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アステリ


 数ヶ月前。

 本国の士官学校を卒業したばかりの俺たちは貴族院の警備へと配属された。戦場は未経験だったが、何れ隊を率いる指揮官となることが期待されていた為、警備の様な裏方仕事でも士気は高かった。

 詰め所を出る準備をしていた時、同じ配属先の同期が声を掛けてきた。

「知ってるか?」

 同期の(おとこ)は神経質そうに周りの目を気にしながら声を潜めて言った。

「俺らが配属されるのは、どうやら王族らしいぞ」

「アリストクラット(貴族)じゃなくて?」

 俺は少し驚いて聞き返した。

「上官が室長相手に話していたのを耳に挟んだんだ。間違いないと思う」

 神経質そうな同期はそう言うと唾を飲み込んだ。

「全員じゃない。俺たちの誰かが王族の誰かに配属されるんだと思う。女王候補は限られているからな」

「六人だったか」

「そうだ。誰が選ばれるんだか。出来ればその幸運にあやかりたいもんだぜ」

 神経質そうな同期は眼を細めながら口元に下卑た笑みを浮かべた。


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