プロローグ8 【9月19日/部活見学2日目】2/異世界チート部見学1
この日の【創作活動】を終え、【芳一】は、番組を見ながら、眠りについた。
今夜は【都立夢異世界部活学校】の【部活見学】の2夜目だ。
【都立夢異世界部活学校初等部】の理事長、【河瀬 萌和佳】が昨日と同様に迎えに来て、
「昨日の【部活見学】はどうでしたか?ちゃんと見学できましたか?」
と聞いてきた。
【芳一】は、
「えぇ。結構楽しかったです」
と答えた。
「そうですか、それは良かったです。【部活見学】は後、6夜あります。
今夜は何処を希望されますか?また、リストをお渡しするので、その中から選んで下さい」
「あ、いえ、日中にどこにするか決めてきたので」
「そうなのですね。ですが、リストにない【部活】は見学できませんよ」
「大丈夫だと思いますよ。人気のありそうなやつを選びましたから、多分、今日もあると思います。
一番人気だって言っていた【異世界チート部】にしますので」
「なるほど、確かにリストにもありますね。現在、【12人】が【部活】に参加されています。では、今夜は【異世界チート部】と言う事で、昨夜と同じ様に【インビジブル・サポーター】を付けますので、詳しくはそちらにお尋ね下さい。
では、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
と言う話になったかと思うと、【芳一】は別の【ステージ】に飛んだ。
見ると、【12の扉】が目の前にある。
【芳一】は早速、【インビジブル・サポーター】に質問する。
「この扉は何ですか?」
それに対して、【インビジブル・サポーター】が答える。
『はい。【唯野様】。今日もよろしくお願いします。早速ですが、質問にお答えいたします。
今夜【部活見学】されるのは【異世界チート部】と言う事ですので、【部員】の皆様の【活動】ごとに別の【入り口】からそれぞれの【異世界】で【チート能力】を持って活躍されているため、【入り口の扉】が【12カ所】あると言う事になります。
【唯野様】が見学なさる場合、その中のどなたかの【冒険】を見学するか選択をしていただくという事になります。
【部員】の皆様は、それぞれ設定した【チート能力】を持って活躍しているので、他の【部員】の方が居ると活躍の機会が奪われるため、【個人活動】がメインとなっています。
特別な条件でも無い限り、それぞれが、【チート能力】で冒険を優位に進めて楽しまれていますね。
また、【唯野様】の見学は最大8時間までとなっております。
8時間では、その【異世界】の全容を知ることはほぼ不可能でございます。
そのため、選択された【部員】の方の体験している【異世界】や【チート能力】に対して、事前情報として、私の方から解説をさせていただくと言う事になります。
どの扉を選ばれるかどうかは【唯野様】がご自由に決めて下さい。
どの扉になさいますか?』
「どの扉って言われても困るなぁ~。とりあえず、2、3個くらい教えて貰えないかな?
その中から選ぶから」
『了解いたしました。では2、3カ所、お選び下さい』
「そうだなぁ、とりあえず、右から3つ分だけ教えてよ、右端から順番に」
『解りました。では一番右端の扉から説明させていただきます。
この扉で冒険されている方は、【初等部4年生】の肉体を持って冒険されています。
この方は男性で、【チート能力】として【設定】したのは【左手で触れたモンスターを最大10匹まで従わせる事ができる能力】になります。
10匹以上触れると一番先に触れた【モンスター】から主従関係が解除されるという設定になっております。
この【チート能力】を使って冒険されております。
この方の設定では【1カ月】ごとに【世界観】が変わります。
その度に【チート能力】も変更されております。
そしていずれも一ヶ月以内に目的を果たそうとされています。
この方は現在、【初等部4年生の4カ月目】ですので、4つ目の【世界観】を冒険されています。
現在冒険している【世界】では、【地の魔王】、【炎の魔王】、【氷の魔王】、【風の魔王】、【闇の魔王】、【幻の魔王】と言う【6大魔王】が支配すると言う【設定】になっており【一ヶ月以内】に【6大魔王討伐】をすると言う事を目的とされています』
「へぇ~、結構、本格的なんだなぁ~」
『次に右から二番目の扉になります。
この扉の【異世界】に挑戦されている方は女性です。
【初等部4年生の8カ月目】の方になります。
この方は短期集中型であり、半月ごとに【世界観】が変わる様に設定なさっています。
現在8カ月目の後半なので、16番目の【攻略】に挑まれています。
現在、この方が所有している【チート能力】は、【一度見た魔法を最大10回まで使う事ができる能力】です。
敵となる存在が、放った【魔法】を目視する事で、【10回】まで、その【魔法】を使用する【ストック】ができると言う【能力】になります。
この方が攻略中の【異世界】は、【ネームレスゴースト】と言う謎の【存在】の脅威にさらされると言う設定になっております。
謎を解き、【ネームレスゴースト】を名づける事によって実体化し、それで初めて退治出来ると言うものになっています。
この方は【謎解き】が好きな様で、【クエスト】に【謎解き】の要素を加えております』
「へぇ~、そんな事も出来るんだ?」
『はい。できます。最後に右から三番目の扉になります。
この扉の【異世界】に挑戦されている方は男性です。
【初等部4年生の2カ月目】の方になります。
この方は長期型であり、3カ月ごとに、【世界観】が入れ替わる設定になさっていますので、まだ最初の攻略中です。
現在、この方が所有している【チート能力】は、3つあります。
1つ目は【敵の存在の身体の一部を食べることで、敵の能力を一つずつ使える様になる能力】です。
2つ目は【歩く度に天空に待機させている攻撃衛星にエネルギーが貯まり、大気圏外から放つ【レールガンショット】を打てる様になる能力】です。
3つ目は【じゃんけんのグーは鋼鉄の堅さの拳になり、チョキは鋏の様に切れ、パーは何でも防ぐ最強の盾になる能力】です』
「え?3つも持てるの?」
『はい、【異世界チート部】ですので可能です。
ご自分で考えられれば、いくつの【能力】が合ってもかまいません。
【クエスト】をクリアすれば、【変更】も認められております。
どの扉を選択されますか?』
「う~ん、そうだなぁ~。どれも面白そうだけど、どうしようかな。
あ、じゃあ、その3つを止めて、左端のにしよう。
悪いけど、左端のを教えてくれないか?どんなのでもそれにするから」
『了解いたしました。左端の扉ですね。
この扉に挑戦されている方は男性です。
【初等部4年生の11カ月目】の方になります。
もうじき、【進級】を控えた方になりますね。
この方の【チート能力】は一択となっています。
一ヶ月ごとの【世界観変更】を設定なさっていますが、最初から11度に渡り同じ能力を選択なさっています。
この方の【チート能力】は、【どんなものでも斬れる剣】です。
剣道や剣術を学んだ方の様で、【剣一本】で何処までできるか試したいそうです。
この方が現在挑戦されている設定は、【幕末の日本】の様な殺伐とした世界です。
ただし、【侍】では無く、【異能力者】達があちこちで殺し合いをしているという設定になっております。
この方の【チート能力】は、【異能力】も斬れますので、それで、与えられた30の【ミッション】をこなしていくと言う設定になっております。
この扉でよろしいのですね?』
「そうだね、これでお願いします」
と言う話になり、【芳一】は、左端の【扉】に入って行ったのだった。