アステリ
二日目が始まると候補者である次代の二人はオリンピア会場に設置された専用の個室で過ごす事を聖女王から言い渡された。
一日目が終わり、与えられた個室に向かうコリアに対し「出される食事には気を付けるように」と念を押したが、彼女は「オリンピアが終わるまで何も口にしません」と答えた。
俺は自分の水筒を差し出した。
「安全は確認してある。水だけでも取るんだ。体力の消耗を抑えられる」
コリアは黙って頷き、俺から水筒を受け取るとオリンピア会場の中へと消えて行った。
一般のアステリたちにとってオリンピアでの観覧は終わる。二日目以降、会場は王族と限られた貴族以外が立ち入り禁止となった。
翌日、他の者達が通常業務にへと戻っていく中、俺は次代の護衛の任を解かれ、少尉から大尉へと大幅に昇進した。
ようやく肩の荷が下りた。
コリアの事が心配だったが、ここまで来ればもう俺が出来ることは無い。
次代の護衛の職が終わり、老ユリイカの下に戻るのかと思っていたが、軍から告げられたのは小隊をまとめる隊長の役だった。
理由を聞いてみたら、コリアがドローンメスティス候補として推してくれたそうだ。彼女は約束を覚えていたのだ。俺は上官の前で笑い出しそうになるのを堪えた。
真のドローンメスティスになるには最低でも、もう一つ階級を上げる必要があった。出来ればコリアの期待に応えたい。俺は隊を率いて戦場へ出た。
やがてオリンピアの終幕の知らせを聞く。
コリアが勝ち残り、聖女王が排卵期に入った。




