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アステリ
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後宮から帰って来てから、俺はユリイカに事の経緯を話し、コリア嬢の護衛役を頼まれた事を伝えた。
老ユリイカは前もって知っていたのだろうか、多くは語らず、ただ真面目に務めるようにと言って送り出してくれた。
貴族院の護衛を示す肩掛けを外し、ユリイカに返して俺は彼の元を離れた。
翌日から直ぐにコリアの警護が始まった。
彼女のライバルは同じ後宮内にいる筈だが、そこでは目に見える争いや策略もなかった。聖女王がそれを許していないからかも知れない。コリアが何も言わないので、俺もそれについて尋ねるような事はしなかった。
オリンピアの開催が静かに迫り、開幕までの時間、俺とコリアは訓練場で汗を流した。
徒手組手や戦闘斧による攻防、障害物競走など、過去の記録を元に訓練内容を決め、公務がある日を除いてほぼ毎日訓練に明け暮れた。
公務と言っても、貴族院にいる何人かの支援者とコリアが会ってお茶を飲みながら話をする位で、俺にとっては退屈なものだが、次代のコリアにとっては大切なプロセスであるらしい。無礼が無いようにときつく注意された。ドローンメスティスに推薦出来るか、否かも貴方次第だと。




