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こういうテンプレもありだよね


休日の朝、目覚めるとベットの魔力が自分を誘惑する。


「ふぁぁ……」


眠い、もうちょっと寝たいなぁ。


そう思いながらもしっかりと目を覚ますためにベットから抜け出し外の井戸に向かう。


「あ゛~」


外に出て井戸水を汲んでその水で顔を洗う、季節は初夏だが水の冷たさが顔に染みる。


「朝かぁ」


曲がっていた腰を伸ばして気分を入れ替える。


日差しが目に入って痛い、今日は休みだから仕事なーし、久しぶりの休みだ。


「とりあえず飯でも食べよう」


昨日買ったパンが残ってたはず肉でも挟むか、それが終わったら掃除でもしよう。







掃除をしていた時だった、ポストに手紙があるのに気付き一端掃除をストップする。


「あ、師匠からだ」


手紙を開き中身を確認する、するとそこに書かれていたことは何時ものように仕事の手伝いをしてくれるようにとの事であった。


日付を確認すると一週間前、と言うことは少なくとも隣国ほど離れているだろう。


「いや、そんな遠いところに仕事を放って行けないよ」


そう思いつつ師匠のことを考える、自分がこの世界に来た時に一番最初にできた知り合い、あの時の出会いは知り合うというか保護というか……それを考えると始めると締まらなくなるので止める。


彼女は自分の命の恩人でこの世界での生き方を教えてくれた。

種族は違えども尊敬はしているしむしろ好きだ、特にあの耳とか尻尾とか。


「まだ続きがある……」


そこには『今からそっちへ行く、まってろ』……日付が一週間前だから。


「手紙読んだか?」


「師匠!!」


後ろから声をかけられて振り返ると柵に肘をかけて此方を見ている獣人の女性、悩ましいその胸はもうなんというか、ねえ?


「どうしたんですか、師匠?仕事を手伝ってくれって一体?」


「それを説明するために来た、上がっていいか?」


「はいどうぞ、今ちょうど掃除をしたばっかりですから綺麗ですよ~」


何かそんな気がしたんだよね、掃除しなきゃいけない的な?














「師匠剣は置いていって…」


「これは私の魂だ、捨てんぞ」


「いや、大きすぎて俺の家に入らない」


僕と同じくらいの背丈の師匠の持っている剣は大きい、どのくらい大きいかと言うと通りかかる人たちがドン引きするぐらい……


「恥ずかしくて死にそうだ……」


「む、死んでは困る、お前には重要な任務があるのだ」


「ああ、そうでした、任務って?」


「実はお前には魔王を倒してほしいんだ」


師匠の口から出た言葉にはちょっとびっくりした、まぁちょっとだけだな。


やっぱりこの世界に魔王いたんだ、アルガルドには確かにいたけどさぁ。


「えー、それなんてテンプレ?」


「てんぷれ?まあいいそれより任務だが」


首を傾げる師匠可愛い、その動作と共に耳がピコピコ動くのも可愛い。


「いや、ちょっと待ってくれよ師匠、いくら師匠がナイスバディだとしても説明せずに話を進めていい理由にはならないぜ」


そうだ、いくら師匠だからってそれはちょっとないな。


「いや、それは色々と間違っていないか?」


「は!しまった心の中がそのまま出てしまった!」


「まったく、アホ助めとにかく事情を説明するぞ、上がらせてもらう」


「ああ、扉が……」


まだローンが残ってるのに。









「それで、事情とは?」


「ああ、それはだな、あ、温かい牛乳で」


「あ、はい少し待ってくださいね」


そういって冷蔵庫のようなものから牛乳の瓶を取出しコップに入れ魔法陣のようなものの中心に置く。


「はぁ、こんなものがあるから俺たちの知識チートも形無しだよなぁ」


この世界に来て金持ちになれるかと思ったがそこまで世の中は甘くないらしい、確かに他の人より別の思考や知識があると便利だが、こういうことには使えないんだよなぁ。


「何をぶつぶつ言ってるんだ牛乳!牛乳!牛乳!」


「やめて机壊れる!」


すでに温まっている牛乳を師匠に渡す、机にヒビがが……







「さて、どこから話したものか」


「ああ、魔王ってなんですか魔王って?」


魔王の討伐って、別にここらは平和だけど。


「そこからだな、最近北の地のことは知ってるな?」


「ああ、遺跡のことですか」


「そうだ、その遺跡なんだが実は一つだけじゃなかったんだ」


「へぇ?5つですか?」


アルガルドの魔王討伐クエストて言ったらやっぱり四方中央の五つの塔にいる魔王のことだな、うん。


「よく分かったな…お前の言うとおりだそれでだ、実は各国はその塔の探索をしたんだが……消滅した、跡形もなく」


「え、マジで!?」


「ちょっと嘘だった、何人かは帰ってきてな、転生者があの化け物を連れてきたという報告があった」


「は!?そんな!何の証拠もないだろ!そいつは!?」


「もう死んだよ、その報告だけして事切れた、魔法で生かされていたらしい」


「ひでぇな…」


「ああ、しかもそいつは私の顔見知りだった!!」


バキョッ


ああ、さよなら机、君のことは忘れない……。


「それで、なんで僕なんですか?」


「各国の代表は転生者に尻を拭いてもらいたいらしい」


「はぁ、予想はしてましたけどなんで僕なんですか?僕そこまで強くないですよ?」


「ふっ、謙遜するな、お前の力はよく知っている」


「うーん、そこまで言われちゃうとなぁ」


「ああ、まぁ私の知っている転生者で信頼に値する奴なんてお前しか知らなかったしな」


「でも、それ僕一人じゃ無理でしょ?」


「そこは心配するなお前以外にも4人転生者が選ばれた」


「ってことは一人一つの塔ですか?」


「まあそういうわけでもないが、後国から一人仲間をお前につけるらしいから、仲間は自分で決めてもってけ」


「も、もってけって!なんですかそれ!?」


人権は!?


「ああ、うちの国の話な、エルフはどうだかしらないけど、つーか自分と合う相手だよ、嫌がる相手なんてダメに決まってんだろ」


「ですよねー」


と言うわけで俺は勇者に選ばれたわけだテンプレテンプレ、じゃあ仲間を探しに行きますか。


「あれ、でもそれ師匠はダメなんですか?」


「私には仕事がある、残念だが無理だな」


「そうですかー」


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