰って来たことを不思議に思ったのか、ビアンカやビクトルがその理由を聞いてきたので、俺達はオークス先生の家であったことを話す。


 先生の家に、剣皇から手紙が来たこと。

 先生がその人の娘さんに魔術を教えに行くこと。

 それに付いて行き、剣術を習うこと。

 そのついでに、冒険者として旅に出ること。

 帰ってきたら、王都の王立魔術学院に入学すること。

 一通り話した。


 「冒険者……」


 説明を終えると、ビアンカは心配そうな表情でそう呟いた。

 しかし、そんなビアンカとは反対に、ビクトルはやや興奮した様子で話を聞いて来た。


 「凄いじゃないか! あの”剣皇”フェリクスに剣術を教えて貰えるなんて、そうそう無い機会だよ!」

 「教えて貰えるかも(・・)だけどね」

 「それでもいいじゃないか! ヤコブさんが紹介してくれるのなら、きっと教えてくれるはずさ!」


 そういえばビクトルは称号信仰の人だったな。

 だから、”剣皇”と聞いてこんなに喜んでいるのか。

 ただ、そんなビクトルに、ビアンカは反対する。


 「あなた、二人はまだ12歳よ。ヤコブ先生や称号付の方が一緒だからと言っても、冒険者なんて危ないわ」

 「確かに、危ないこともあるけれど、それを乗り越えられれば、きっと大切な経験になる。だから僕は、二人にはこれを機に冒険者として旅をしてほしい!」

 「あなた……」


 しかしビクトルの熱い想いを聞いたビアンカは、納得したような、否定したいような表情で悩む。

 やがて意を決した様子で俺達に向き直って言った。


 「わかりました、ベル、カーリ。でもこれだけは約束して? まず、ヤコブ先生達の言うことを聞くこと。命の危険を感じたら、すぐに逃げること。そして、必ず無事に帰ってくること。いい?」

 「はい」

 「はいっ!」


 最終的に冒険者として旅することを許してくれた。

 ただ、無事に帰ってくることを条件にだ。

 やはり親としては心配なんだろう。

 任せとけって! カーリナを守って無事に帰ってくるからさ!


 「うん。じゃあ、先生達と修行、頑張って――」

 「おかあさん、おとうさん、僕もいきたい! お兄ちゃんたちと一緒にいきたい!」


 と、ここで、今まで黙って話を聞いていたアルフレッドが一緒に行きたいと言い出した。

 しかし、アルはまだ7歳だ。

 流石に7歳の子供連れて行く訳にはいかないだろう。

 まあ俺もまだまだ子供だけど。


 「アル……あなたにはまだ早いわ。冒険者なんて危ないこと、まださせられません」

 「でも! お兄ちゃんたちだけズルい! 魔法も剣術も、お兄ちゃんたちばかりおしえてもらって、僕だけなかま外れだもん!」

 「アル! 我儘言っちゃ駄目だよ! 私もお兄ちゃんも、今まで頑張ってきたんだから、アルも後5年くらい我慢しなくちゃ!」

 「いやだ! いま行きたい!!」


 ビアンカはともかく、普段はアルフレッドに甘いカーリナも、厳しく言い聞かせている。

 それでもアルフレッドは、俺達と一緒に行きたいと駄々をこねた。


 確かに、アルフレッドの立場からすると、兄達に置いて行かれるのは辛い物があるのだろう。

 前世では一人っ子だったから、弟の気持ちを理解してやるのは難しい。

 さて、どう説得したものか……。


 「いいかいアル」


 と悩んでいると、ビクトルが膝を折り、アルフレッドと目線を合わせて諭すように言った。


 「お父さんも、本当はアルにも旅にいって欲しいと思っているんだ。

 でもね、アルはまだ7歳だろう? そんな、まだまだ小さなアルを旅に出すのはとても心配なんだ。

 だから君が、今のお兄ちゃん達と同じ12歳になるまで我慢して欲しい。

 その間、お父さん達がうんと教えてあげるから。ね?」


 流石というかなんというか、ビクトルは子供の諭し方を心得ているようだ。

 そんなビクトルの話を聞いたアルは、ゆっくりと頷く。


 「……うん、わかった。ガマンする」

 「よし! じゃあこれからは、ベル達を負けないように頑張ろう!」

 「うん!」


 アルフレッドは、結構パパっ子だ。

 勿論ビアンカのことも親として好きみたいだが、よく甘えているのはビクトルの方だ。

 カーリナとちょっとした姉弟喧嘩になった時は、決まってビクトルに泣きついていた。

 アルフレッドが悪戯をして俺が叱った時も、よくビクトルの後ろに隠れたりしていた。


 アルフレッドにとって、ビクトルはとても大きな存在なのだろう。

 そんなビクトルに諭され、ある程度は納得してくれたみたいでよかった。

 ただ、アルフレッドが12歳になる頃には、俺達は王都の学院に在籍しているだろうから、一緒に旅に出てやれるのは卒業後になる。

 アルフレッドにとっては、長い長い我慢になりそうだ。


 「でも、旅から帰ってきたらまたすぐに王都の学院に入学するのよね? お金は大丈夫かしら……」

 「あ、それなら、ヤコブ先生が冒険者で貰った報酬を貯金しろ、って言ってたよ」

 「あらそう! ならしっかり貯金しなくちゃね!」

 「うん!」


 とまあ、王立魔術学院についての理解もそこそこ得られたところで、ビクトルとビアンカにはもう一つ言わなければならないことがある。


 「……お父さん、お母さん。実はもう一つ言わないといけないことが……」

 「ん? どうしたんだい?」

 「今日、先生の家に行く途中で、さ……じゃない、ま、ま、マシュー? だっけ? 俺達、年上の子と喧嘩しちゃって、それで……」


 やばい、どうしよう。

 説明しているとビアンカの顔がどんどん険しくなって、思わず尻すぼみになってしまった。

 人を殴って気絶させたなんて言ったら、やっぱり怒られるかなぁ……。

 

 「それで、どうしたのベル?」


 ビアンカが膝を折って俺と同じ目線で聞いてくる。

 少し険しい表情が、カーリナが怒った時の表情と似ていて、ちょっと可愛いと思ったのは内緒だ。

 俺の隣では、そのカーリナが心配そうな表情でオロオロしていた。


 「うん、殴って気絶させちゃった」


 取りあえず、一連の出来事を説明しなければ理解も得られない。

 そう思って猿を殴り倒すまでの経緯を話した。


 説明を終えると、ビアンカは俺とカーリナの体をベタベタと触ってきた。


 「……そう。怪我はして無い? どこも痛くない? 大丈夫? カーリも大丈夫? 何もされていないの?」

 「……うん。お兄ちゃんが守ってくれたから平気」


 あら? 意外と優しいぞ!

 もっとこう……説教されるのかと思ったが、ビアンカは俺やカーリナの体を心配そうに確かめてくれた。

 意外とちょろいかもしれないな! 結局はビアンカも、子供のことが心配な親バカだということか。

 ってあれ? 急にどうしたの? なんで俺の顔を両手で掴んでるの?

 ちょっとビアンカさん、顔が恐いですよ?


 「でもね、いくら殴られそうになったからといっても、ヤコブ先生に教わった格闘術で相手の子を殴ったりしちゃいけないでしょ?」

 「ご、ごめんさい!」


 あ、これ説教コースだわ。

 なんて悟って諦めていたが、次の瞬間にはいつもの優しい表情で俺を見つめ、頬をそっと撫でると。


 「でも、カーリを守ってくれたのよね? 偉いわベル」


 最後には褒めてくれた。

 ……なんか、照れ臭いな……。


 「うん。僕の……僕達の自慢の息子だ」

 

 ビクトルも感慨深く頷いている。

 彼は彼で、この話を始めた時から怒るでもなく、むしろ誇らしげに聞いていたから最初から怒っていなかったんだろう。


 「あの時のお兄ちゃん、カッコよかった!」

 「おにいちゃんは強いもんね!」


 カーリナやアルフレッドのよいしょが半端ない。


 「でもカーリは相手を挑発するようなことは言っちゃ駄目だぞ!」

 「ご、ごめんなさいお兄ちゃん……」


 まあ、あの時はカーリナが挑発しなくても、いずれは喧嘩になっていたと思うけど……。

 そもそもカーリナも格闘を習っているから、殴り合いになったところで負けることはなかっただろう。

 勿論、そんなことは俺がさせないがな!


 「なにはともあれ、二人に怪我が無くてよかった。ビアンカ、そろそろご飯にしようか!」

 「ええそうね。皆お腹すいてるでしょうから、早く準備しましょうか!」

 「うん! おかあさん、僕も手伝う!」

 「私も!」

 「あらあら! じゃあ途中までお野菜の皮を剥いていたから――」


 妹達に調理の指示を出しながら台所に向かうビアンカを見送る。

 心なしか、いつもより楽しそうに家事をいているように見えるのは、きっと気のせいではないだろう。

 旅に出ると聞いて、ビアンカは俺達の身を案じて反対していたが、ビクトルのお陰もあって、旅が俺達を大きく成長させてくれると信じて許してくれた。

 だったら、信じて送り出してくれるビアンカやビクトルの期待に応える為に、俺達も頑張らないといけないな。

 やってやろうじゃねえか!


 「ベル」

 「ん? 何? 父さん」


 ふと、隣で一緒に三人を眺めていたビクトルが声を掛けてきた。

 呼ばれて顔を向けると、ビクトルは優しい顔で続ける。


 「今日、ベル達は喧嘩をしちゃったけれど、喧嘩をすることは悪いことじゃないんだ。まあ、一方的に喧嘩を仕掛けて殴り倒すようなことは駄目だけどね」

 「うん」

 「人は、喧嘩をして、ちゃんと反省して、そして成長するんだ。旅もそうだ。旅の中で人は大きく成長する。だから僕は、二人が旅に出ると聞いて本当に嬉しかった」


 そう言ってビクトルは目線の高さを俺に合わせると、俺の頭に手を置いて言った。


 「だからいいかいベル。色んなことを経験しなさい。そして、そこから色んなことを学ぶんだ。失敗してもいいから、どんどん挑戦していこう」


 それは学ぶことの大切さを説いたものだった。

 恐らく、そこにはビクトルの経験なども含まれているんだろう。

 そしてきっと、より強く、より正しくあって欲しいという願いだとも感じ取れた。


 「……うん! 俺、頑張るよ」

 「うん、それでこそ、僕達の息子だ!」


 ああ、任せとけって! 称号付になるのは色々と勘弁だけど。

 そんでもって皆を守れるようになるよ!

 真神だろうが魔神だろうが、かかってこいやぁっ!!

 ……あ、いや、嘘です、調子に乗りました。


 とまあ、両親の期待に応えてまずは……。


 「お腹すいたー、俺も手伝う!」

 「じゃあ僕も手伝おうかな!」


 腹ごしらえだ!


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