表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/38

プロローグ

 私は窓の外の見慣れた宇宙空間を見つめ、溜め息を吐いた。妻に先立たれてからというもの、生活に色が失われてしまったようだ。

 私は手にしたカフェを口に運び、一口啜った。


 仕事の合間の趣味として買ったものがある。登録名には妻の名を入れていた。UKI-1097。妻が亡くなってしまったので手付かずなままのそれは、AIに任せて放置しっぱなしだった。

 朝食には遅いブランチの様な疎かな数粒のビタミン剤と加工乳を摂っていた時、ふと、それの存在を思い出す。そういえば、長いこと手付かずだったが、どうなっただろう。私は食卓から腰を上げ、レクリエーションルームへと足を向けた。


 プラネタリウムのモニターには赤や黄色のランプが点灯し、UKI-1097の青みがかった球体の全貌を映し出していた。

 モニターから延びるコンソールにはタッチパネルがある台座が接続され、その脇にもいくつかの端子が絡まりながら微かに埃の積もった床に乱雑に投げ出されていた。

 私はコントローラの電源を起ち上げ、パネルに指を伸ばす。パネルはまるでパチパチと雷が鳴るように青白く明滅し、ブーンという微かな起動音と共に操作可能を示す∆のマークを点灯させた。

 忘れかけていた、それでもいくつかのコードを入力し終え、久しぶりにワールドを開いた。操作パネルの右側の空間に生まれたワープホールを潜る。ジワジワと一瞬の感覚をもって身体を構成する要素の一つ一つが彼の世界へと組み直されていく。

 やがて意識が遠のいていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ