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4.3 きっとこれからも、この関係は変わらない

「……久しぶりだね、二人で話すの」

「そうだな」


 お昼休み。

 翔太君は部活の集まりで、モナさんは欠席。

 隣に座る純に、あの頃みたいに前を向いたまま声をかけた。

 純も、同じように返事をした。


「モナさん、大丈夫かな?」

「さぁ、環境が変わったからかもな」

「……そっか」


 ロシアだっけ? なんか、気温がすっごく低い印象。


「あれなら、お見舞いに来る?」

「……お見舞いって、純の家?」

「ああ、一応」


 私は大きく口を開けて、パンで塞いだ。そのまま噛まずに口から出して、言う。


「純の家って、遠い?」

「いや、徒歩十分くらい」

「……バイトが、あるので。三十分くらいなら」

「無理しなくてもいいぞ」

「してない」


 なんか笑われた。なんで?


「ごめん。ほんと、モナと仲良くなったよなと思って」


 ……純、最近よく笑う。


「もうちょいだな。頑張れ」


 それと、何か勘違いしてる。


「モナさんとは、友達なので」

「分かってるって」


 絶対に分かってない。


「モナさん、家ではどんな感じなの?」

「どんな……うるさい?」

「変なことしてないよね?」

「してない」

「でもモナさんは純と恋がしたいって言ってた」

「一方通行だ。分かってるだろ?」

「うん、純はゲイだから……でも、なんか」


 二人を見てると、モヤモヤする。


「なんだ?」

「ううん、なんでもない」


 会話が途切れた。

 モナさんがいないと静か……あれ、前はもっと普通に話してなかった?


「しかし、珍しいな」

「何が?」

「優紀がこういう、恋愛っぽい話するの」

「そうかな?」

「興味ないと思ってた」

「……なんだそれ」


 一口、パンを食べる。

 ゆっくり咀嚼して、飲み込む。


「……あるよ。興味ある」

「そうだったのか。じゃあ恋バナでもする?」

「……しないよ」


 友達の冗談に、私は静かに笑った。

 それからも私達の雑談は続く。

 きっとこれからも、この関係は変わらない。

 私達の雑談は、続いていく。


「純、聞いてもいい?」


 ふと、私の口が勝手に動く。


「なんだ?」

「私達って、いつまで友達なのかな」


 ……あれ、なに言ってるの私。


「さぁ。とりあえず、卒業しても連絡とってそうなイメージはある」


 純はあっさりとした様子で返事をした。

 よかった、変な誤解されなくて。

 誤解って、なに?


「なにかあったのか?」


 ……あ、やっぱり今の私は変なんだ。


「ううん、どうして?」

「いやその、雰囲気が神ゲーを終えた後の俺に似ていたから」

「……なんだそれ」


 思わず、肩の力が抜けた。

 それと同時に、緊張していたことに気付いて、笑った。

 そしてチャイムが鳴るまで、私達は話し続けた。


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