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ホプキンズ

 部屋に帰って来たホプキンズはスーパーの紙袋から買ってきたスライスチーズと食パンを取り出し、冷蔵庫にあったマスタード缶とケチャップのチューブを用意してフライパンに火をかけた。

 温まったフライパンに買ってきたソーセージを油を引かずに転がし、その横で食パンも一緒に焼いた。

 それら全てを簡単に合わせ、ホットサンドを作ると、テーブルに運んで簡単な食事とした。

 それにしても、さっきはひどい目にあった。

 ジンジャー家の主人ウィリアムは酷い剣幕でホプキンズに詰め寄り、思いつく限りの罵詈雑言を喚き立てた。彼が手にしていたのは、彼の家の窓を割った犯人であるベースボールの硬球だったが、ホプキンズがプラスチックの野球バットで打ったのはビニール製のカラーボールで、それは通りの向こうに飛んで行った。彼が持っている硬球は、彼の息子が窓に投げ付けた物だ。ホプキンズにとってはまったくの濡れ衣だったが、それを言ってもしょうが無い事は経験上分かりきっていた。

 仕方なく謝り、割れた窓硝子の修理費用と慰謝料(慰謝料は何とかウィリアムの言い値の半分まで値切った)を出す事で話をまとめ、新しい水槽を買おうと思っていた金で支払った。まだ文句を言い足りなさそうなウィリアムから逃げ出し、ようやくスーパーへ向かう事が出来た。そして予定より大幅に遅れて今、夕食には早すぎるが、昼食には遅すぎる食事をしている。

 口の中のホットサンドを咀嚼しながら部屋にある水槽を眺める。

 ジンジャー家には困ったものだ。オリバーはイタズラが過ぎるし、父親のウィリアムは短気で人の話を聞かない。上の娘はまだマシだが、ハイスクールで彼氏が出来てからは家に帰ってきてないようだ。母親のベニーはパスタをおかずにピザを食べる大分ふくよかな女性で、良き隣人であるホプキンズを厄介なトラブルメーカーだと思っている。まったく迷惑この上ない。

 それにしても今回のイタズラは度が過ぎた。オリバーは年々手が付けられなくなってくる。腹立たしい事にホプキンズの前以外では物分かりのいい良い子と近所で評されているのだから、なお悪い。

 ホプキンズはホットサンドの最後の一切れを口に放るとミルクと一緒に飲み込み「ハーッ」と息を吐き出した。

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