13/38
アステリ
·
襲撃事件から数日経って、老ユリイカから呼び出された。
「コリア嬢の護衛と知り合いだそうだな」
自室の机に腰掛け、書面に目を落としながらユリイカは言った。
「士官学校で一緒でした。彼女はコリア様と仰るのですか」
「そうだ。序列四位の次代だ」
ユリイカは書面から顔を上げ、後ろに控えていた俺に向き直った。
「今朝、後宮から使いの者が来たぞ。改めてお前に礼が言いたいそうだ」
「そういうのは別に」
「受けた方が良いぞ。断れば王族の面子を潰すことになる」
「……どうしたら良いですか」
「明日、後宮の方へ来てほしいそうだ。入り口で警護の者に言えば中へ通してくれるらしい」
「護衛の方はどうしますか」
「議会はしばらく休会だそうだ」
ユリイカは面倒だという様に溜め息を吐いた。
「まだ表立っていないが、次代への襲撃事件が相次いでいるらしい。何か知っているかも知れない。それとなく探って来てくれ」
「分かりました」
俺は頭を下げ、その場を退出した。
翌日。後宮へ行くと直ぐに先日の警備兵から声を掛けられ、所属名を伝えただけで僅かな後に後宮の中へと通された。
警備兵が扉を開けて中へと促す。中では既に聖女王候補の護衛をしていた雄が待ち構えていて、俺を彼が仕える次代の部屋へと案内してくれた。




