6*寄り道
「麻由美ちゃんシュート決まって良かったよね♪笑顔の可愛さ半端なかったし!!!!!!」
「そうだなー!!」
練習も終わり、今、私はえーしと共に帰り道を歩いております。
はい。ニヤケがとまりません。
「あー、腹へったー」
えーしが苦痛の顔を浮かべる。
そんな顔も大好きです。
今すぐ何か食物を与えたい衝動に駆り立てられるが、あいにく私も何も持っていない。
私のばか!!!!!
明日から、常に肉を持ち歩こう。
「りあ、うーさんとこ寄ってこーや!!」
「あっ、いーねー♪」
えーしの提案に上機嫌で返事をした。
えーしといたら、いつでも上機嫌ですとも。
えぇ。
「よしっ!!じゃー、決まり♪肉まんくいてー!!」
無邪気な笑顔で嬉しそうな声をあげるえーし。
可愛すぎるだろ。
ちょ、待って、ほんとやばいんだけど。
肉まんついでに、私も食べて的な思考が生まれてきて焦るわっ!!!!!
「りあ?着いたぞ?」
「うぉっほっほ」
「どうした?!じゃあ、俺もうひゃひゃひゃ」
何だその返し技ー!!!!!
可愛い可愛い!!!!
殺られる。殺られてしまう。
「よーう、りあちゃんに英志じゃねーか!相変わらず仲良いな!」
私達の声に気がついたのか、お店の中から、うーさんが出てきた。
「俺とりあは、ずっと仲良いですよ!!なぁ〜、りあ(^○^)」
そう言って、いきなり肩をくみ出す。
ちょちょちょーい!!!!!
だめだわ!!!!!!!!!!!
近いわ!!!!!!!!!!!!!
鼻血が出るわ!!!!!!!
何でこんなスキンシップ激しいんだ君は!!!!!
心臓への負担が半端ないわっ!!!!!!!!
「あははは!!!でも、俺とカヨの仲の良さには、負けるけどなー♪」
うーさん?!!
さりげなく、ノロケないで?!!
びっくりするわ!!!
「いやー、俺とりあの仲の良さもやばいですから!!」
張り合わないで?!!
リアルに心臓がつぶれる…
ニヤニヤしすぎて、顔が戻らない気がする。
「あっ、うーさん腹減ったんすけど、肉まんくださいよー」
しばらく、うーさんとじゃれあっていた、えーしが空腹を思い出したようだ。
人との話に夢中になるあなたが素敵です。
「おー、じゃあ、いつものうーさんspecialを作ってやろう!!中で待ってろよ!!」
「やったー!!!ありがとう、うーさん!!」
顔いっぱいの笑顔で、
えーしが喜びを表した。
だーかーらー
可愛すぎるだろっ!!!!!
「りあちゃんは、何にする?いつもの?」
うーさんが私の方に向き直り、言葉を投げ掛けてくれる。
「あ、はい!!いつものでお願いします!!」
私も笑って、言葉を返す。
「はいよー!!すぐ出来るから、ちょっと待ってろよ」
「「はーい」」
えーしと声を合わせて返事をして、うーさんに続いて、お店の中に入った。
お店に入ると見慣れた店内と中華料理の良い匂いがした。
今は、午後8時、時間が時間なだけに店内は、なかなか込み合っていた。
ただ、平日なので、座れないほどでは、なかった。
私とえーしは、いつものカウンター席に腰をかけた。
「あー…匂いやべー…」
えーしがテーブルに突っ伏して、空腹に耐えている。
そんな姿も可愛いと思う私は、相当重症だと思う。
「英志くん、りあちゃん、いらっしゃい(^^)」
「カヨさんこんばんわ!!」
愛くるしいにこにこ笑顔で私達に声をかけてくれたのは、うーさんのお嫁さんのカヨさんだ。
スラリとした、ナイスなスタイルが今日も眩しいです。
白いエプロンとバンダナさえも着こなす美人さん。
うーさんには、もったいな……はい。
うーさんごめんなさい。
うーさんと共に2人で中華料理屋『ピノキオ』を経営している。
ピノキオの由来は、
うーさんがよく嘘をつくから(* ̄∇ ̄*)
でも、信じるのはもう、若干2名しかいないんだけど…
「できたぞ!!!」
そう言って、うーさんが私とえーしの前に肉まんとあんまんをおいてくれた。
湯気が上がっていて、めちゃくちゃ良い匂いがする。
食欲そそられまくります。
「うまそー!!!!Thank You!!!うーさん!!」
何でサンキューそんな発音いいの?!!!