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プロローグ33 【9月24日/部活見学7日目】1/久しぶりに会いませんか?1

 夜が明けて、9月24日となった。

 今日は水曜日だ。なので普通に今日も【バイト】がある日だ。

 ここの所、色々あって、午後からの創作活動がおろそかになっている。

 そろそろ、真面目に活動しなくてはと思っていたのだが、どうしたものか?

 昨日は【大門(だいもん) 隼人(はやと)】と言う高校生に絡まれたが、今日は居ない様だ。

 さすがに2日連続、【学校】をサボる訳には行かないと言う事だろう。

 今夜の【部活見学】は【芳一】と【桔梗】にとっては【ラスト】と言う事になる。

 【瑠璃】の希望で、元々予定していた【コスプレ部】から【シチュエーション(SITUATION)イベント(EVENT)部】に変更する事になっている。

 【芳一】は、【ゲーム制作部】にしようと決めているから、7日目は何であってもかまわない。

 ただ、【芳一】は、明日の【夜】、【ゲーム制作部】を選択しようと思っていたが、そこで【待った】が入る事になる。

 【桔梗】と【瑠璃】からの【DM】が届き、明日から3日間ある、【部活選択】だが、回答は3日目まで待って欲しいと言ってきたのだ。

 理由は、3日目まで待てば、初日に【部活選択】をすると言う【瑠璃】とも同じ【日】になる9月28日から【初等部4年生】として【活動】する事が出来ると言う事になるからだ。

 【入学】と【進級】を3人で一緒にしたいと言う彼女達の希望だ。

 人の良い【芳一】は、少し迷ったが、その提案を受け入れた。

 ただし、同じ【部活】にするかどうかはよく考えて自分が出来る【部活】を必ず選択する事という条件を付けてだ。

 【桔梗】としては、【初等部4年生】は、昨夜体験した【アース・ヒーロー部】で【部活】をしようと思っていると言っていたし、【瑠璃】は、【新世界(しんせかい)創成神部(そうせいしんぶ)】と言う【世界】を作る【造物神(ぞうぶつしん)】になって自分の好きな【異世界】をゼロから作る【部活】を創部したいと言う希望を持っているらしい。

 【芳一】の希望している【ゲーム制作部】と【桔梗】が希望している【アース・ヒーロー部】は既に【部活】として活動されているが、【瑠璃】が希望する【新世界(しんせかい)創成神部(そうせいしんぶ)】は、まだ誰も【活動】していない。

 【部活】を選ぶとき、【新入生】達は【部活見学】をして、気に入った【部活】を見つけ、その【部活】に【入部】するか、新しい【部活】を作りたい場合は、【新入生】が【部長】となって、新たな【部活】を作るかの【2択】になる。

 【前者】の場合は、【部員】として、先駆者である【先輩達】の活動している【部活】のルールに従って【活動】する事になる。

 それに対して【後者】の場合は、自分が【部長】として、先駆者になるので、【部活】の【仕組み自体】を自由にカスタマイズ出来るという【特権】が与えられる。

 【瑠璃】はそれを選択する様だ。なかなか勇気のある選択だと【芳一】は思っていた。


 また、以前務めていたいくつか前の【会社】で【同僚】だった男性、【上城(かみしろ) 裕治(ゆうじ)さん】60歳がDMで、

【お久しぶりです。

 どうされていますか?久しぶりに会いませんか?

 私は相変わらず【イラスト】描いてます。

 久しぶりにお話したいです】

 と連絡が来ていた。

 【芳一】は、これまでの【創作活動】を同僚だった人に見せたりしていた。

 同僚だった期間に仲良くなり、自分の【創作活動】を話したりして意見を聞いていたりした。

 全員では無いが、【芳一】が仲良くなった【同僚】達とはその後も【メール】で連絡を取るようになっており、【悪徳出版社】との事が無ければ、一週間ごとにこれまでの【作業報告メール】を打っていた。

 【芳一】はそう言うマメなところがあった。

 【上城さん】ともそう言った流れで知り合った【友達】の一人であり、当時、【芳一】が先に【印刷会社】に入社して、バリバリ働いていた時に、中途採用で彼もやって来ていて一緒に帰ったり、飲みに行ったりして、その過程で、お互いがプライベートで活動している事を報告しあっていた。

 当時は、【上城さん】は【漫画】、【芳一】は【ゲームのルール】を作っており、お互いの作業報告などをしあっていた。

 最近だと、【上城さん】は小さな【イラスト】で【応募】して、ちょっとした賞、入選や佳作などを取っていたり、(賞金が3万とか5万程度のもの)【仕掛け絵本】を制作したなどの報告を受けていた。

 【芳一】も、【小説】を【悪徳出版社】から出す事になったと言う報告を最後にしばらく連絡していなかった。

 【芳一】は【上城さん】意外にも、年上の男性から好かれるタイプであった。

 もちろん、恋愛対象としてでは無く、彼の創作活動が年上の男性達に好感触だったのだ。

 なので、【上城さん】以外にも【海堂(かいどう) 一郎(いちろう)さん】61歳、【前野(まえの) 亮二(りょうじ)さん】59歳、【古居(ふるい) 耕作(こうさく)さん】62歳など【芳一】より一回り年上の【友達】が意外と多くいた。

 この4人はいずれも彼が【転職】を繰り返していた時に同僚だった人達だが、いずれの人とも【創作活動】の話をしたり、飲みに行ったりしていて、【芳一】は、一週間ごとに【作業報告メール】を打ったりしていた。

 【海堂さん】に居たっては彼に【小説】の作り方をレクチャーしていた事もある。

 老後のボケ防止のために、【小説】の作り方を教えて欲しいと言われ、【芳一】は、彼に対して馬鹿丁寧とも言える【小説】の書き方などを63ページもの【手紙】にして、送っていたりしている。

 つまり、【弟子】を取っていたと言う事になる。

 その中の教えの一つをチョイスして紹介すれば、

【海堂さん、例えば、小説の視点について解説しますが、小さな男の子が大切なペットの犬に逃げられて行方不明になった時、大の大人が何十人もかけて探しましたが、結局は見つかりませんでした。意外にも犬を見つける事が出来たのは、小さな男の子でした。

 それは何故でしょう?理由は小さな男の子の【視点】です。

 大人がいくら探しても犬が見つからなかったのは、大人達の身長では犬は見つからない位置に隠れていました。

 ですが、子供の目線でははっきりと解る位置に犬が居たのです。

 この様に、【キャラクター】の目線を考えて【小説】のネタを考えるのも一つの手法です】

 と言ったように、【物語】の作り方について事細かに、分かり易い例を挙げて解説して行ったのである。

 ただし、残念ながら、【海堂さん】は小説を作れなかった。

 あまり細かく丁寧にやってあげ過ぎるとされた方は考える事を止めてしまう。

 【小説】を書く人を育てるのには教え過ぎは良くないと言う事を【芳一】は学んだと言うエピソードもあった。

 何でもかんでも教えすぎると言う事は相手の考える力を奪うことに等しいのである。

 と言った様に、【年上の男性】達とのエピソードも事欠かなかった。

 そう、【芳一】はこれまで色々、やってきているのである。

 そう言った行動を取っていた彼だからこそ、しばらく連絡が途絶えた【芳一】を心配して元同僚の友達が声をかけてくれる様になっていたのだ。

 【芳一】は、

「【上城さん】か、懐かしいな。

 しばらく会ってないな。何年になるだろう?ちょっと会ってみようかな?」

 とつぶやき、【上城さん】と会う約束をするために電話をかけたら彼は、会社を退社していて、いつでも会えると言う事なので、せっかくだから今日の午後、会ってみる事になった。

 彼は【埼玉県東所沢市】に住んでいる。【芳一】は、【東京都板橋区】なので、距離的にはそれほど遠くはない。

 【アルバイト】が終わって会おうと思えば会えない事もない距離だった。

 行くとしたら、【芳一】の方が、【上城さん】が住んでいる所の近くまで出ると言うのがこれまでのパターンである。

 なので、今回もそっちのパターンかと思っていたら、彼は【大宮】に来ていると言っていたので、そっちで会うことになった。

 【大宮】と言えば、【海堂さん】が近くに住んでいて、彼と会う時は、【大宮】で会っていた。

 一応、【海堂さん】にも【上城さん】にもお互いの事を説明しているが、2人と同僚だったのは別の時期であり、2人に面識はない。

 タイプも違う2人なので、気が合うとも言えず、ついでだから【海堂さん】とも会うという訳には行かないだろう。

 【海堂さん】は比較的気の強いタイプ、【上城さん】は大人しいタイプだから、一緒になると【上城さん】が萎縮してしまう恐れがある。

 せっかく、【上城さん】が会いたいと言ってくれているので、【海堂さん】には声をかけずに、2人で会う事にしたのだった。

 【上城さん】達と会うときのパターンはある程度決まっている。

 【芳一】は朝の内に【自分の創作活動】の一部を【プリントアウト】して彼と逢うときに持っていく事にした。

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