プロローグ46 【9月25日/部活選択決断日1日目】7/【異世界交流部】
【芳一】や【桔梗】が【部活選択決断日1日目】を体験している今夜は、【瑠璃】にとっては【部活見学】の【第6夜】となっている。
【芳一】や【桔梗】には【部活選択】を2日間、待って貰っている。
だから、2人のためになる事をしようと思っていた。
【桔梗】にはいつもプライベートで色々しているので、【芳一】のために何か出来ないかと思い、彼女は【芳一】が本来、【第6夜】の【部活見学】として選択するはずだった【異世界交流部】を選択し、その事を【芳一】に後で報告しようと思っていた。
【異世界交流部】は非常にマイナーな部活で、渡された【リスト】の数字を見ると【1】と出ている。
つまり、部員が一人しか現在、参加していないという事だ。
だが、一人という事はその一人が【部長】である可能性があるという事だ。
【瑠璃】は、【初等部4年生】の【部活】を誰も考えていない新しい【部活】/【新世界創成神部】を作る時のヒントにならないかと思ってちょっと期待している。
つまり、全く嫌でやっているという訳ではないのだ。
【部活創成】の参考にさせてもらおうと思って【見学】するつもりなのだ。
【瑠璃】は【インビジブル・サポーター】に、
「【インビジブル・サポーターさん】、【瑠璃】に【異世界交流部】について教えてください」
と聞いた。
【インビジブル・サポーター】は、
『はい、【星井様】、お答えします。
【異世界交流部】とは、【夢異世界部活学校】最古の【部活】になります。
元々、この【部活】から【夢異世界部活学校】は【創立】されました』
と言ってきた。
「へぇ~そうなんだぁ~」
『【夢異世界部活学校】は【夢】を持ち、【心ない者達】の邪魔により、【夢】を断念せざるを得なかった【努力】と【才能】を持ち合わせた人々の【夢】を叶えるために【神】より【御神体】と呼ばれる【異世界】を作り出す【巨大な赤子】を【異空間】に【奉る】事で、【御神体】の【神秘的な力】により、様々な【部活動】を通して【エネルギー】を溜めて、願いが成就するという【システム】が確立されました。
元々は、【異世界交流部】1つで当時は【異世界交流学校】と呼ばれていましたが、その後、【部活動】の活動内容によって、【別々】の異空間が作られる様になりました。
それが【夢の異世界での部活】の始まりになります。
【部活動】が増えた事で、【異世界交流学校】は【御神体】を奉ったまま、【異世界交流部】として存続する事になります。
【異世界交流部】の活動としては、様々な【異文化】、【ルール】などの【検証】を主にしております。
【夢異世界部活学校】に通う資格を得た【部員】の中には、その【夢の様なシステム】に魅了され、よからぬ事を考える者も居ます。
その【部員】が道を踏み外さない様に【事象】を検証する【警察】の様な役目を持って居ると思っていただければよろしいかと思います。
【部員】の素行が目に余る状態になりますと、【悪夢異界厳罰監獄】に収監されて【罰】を受けていただく事にもなりますので、【部員】がそうならない様に、【部活】の【展開】を調節する役目も担っておられます。
【部員】は、代々【都立夢異世界部活学校】に1人だけとされています。
現在、【初等部4年生】の【部長】をされている方は、【都立夢異世界部活学校】の最初の【部員】/【部長】となられた方であり、その方は、これまで4度、望みを叶えておられます。
いずれも【20代に若返って夢異世界部活学校の部員をやり直したい。】と言う【夢】を叶えておられます。
現在は5週目ですね。本来は128歳の方ですが、4回ほど20年間部活を全うされております。
今では【部員】でありながら【夢異世界部活学校】のご意見番と呼ばれております。
【異世界交流部】が【都立夢異世界部活学校】だけに存在する理由はこの地が【夢異世界部活学校】の発祥の地だからでございます』
「ひょっとして、超重要な部活なの、ここって?」
『はい。【夢異世界部活学校】の要と言っても過言ではございません』
「ご、【御神体】ってあそこに見える巨大な赤ちゃんのこと?」
『はい。【神】は7体の【御神体】を創造されました。
その内の1体になります』
「後の6体は?」
『最重要機密なのでお答え出来ませんが、この1体と同様に、【あらゆる事象】を【顕現】させる力を持って居るとされています』
「あの、【瑠璃】は【新世界創成神部】を創部しようと思ってるんですけど、【御神体】1体、付けてもらえませんか?
【御神体】があると無いとでは全然、意味合いが変わってくると思うんですけど?
【新しい世界】を【創造する部活】として考えて居るので、【御神体】が欲しいんですけど駄目ですか?」
『現時点では不可能です。
1つ可能である条件は、貴女様が、【都立夢異世界部活学校】を卒業されて、【新世界創世神部】に【御神体】を付けたいと願えばあるいは叶うかも知れません。
ですが、他者の不幸の上で成り立っている願いなどは叶える事が出来ずに、【悪夢異界厳罰監獄】に収監されるかも知れない対象となる可能性がございます。分不相応な願いは身を滅ぼす元です。
あくまでもご自分が本来の力を発揮すれば叶えられる望みにしておいた方が無難と言えます』
「そうなんだ?ちょっと残念」
と言うやり取りがあった。
その後、【瑠璃】は【異世界交流部】を当たり障りの無い範囲で【見学】した。
まだまだ、この【部】には謎が多そうだったが、触れない事にした。
【君子危うきに近寄らず】のスタイルである。
こうして、【瑠璃】の【部活見学】の【第6夜】は終わったのであった。