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アタタカイヤミ 90

 そして、今日の授業。成田先生の授業はいつもと変わらなかった。ホームルームも。そんな中で僕は黙って、授業を聞いた。いつもと変わらずに。

 そして、授業が終わって僕はカバンに教科書を詰め込んで、立ち上がった。これからやることを果たすために僕はあそこに行かなければならない。

 そう思って、教室から出ようとしているとフレ

イジャーがこちらをじっと見つめていた。

 僕はいったい何でこちらを見つめているのだろう。と思って、フレイジャーのほうへ足を向けた。

 フレイジャーはこっちが歩いてくるのを動せずにじっと見つめていた。

「いったい、何の用?フレイジャー」

「いえ…………」

 フレイジャーは軽く目を見開かせ、こちらを見ていた。その表情からすると、驚いているのだろうか?

「どうしたんだ。フレイジャー?僕の顔に何かついているか?」

 僕は改めてフレイジャーにそう聞いた。フレイジャーは言おうかどうかと迷っていたがやがて、こう言った。

「あなた、変わったわね」

 そうフレイジャーはいった。僕は虚を突かれたような顔をした。

 変わった、だって?

 僕はそんなことはないのだけどな、と思ったが、フレイジャーはこちらの意向を無視してこう言ってきた。

「ええ、あなたは変わったわ。どこか、とは言えないけど、確実に変わったわ。何か、以前とは違う。何かをしようとする意志が確かにある。何があったの?」

 しかし、僕はそれをいうわけには行かなかった。まだ、あの人達と話してそれで、そのことはあの人達が決めること。

 僕はフレイジャーにこう言ってきびすを返した。

「それはあとでわかることになるよ。じゃあ、僕は先に失礼する。フレイジャーがいうとおり、僕にやることがあるから」

 そう言って僕はフレイジャーに背を向けた。フレイジャーが僕の背中をいつまでも見つめているような気がした。




 僕は廊下に出て、下駄箱に向かった。寒い気温が僕の体温を悴ませる。

 外に出るともっと寒くなるだろうな。

 僕はそう思って、外に出た。外に出ると寒い風とともにそこに成田先生が立っていた。

「よう、笹原」

 成田先生は手をあげてそう言ってきた。僕はなぜかその成田先生の姿にブリキの兵隊を思い出した。兵士なのだけど堅くて動けない、ブリキの兵隊に。

「笹原、少し話をしよう」

 僕は肯いた。

「ええ、いいです」



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