9*カタコトの魔法
「じゃ、行ってくるからな!!りあ、またな!!」
「うん!おじさん、行ってらっしゃい!!」
「えーし!!チビ共のこと頼んだぞ!!」
「分かってるよ!気を付けてな!」
おじさんは、私に声をかけた後、続けてえーしにも声をかけた。
イケメン!!!!
このオヤジさんにして、このえーし在りだよ!!!
もう、発狂していいですか?!!
「りあ?」
「うわっほい?!!!!」
突如、私の顔を除き込んできた、えーしに驚いて奇怪な声を出してしまった…
うぅ…
「うわほいて(笑)ジャンプ中のマリオでももうちょっと綺麗な声出すわ!!」
笑いながらそう言うえーしに胸がときめく。
なかなか酷いことを言われているというのに…
惚れたもん負け
というのは、本当にそうなんだろうなぁ…
えーしの笑顔があれば、たぶん私大抵のことするわ。
「りーあ」
「うへい?!」
またしてもやってしまった。
ぼーっとしすぎだ…
うぅう…
「りあおー」
「なにそのマリオみたいな言い方?!」
笑いながら、おかしなことを言ってるえーしに突っ込みをいれる。
この突っ込みななちゃん越えたんじゃない?
やば!!
遂になな越え!!
さすが私ー♪
「りあ、俺、チビ共の様子みてくるわ!」
「あっ!そーやな!おじさんおらんのやったら、ちゃんと見てあげなな!!」
突然のえーしの言葉に慌てて返事をする。
バイバイするのは、寂しいけど、ちびちゃんだけじゃ、心配やしな…
「目の前やけど、気を付けて帰れよー」
おどけてそう言ったえーしにまたもときめく。
なんなんだ!!!
君は、ほんとに!!!!
私を殺る気なのか?!!
そうなんだな?!!
「ほんま目の前やからな!!気を付けようがないわ!」
顔が赤くなってることを自覚しつつ、強気で声を返す。
「そーか?りあは、何もないとこで躓いたりするからなぁ…玄関で躓くんちゃーん?」
そう言って、悪戯っぽく笑うえーし。
白い歯が輝いてます…
素敵すぎます…
ちっくしょー!!!!!!!
わっきゃーー!!!!!!!
「つ、ツマズカンシッ」
何故か片言になってしまった。
「あっはっはっは!!なんで片言…はっはっは!!」
えーしさん大爆笑…
そんな笑わんくても…
でも、自分の言葉で大事な人が笑顔になるっていいよな…
こんなんやったら、私一生片言で生きていこうと思う。
「はー、おもろ。」
「オモロイデスカ。」
「あー、2回目はあかんわ」
うん。
片言やーめた。