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プロローグ49 【9月26日/部活選択決断日2日目】3/【25作品目】をどうするか?

 【芳一】はアルバイトをいつもの様にこなし、午後は久しぶりに【創作活動】の時間に充てた。

 【出版化を目指す13作品】と【予備の11作品】の執筆はしばらくしないと決めているので、代わりに25作品目となる【小説】をどうしようかと考えていた。

 彼は少し前からこの【小説】を投稿している。

 いくつか候補となる【小説のタネ】はあるものの、これだと言う決め手のものはない。

 【バイト先】の仲間に休憩中、相談した所、

「これだと言うのが無かったら、自伝でも書けば?」

「そうそう、あんたの人生はかなり個性的だから、それだけでも面白い自伝小説になるわよ」

「【唯野君】の自叙伝とか出たら、あたし見たぁ~い」

 などと言われたので、【自分】の事を書いて見ようと思った。

 ただ、全部、そんまんま書いてしまうとただの暴露本になってしまうので、半分ノンフィクション、半分フィクションのハーフ・フィクション作品として作る事にした。

 主人公は【芳一】と一緒の37歳の男性にして、後はどうするか?

 【都立夢異世界部活学校】の様に小学四年生からやりなおす物語にするか?

 いや、駄目だ駄目だ駄目だ。それでは丸パクリになってしまう。

 自分が考えた小説とは言えない。ならばどうするか?

 【芳一】はそのネタを考える事にした。

 自分の様に【セカンドチャンス】が与えられる【物語】にはしたいと思う。

 そこで、【芳一】は、【仲間】だと思っていた連中に騙されて殺された【主人公】が【憑依】する【人間】を選択し、【憑依】した【人間】の【人生】を新たに歩んでいく【物語】として作る事にした。

 これならば、【都立夢異世界部活学校】の【ニュアンス】を含みつつ、別の物語として成立する。

 【憑依】出来る【人間】は複数居ると言う設定にして、【憑依】した【人間】の環境がバラエティー豊かになっていると言う事にしようと決めた。

 後、タイトルをどうするかだが、【セカンド・チャンス】にしようと決めた。

 この小説はこれまでの【ちょいちょいちょいな】と言う【ペンネーム】では無く、【頼田たのだ 異放置いほうち】と言う新ペンネームで執筆する事になる。

 いきなり、無計画にすぐ投稿サイトで作品を発表するのではなく、最初は【プロローグ編】をしばらく続けながら必要な資料などを取りそろえ、作品の内容を練りに練ってから【本編の発表】するつもりなので、本格的な執筆はもうしばらく時間がかかると思うが、とりあえず、現実世界での【目標】みたいなものは出来たと思ったのだった。

 後、やるべき事は、【キャラクターデザイン】である。

 普通の小説家の場合は絵が描けない作家も多いと思うが、【芳一】は【マルチクリエーター】である。

 【イラスト】などはお手の物である。

 つまり、【小説】に登場する【キャラクター】を絵に起こすことが出来るので、より【イメージ】しやすいのである。

 とは言っても、【セカンド・チャンス】の主人公のモデルは自分自身である。

 イラストは結構描いて来たつもりだが、自画像などの自分自身の絵はほとんど描いた事がない。

 鏡を見て、スケッチをしてみたが、どうもしっくり来なかった。

 こうじゃない、こうでもない、あぁした方が良いのか?これも駄目だと言う感じに色々描いて見たが、どうもしっくり来なかった。

「うーん、どうも自分自身を描くのは上手く行かないなぁ~」

 と悩んでいると、

「私が描いてあげようか?」

 と言う声がして、【芳一】は、

「あ、うん。じゃあ、お願いして」

 とつぶやいた所で、ズザザッと後ずさり、

「うわっびっくりした。何だ、【瑞紀ちゃん】か。

 どしたの?いきなりでびっくりしたよ」

 と言った。

 兄、【徳太】の下の娘で、【芳一】の姪、【唯野 瑞紀】が勝手に【芳一】の部屋に入ってきていたのだ。

 【瑞紀】は、

「一応、ノックはしたよ。でも、【芳ちゃん】、全然気付かなかったからさ」

 と言った。

 【芳一】が、

「どうしたの今日は?」

 と聞くと、【瑞紀】は、

「ちょっと宿題出ちゃってさぁ。私が【芳ちゃん】の事描いてあげるから、【芳ちゃん】はテキトーに何か描いてよ。【美術の宿題】なんだよねぇ~」

 と言った。

 【芳一】は、

「駄目だよ、宿題はちゃんとやらないと、描き方は教えてあげるから自分で描いた方が良いよ」

 と言うと【瑞紀】は、

「解った。じゃあ、私も【芳ちゃん】に【芳ちゃん】の描き方教えてあげるよ」

 と生意気な事を言ってきた。

 が、それが【芳一】にとっては良い息抜きになった様だ。

 【瑞紀】のお世辞にも上手だとは言えない【芳一】を描いた【絵】を元に【キャラクターデザイン】をしたのだった。

 人から見られた自分の印象はこんな感じなんだと再確認したのだった。

 こうして、上手く行かないと思った事もちょっとずつ前に進んでいる。

 今は小さな一歩一歩だが、今はそれで十分と言えるのだった。

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