アステリ
「気が付いたか?」
目覚めると同時に声を掛けられた。
いつの間にか気を失っていたらしい。
何か長い夢を見ていた気がする。
ベッドから身体を起こし、声のする方へと顔を向ける。
「ラゾーム少佐?」
俺はベッドの脇に立つ意外な人物に驚いた。
ラゾームは辺りを見回して背もたれの無い腰掛けを見つけると、ベッドの側まで引いてきて腰を下ろした。
「君が怪我を負ったと聞いてね。ジャーヴィスの大物を捕らえて来たとも」
ラゾームは安心したかの様に微笑んだ。
彼の言葉に肯定するよう頷きながら、俺はラゾームの意図を読み取ろうと起きたばかりで働かない頭を必死に動かした。
「候補者の一人がジャーヴィスの騎士位を捕らえて来てね」
「騎士位を!?」
俺は驚き、じくじたる思いに舌打ちをした。
「しかし、到底一人で仕留めたとは思えなくてね。今、審査員たちが捕らえたジャーヴィスの回復を待って、闘いがどういったものだったか訊いてみるつもりでいる」
なるほど。まだ俺にもチャンスはあるということか。
「とにかく、安静にして早く治すことだ」
俺はボソリと感謝の言葉を述べる。
ラゾームはそれに頷き、椅子から腰を上げて去っていった。
俺は再びベッドに横になる。
それにしても、ラゾームは何しに来たんだ?
見舞いに来るような奴じゃないと思うが。
疲れや怪我の痛みに加えて、妙な居心地の悪さに苦笑をもらした。




