3*妄想に邪魔が入る時
「じゃあ、部活頑張ってなぁ!りあ、七瀬ちゃん、なつか、美香ちゃんばいばーい!」
「彩乃もバイト頑張ってなぁ♪ばいばい!」
手をふりあって、彩乃と昇降口で別れた。
彩乃は、部活よりもバイトに燃える高校1年生です。
通称、金の亡者栗城彩乃
「じゃあ、美香も行くわ♪バスケ頑張ってな!!」
「ありがとー♪もう可愛いな美香ちゃんは!!」
「りあにゆうてないから、うちにゆうてるから」
「なんでそんなことゆうの…」
「え?ほんまのことやん」
「なつか止めなさい。そして、りあも泣くな!!」
だってだって…
「みんなに言ってるよ♪」
美香ちゃん…
可愛すぎるだろーがー!!
発狂するわ。
萌えるわ。イヤマジデ
「みかりーん!!!!!!!!萌えー!!!!君の笑顔にフォーリンラブ!!!!」
違いますよ。
誤解しないで下さい。
この公共の場で怪しいことを叫んでるのは、私じゃないです。
なつかです。
「やめんかっ!!!!なつかねー、TPOを考えなさい!!!ここパブリック、下駄箱の前、たくさんの人行き交ってるからね?!分かってる?こんな公共の場で怪しいこと叫んでは、いけません。小さい頃に教わらなかったの?!!」
「お母さん、自分の気持ちを素直に言えるのは、すごいことだって言ってたよ??」
お母さん素晴らしいな。
すてきやん。
「いやいやいや、確かにそれは、良いことだけれども!!!そんなんゆわれたら、反応しにくいわ!!素直にゆうのは、良いことだけどね、時と場所と場合を考えてね?TPO!!TPO!!」
ななちゃん何で2回言ったの??笑
「TKG!!!!!」
「卵かけご飯じゃねーよ!!!TPOだよ!!一文字しか合ってねーよ!!どうやって聞き間違えたんだよ?!逆にすごいわ!ほんとあんたの頭の処理能力どうなってるの?!!」
「天才かな」
「何どや顔してんだよ!!なんもどやることねーわ!!何、やってやったぜ☆みたいな雰囲気作っちゃってんの?自由か!!!」
「いや、何でなつかがどや顔したとか決めつけるん??ななちゃんのどや顔の定義がみんなに通用するわけちゃうからな。」
「え、ちょ、りあ?さっきまで変に笑ってるだけだったのに、何でいきなり私攻めるみたいになってんの?!!しかも、キレるとこそこ?!!」
いや、だって、かまってくれんから、寂しくて。
入ってみました☆
「いやいや、りあの言うとーりやわ。どやの定義って人それぞれやもん。」
「そうやんなー、さすがなつか!」
「やんなー、りあ素敵やん」
「ありがと。なつかも素敵やで」
しばし、なつかと愛を語らいました。
「お前らねー!!!こんな時だけ団結すんの止めて!!何で全面的に私を否定しようとすんの?!!何この扱いの低さ!!彩乃の気持ちが分かるのが何かやだわ!!!」
うわー、彩乃に超失礼なこと言ってるー
ななちゃんさいてー
「「ななちゃんさいてー」」
なつかとハミングしました!!!!
ふー♪さすがやな。
ななちゃんが今にも、大声で突っ込みを入れようとしたその時!!!
「りあ?何しとん?もう練習始まってまうで!!」
…
…
後ろから聞こえてくるその声は…
ハスキーボイスで中々の男っぽさを醸し出しながらも、少年のような無邪気さを含む口調。
人懐っこそうな、明るいその声色は、好印象以外の何物でもない。
その声は!!!!!!!!!!
無理だわ!!!!!!!!!!
振り向けないわ!!!!
振り向きたいわ!!!!
でも、振り向いたら、完全に吐血するわ!!!!
「英志くん、もう練習始める感じなん?!」
おい。なな。
雰囲気壊すな。