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BLと旧支配者  作者: 藤井ざくろ
《旧支配者》やその眷属と関わりを持ったら大概ろくな死に方をしないものだが
3/4

悠太の記憶に無い思い出

 昴がY市に引越ししてきた小学6年生のとき、席を宛がわれたのは悠太の隣だった。そして新しい教科書が来るまでの間、悠太の物を見せて貰ったり、習って無かった範囲を補足説明して貰ったと昴は記憶している。現在のような悲劇的な成績ではなく、寧ろ算数や理科などは優秀で、地頭が良かったように思う。また、確かに引っ込み思案で人付き合いが苦手だったようだが、今のように周囲に敵意を振りまくような性格ではなかったハズだ。そして昴のことを全く憶えていないようで、クラス替えで再会したときに「ひさしぶり!」と声を掛けたら怪訝な顔をして首を傾げながら素通りされたくらいだ。確かに転校してきてから頻繁に交流したのは最初の一ヶ月弱だったので仕方ないと言えば仕方ないのであるが、昴にとっては寂しい話ではある。また、悠太の運動能力は現在と同様に「かなり不得手」と言えた。走りも筋力も持久力も球技も反射神経も何もかもが残念なレベルだ。小学生の頃の体育の授業では「運動が苦手な子」の枠としてチーム決めが考慮されていたほどだ。昴は「運動ができる子」として悠太と同じチームに割り振られた記憶もあるが、そこでの交流は希薄で、仲良くハイタッチとかいう楽しい思い出は皆無だった。そういえば学校で飼っているウサギやニワトリの世話をする委員を務めていて、案外と真面目に1人で小屋の掃除や餌やりをしているのを昴は見掛けたことがある。ウサギを撫でていたり、ニワトリに追いかけられたりと可愛げのある姿も記憶している。

「昴くん、どうしたの?」

「あ、いや、ちょっと色々と思い出してた。」

 悠太に塩対応されたことで過去の記憶がイロイロと甦ったが、まあ、思い出話として語るようなものは無かった。それから週末に『オカキン』を探しに駅前に行ってブラブラしようという緩い約束をし、ほどなく授業開始のチャイムが鳴って、それぞれが自席に戻る。昴は、なんとなく、週末に悠太も誘えないだろうかと考えを巡らせていた。

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