プロローグ43 【9月25日/部活選択決断日1日目】4/質問タイム2
【芳一】の【インビジブル・サポーター】への【質問タイム】は続いていた。
【芳一】は、
「後はですね、例えば【ゲーム制作部】だった場合、【飛び級】の条件ってどんな感じになっていますか?」
と聞いてみた。
【インビジブル・サポーター】は、
『はい、【唯野様】、お答えします。
【ゲーム制作部】の場合、【ゲーム制作部】として、【部活動】で【創作】した【ゲーム】などと同等以上の【ゲーム】を現実世界で、完成させれば【条件】をクリアした事になります。
ただし、一作品ではなく、【4カ月】で1作品以上が条件となります。
つまり、1年間で3作品以上の【作品】の完成が条件としてあります。
また、【中等部】からの【飛び級】の場合は、【3カ月】で1作品以上、1年間で4作品以上が条件、
【高等部】からの【飛び級】の場合は、【2カ月】で1作品以上、1年間で6作品以上が条件、
【大等部】からの【飛び級】の場合は、【3カ月】で2作品以上、1年間で8作品以上が条件、
【院等部】からの【飛び級】の場合は、【6カ月】で5作品以上、1年間で10作品以上が条件と言うように、【飛び級】のための条件の難易度が変わりますのでご注意下さい』
と返ってきた。
「なるほど。でもそれはずっと【ゲーム制作部】だった場合でしょ?」
『はい。その通りです』
「(なるほど、なら念のために【崎本さん】と【星井さん】の【部活】も聞いておくか)
じゃあ、【アース・ヒーロー部】と【新世界創成神部】の場合はどうなるのかな?」
『はい、お答えします。【新世界創成神部】という【部活】は現在、存在しませんのでお答え出来ません。
【新世界創成神部】という【部活】が確立されてから、【飛び級】のための条件が作られるため、現時点では、【飛び級】のための条件も同様に存在しません。
【アース・ヒーロー部】についてはお答え出来ますが、それでもよろしいでしょうか?』
「あ、そうなの?
(そう言えば【新世界創成神部】は【星井さん】が【部長】になって新しく【創部】するって言ってたっけ)
じゃあ、【アース・ヒーロー部】だけでも教えてください」
『はい。ではお答えします。
【アース・ヒーロー部】の場合は、【現実】には存在しない【部活】であるため、条件が異なります。
ですが、基本的に【現実世界】での活動が評価の対象になるのは変わりありません。
【初等部4年生】での【飛び級】の条件は、どなたでもかまいませんが、心から人に感謝される事です。
物を拾ってのお礼程度では条件は満たしません。
その方にとって、人生を変えるとまでは言いませんが、肝を冷やすような状況を助けた場合、その方が感謝するしないに関わらず、評価の対象となります。
また、【中等部】からの【飛び級】の場合は、2人以上に、感謝されるに値する行動を取る事、
【高等部】からの【飛び級】の場合は、3人以上に、感謝されるに値する行動を取る事、
【大等部】からの【飛び級】の場合は、4人以上に、感謝されるに値する行動を取る事、
【院等部】からの【飛び級】の場合は、5人以上に、感謝されるに値する行動を取る事が条件と言うように、【飛び級】のための条件の難易度が変わりますのでご注意下さい』
「なるほど。解りました。
(なら、今度は初等部5年と6年で僕が入ろうと思っている【部活】についても聞いてみようかな?)
じゃあ、そうだな、【コレクター部】と【カプセルトイ部】と【アート創作部】と【仕掛け絵本部】についても【飛び級】の条件って教えて貰えるかな?」
という様に次々と質問して、【インビジブル・サポーター】が答えて行った。
【飛び級】のための【条件】を聞くのもそろそろ良いかと思った【芳一】は質問の内容を変える事にした。
「僕は、今のところ、【初等部4年生】は【ゲーム制作部】を選択しようと思っているんだけど、一年間の【部活】の流れって言うのを簡単に説明してくれるとありがたいのだけれども」
と聞くと、
『はい、お答えします。【初等部4年生】での【ゲーム制作部】については、基本的に活動は自由となっています。
【部員】の方は、【ゲーム】を考えて、それが出来たら、【部員】同士の発表会として、その【ゲーム】をプレイしたりします。
希望者のみですが、年中行事なども多少あるようです。
ですが、現時点での【部員】の方の中に、【部活動】を放棄され、【部活静】をされている方が何名かいらっしゃいます』
「(【部活静】、確か前に聞いたな。なんだっけか?
記憶が正しければ【部活動】をしない【部員】の事をそう呼ぶとか言ってたっけ)
あの、【部活静】をしている人って何もしないんですか?」
『はい。【部活静】を選択なさる方は、二通り理由があります。
一つは、現実世界でのショックがまだ抜けきれない方が、静養のために選択するケース。
もう一つは他の【部員】の方との実力の差を目の当たりにして、ショックを受けてやる気を無くしてしまうケースです。
【ゲーム制作部】の場合、後者のケースが多いですね』
「え?どういう事ですか?」
『最近になって【神奈川県立夢異世界部活学校】から【転校】して来た方がいらっしゃいまして、その方は、もうじき、【進級】の時期を迎えるのですが、【飛び級制度】を選択なさっており、【初等部5年生】では無く、【中等部1年生】に【飛び級】になるとほぼ決まっている状態にあります。
先ほどもお伝えした【現実世界】での課題をクリアしており、最後の【試験】を合格すれば、その方は【飛び級】される事になります。
その方の実力を目の当たりにして、何名かはやる気を喪失した様です。
【転部】したいと言っている方も居て、他の【部員】の方が後数ヶ月の辛抱だからとなだめられている状態の様です』
「え?そんな人が居るの?」
『はい。【唯野様】が明日、【ゲーム制作部】を選択なされば、3日間、明後日選択なされば、2日間、その方と一緒に【部活動】をする事になります』
「何か怖いなぁ~」
『ですが、その方は【唯野様】とお逢いしたくて【都立夢異世界部活学校】に【転校】したそうです。
もしかして、貴方様に会えるかも知れないと希望を持っておられるご様子です』
「え?僕が知っている人なの?」
『【天村 能活】という方です。ご存じありませんか?』
「もしかして、【大門 隼人】とか言う高校生が言っていた人かな?
その人も現実世界でショックを受けてここに来て居たんだ?」
『はい。その方は約一年前に【神奈川県立夢異世界部活学校】に【入校】されています。
理由は貴方様が正統に評価されない事でショックを受けてとの事です。
本来であれば、他の方の【入校】案件はその方が語るまで秘匿としていますが【天村様】の場合は貴方様のことが【入校】に関わっているため、お伝えさせていただきました』
「え?僕が原因なの?」
『はい。その様です』
という話になったのだった。
約一年前と言えば、【芳一】が【悪徳出版社】と揉めに揉めてぐっちゃぐちゃになっていた時だ。
その時の事をブログなどで書いていたが、それを見てショックを受けていたという事なのだろうか?
よく解らないが、自分にその原因があるなら申し訳ないなと思う【芳一】だった。
こうして、様々な事を聞いて、【芳一】の【部活選択決断日1日目】は終わったのだった。