本の虫と、仲直り
お待たせしました。今回は割とすんなり書けた方です。
今、私はカイルさんが示唆してた通り、要と一緒に行くと言ってくれたテオに部屋を案内してもらっている…と思う。
各省が持てない理由は、要の手にはなぜかさっきのおやつの山から取ったプチケーキが載ったお皿とジュースがあるから。
余談だがこのジュースは、ブドウジュースみたいな味がしておいしかった。リョザという果物らしい。
とりあえずさっき皆で食べたのになぜ持っているのか気になった私は要に聞いた。
「ねぇ、なんでそれ持ってるの?まだ食べる気?」
「はぁ?そんなわけないだろ。…お前の部屋に行く前に寄るとこがある。お前も会っとけ。」
こっちを振り向かず歩きながら要は言った。
(会っとけ…?)
部屋を出て右の方をずっと歩き、この建物の四方にある尖塔の扉の前に一度止まりノックをして中に入った。
中は見える限り数万冊の蔵書がありそうな本の城だった。
上へと続く階段にも本棚があり大小さまざまな本が納められており、ところどころ読むための場所として机椅子が置いてあった。
前世ではよく本を読んでいた私にとってここはドキドキする場所だ。
建物の内部の美しさも然ることながらその蔵書の多さに感動して口が半開きになった私を苦笑しながら見たテオは、指で四方を指しながら簡単に蔵書の説明をした。
「ここは国内でも有数の蔵書を誇る図書室だよ。正確な数は僕は把握してないけど多種他様なジャンルの本が毎月増えながら置かれるからいろいろ勉強になるよ。あそこらへんは童話、あっちは恋愛小説、そこらへんは国の歴史だったかな?僕らのそばに置いとけば安全だ、って事で希少な本も置いてあるから読むときは気をつけて読んでね。」
そうゆう希少な本は読むの禁止と書いといてください。うっかり破ったりでもしたら大事だから。
「でもなんで、ここに?」
「…ここに本の虫がいるからだよ。オイ!エリザ、おやつ持ってきてやったぞ!出てこい。休憩だ!」
要は近くの机の上にプチケーキと飲み物を置き、大声で誰かを呼びながら上に上がって行った。
しばらく経つと要と、よろよろしながら歩く少女が螺旋階段から下りてきた。
ふわふわした栗毛の髪を無造作に流す年の近そうな、顔の作りだけ見るとかわいい感じの子だった。
ただし、顔つき自体は疲れ切っていて目の下に隈があった。
少女は降りて机の上のおやつを見つけるとすぐに飛びつき椅子に座るのもそこそこに租借した。
私たちも椅子に座り、食べ終わるのを見ていたら、しばらくして覚醒してきたのか私を見て、「…だれ?」と聞いてきた。
「彼女は小柴結だよ。結が名前。ほら、例の『女神の胎』の実があったじゃん。さっき生まれたんだよ。俺たちの新しい兄弟。結、こっちは同じ能力者仲間のエリザ。知識欲が旺盛で、暇さえあればずっと本を読んでるんだけど、最近じゃいちいち自分の部屋に戻るのが億劫って言ってここで寝泊まりしてる。記憶力が良くて知識が豊富だから調べ物する時はエリザに聞いた方が早い時もあるよ。」
ジュースを渡しながらテオが答えた。
そんな生活する人がいるのマンガだけの世界じゃなかったんだ…。
「こんにちわ、結です。」
「…よろしく。女性は少なかったからうれしいよ。…皆、エリザって呼んでいるからそう呼んで。…そういや皆の様子はどうだった?」
「想像通り要だけ抵抗して、無様に叩かれ泣かれた。」
口元を釣り上げ笑みを作り口調も少し笑いながら答えた。
それを聞いて、
「……アレは…悪かった。」
と、要がそっぽ向きながらボソッとつぶやいた。
うまく聞こえなかったエリザが、
「え?要、なんて言ったの?聞こえなかったからもう一回言ってくれない?」
と聞くと、ぶっきらぼうに大きな声で、
「…。だから、言いすぎて悪かったって言ってるんだよ!…あの後、しばらく考えてわけわかんないのはお前もなのに当たっても仕方ないって思っただけだ。別に言いすぎたというか、泣かせて悪かったとか…なんだよそんなに見んな!テオも笑うんじゃねぇ!」
ニヤニヤしてるテオを黙らせようと怒るが余計にニヤニヤしただけだった。
でも、なんだ。
要もあの後私と同じように相手の事情を考えて反省したのか。
そう思うと少し笑いが出た。
「…私も殴ったりしてごめんなさい。初めてに不安になるのはお互い様だったよね。大人げなかった。」
「ねぇ、仲直り?」
エリザが最後のプチパンケーキの切れ端を口に入れ、問うように聞いた。
それに、笑顔で答えた要と私だった。
同時進行しているもう一つの方がデータ―がパーンしたので少しテンション下がってました。復活!