アタタカイヤミ 25
僕たちは一通り勉強を済ませて、あとはお茶会と言うことになった。
「じゃあ、みんなお菓子を用意した!?」
「ああ、したよ」
寺島さんが大声で言っていた。よほど、この時がうれしいんだろうな。
「じゃあ、みんなだそうよ〜」
それでみんなリュックやらバッグから物を出す。
ばらばら。
「何々、リンちゃんはビターポッキーとダースのビター味。げげ、ビターチョコか〜。私ビターチョコ好きじゃないんだよね」
「人の好みにとかく言うつもりはないけど、甘いものばかり好きだと子どもっぽく見られるわよ」
寺島さんはリスになった。
「は〜い」
「はい、次は光か〜」
「ああ」
寺島さんはなじみの商店街の品を見たような表情で行った。真部もなんだかおなじみの光景らしい。
「ええと、トッポにポテチ。もう、ほんとあなたの好みは変わらないわね〜」
「そんなことはない。いつもはうすしおだけど、今日はのりしおだ」
「ああ、確かに」
それで寺島さんも納得していた。
「でも、ほとんどポテチばかりじゃない、光、もっとバリエーションが欲しいんだけど」
それに真部はうっとうしそうに言う。
「別にいいだろ。みんなとの菓子はこう言うものがないとダメだ。甘い物ばかりでは飽きるだろ(あきるだろ)」
「まあ、確かに」
そう言って寺島さんは渋々(しぶしぶ)引き下がった。まあ、それはいいのだが、こっちとしては別のところで問題がある。
「じゃあ、笹原君はどんなのかな?」
そう言って寺島さんはぼくに天使の笑顔で語りかけてきた。いつも、思うのだが普段とおとなしめのギャップがすごいな。
「ああ、ちょっと、人とかぶっているところがあるけど、いいかな?」
「そんなこと気にしないでよ。というか私たちそういうのよくあることだから、特に女子同士の集まりではね」
「じゃあ、出します」
それでぼくはチップスターとトッポを出した。
「ああ、かぶってるね」
「ええ、かぶってるわ」
「まあ、こういうこともあるな」
それぞれ、好き勝手に言っていたが、やがて収まった。
「まあ、まあいいじゃない、かぶっていても!私トッポ好きだし、もうこれでいいよね」
それで次は寺島さんの物に移ったのだが。
「じゃあ、美春出して」
「うん!」
寺島さんは元気よく頷いたあとお菓子を出した。
「え~と、なになに…………イチゴ味の沙羅とイチゴ味のきのこの山。おまえのほうがバリエーションがないぞ!」
これを見た真部が怒り出した。それに寺島さんは口をとがらせてこう反論してきた。
「え〜、だっておいしいんだもん」
「それ、今さっき俺が言った台詞とほとんど変わらない。しかも、おまえは俺にもっとバリエーションを持てと言っていたけど、おまえのほうがバリエーションはないじゃないか」
真部はジト目で寺島さんを見た。
「い、いや~。だってさ、イチゴ味おいしいでしょ?美味しいものは買いたくなるのが道理じゃない?」
手を振りながら、そうやって賢明に自分の行動のいいわけを寺島さんはしていた。寺島さんてさわがしいだけじゃなくて結構ルーズなんだな。
真部は時と目で見ていたけれど、やがて観念したかのように息を吐き、立った。
「じゃあ、俺はジュースを用意してくる。たぶんいろんなものを買ったから好みの物はあるだろう。美春も来い、おまえは皿の用意をしてくれ」
「オッケース、軍曹!」
寺島さんは立って敬礼をした。
「おまえらはどうする、座ってるか?」
「いえ、手伝えることがあるのなら手伝います」
「私も座っていくのは退屈だから、何かあるならやるけど」
僕たちはすぐに言った。それに真部は頷いてこう言った。
「じゃあ、笹原は俺とジュースを出してもらおう。キャサリンはコップの用意を、美春に聞けばわかるから」
「わかった」
「わかったわ」
それで僕たちはそれぞれ行動を始めた。




