赤い糸
最近、赤い糸が見えるようになった。
実は赤い糸は結ばれているのではなく、接着剤的なあれでくっついている。
風情もへったくれもない。
街に出たときに、糸がつながっている人を観察するのが趣味になっている。
この人はどんな人とつながっているのかなーとか、このカップルはどんな出会い方だったのかなーとか。
そんなくだらないことを考えるのがとても楽しい。
赤い糸はくっつくこともあれば、もちろん離れてしまうこともある。
糸が絡まってしまうと、それは不幸の前兆。そのまま切れてしまうかもしれない。
だから、私は街で絡まっている糸を見つけた時、紡ぐように丁寧にその糸をほどいてあげている。
私の小指からも赤い糸が一本。
同じクラスのあの人に向かって。
次に会ったとき、私は素直になれるかな。