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アステリ
「何も起きる様子はないな」
変わり無い日々が続く中で気が緩んだのか、俺は建設も終盤に差し掛かったオリンピア会場を見つめながら、独り言を溢した。
「腕に自信のある方には少し退屈だったかしら」
「いや、そういう意味じゃない。気分を害したなら、すまない」
独り言を聞かれ、コリアに声を掛けられた俺は慌てて頭を下げた。
コリアは気にしていないと首を横に振ったが、不安気な表情は拭えなかった。
警護だけじゃなく、いっそこちらから攻めてしまえば楽なのにと思ったりもした。命令さえあればやり遂げる自信はある。
警戒されているのか、他の次代の姿を見ることは稀だったし、何にせよコリアがオリンピアの外で解決する事を良しとしなかった。
俺から見てもコリアの実力は中々のものだが、他の候補者を知らぬので油断は出来ない。
とにかく今はコリアの警護と鍛錬相手になること。それに集中するしかなかった。




