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アステリ
背後から駆け寄り、襲撃者の一人に斬りかかる。異変を感じたのか、雄は身を捩り、間一髪で致命傷を避ける。斬られた勢いで斜め前方に転がり、触手を地面につけて苦しそうに低く唸った。
襲撃者たちが新手の出現に距離を取る。
俺はすかさず前に出て、雌とその護衛らしい者との側に行き、味方である意思を触角の色で示した。
雌が何かを言おうと口を開きかけたとき、襲撃者たちが一斉に身を翻してその場から逃げ出した。未だ状況が掴めていない俺はこの場に残るか、襲撃者を追うかで一瞬悩んだが、側にいた護衛が力無く座り込んだのを見て、その場に残る事に決めた。
「すまない。助かった」
護衛の雄が安堵した様に感謝の言葉を述べた。
俺は頷いて、周りを見渡した。よく見れば他に二人の護衛の兵が少し離れた地面に倒れている。
俺は駆け寄り様子を伺う。残念なことに一人は事切れていたが、もう一人は息がある。状態を見るため仰向けに返した。身体に切り傷は無く、強い打撲の跡が見て取れる。
「奴らが戻って来ることはないと思いますが、一旦ここを離れましょう」
俺はそう言って促し、彼女らの要望もあって、後宮へと周囲を警戒しつつ向った。




