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プロローグ3 残された6名

 【都立(とりつ)夢異世界(ゆめいせかい)部活学校(ぶかつがっこう)初等部(しょとうぶ)】の理事長、【河瀬(かわせ) 萌和佳(もなか)】が去り、後に残された6名。

 一人は、【唯野(ただの) 芳一(ほういち)】だ。

 残りは男が3人、女が2人だった。【芳一】以外の5人は黙っている。

 あまり積極的に話そうと思っている人間は居ないようだった。

 話す気力がある人間、それは【芳一】だけだった。

 まず、【芳一】と言う人間は如何なる人物か?

 それは興味を持った物事に対しては、何でも挑戦すると言う【行動力】の塊の様な人間だった。

 仕事をしていても実力の無い社員の代わりに引き受ける事も厭わない人間だった。

 だから昇給もしていたし、それで、家を購入出来るほどの高給取りでもあった。

 だが、彼は、そのお金を家のためには使わなかった。

 自分が考えた物を色々と発表する事に力を注ぎ、開発資金などで失費して行った。

 また、漫画を読む趣味を持っており、たくさん、漫画を購入したり、趣味として色んなイラストを描いたりもしていた。

 ゲームなどもやっており、音楽もそれなりにたしなんだ。

 つまり、彼は多趣味であり、恋愛などにお金を使うと言うよりは趣味や発明などにお金を使っていた。

 そうした人生を歩んでいた時、発明は特許料や維持費がかかると言うのもあって、割に合わないとして、【発明】を主催している【会】の重鎮に相談するなどして、権利にお金がかからない【著作権】に目を付けた。

 彼はそこから【ボードゲーム】などのルール作りを始め、400以上の【ルール】を考えた。

 彼は何事も極端から極端な男だった。

 そこから【イラスト】などの練習もしたり、ネットで投稿するために【ホームページ】の作成なども学んだりした。

 また、彼が27歳の時、同僚の女性から【小説】を紹介され、【小説作り】にもはまった。

 【小説家】でイラストも描ける人は少ないが、彼は自分のイメージした文章を【イラスト化】して確かめる事が出来、よりリアルな表現が出来る様になっていた。

 また、【発明家】としても活動していた経験から、斬新な【アイディア】を色々と【小説】の中に盛り込む事が出来ていた。

 【創作】のイベントがあれば自作のオリジナル名刺などを配り様々な【クリエーター】達と話したりすると言う行動力もあった。

 彼は作った【小説】を自分の【サイト】を作って公開したりしていた。

 そこに目を付けたのが【悪徳出版社】だった。

 根が純粋で生真面目な彼を言葉巧みに騙し、【自費出版】として、出さないかと持ちかけた。

 【芳一】はその話に乗り、未発表小説の多くをその【出版社】に渡した。

 が、そこから、一転、【出版社】は手のひらを返す様に、彼の小説を別の作家名義で発表した。

 それらの【小説】は斬新な設定のため、売れに売れたが、彼に【印税】が入ることは無かった。

 当然、彼は、法に訴えたが、この【出版社】が盗作するのはもはや常態化しており、それをだまし取ると言う事は日常的に行われ、あり得ない証拠をねつ造されて、彼は裁判で大負けした。

 そのため、弁護士を雇っていた分も含めて、彼には損害だけが残ってしまった。

 彼は泣き寝入りするしかなかったのだ。

 悔しくてたまらなくなり、彼は【心療内科】に通う様になり、自殺も何度も考えた。

 そんな時に彼は【萌和佳】に声をかけられたのだ。

 そんな彼が主体となり、話しかけた事により他の5人の素性も解った。


 まずは、男性3人の素性だ。

 一人目は、【児玉(こだま) 二郎(じろう)】62歳だった。

 この中では最年長と行った所だろうか。

 彼が願いを叶えるには最低20年必要だから願いを叶える頃には彼は82歳。

 そのため、彼の願いには【若くなりたい】と言う項目は外せないだろう。

 そこまで生きていないと行けないと言う事が絶対視される。

 そんな彼の人生は、脱サラして【ラーメン屋】を開くために努力したと言うものだった。

 彼は元々料理好きで、色んな【料理】を作っては親しい人達に食べてもらっていた。

 彼がサラリーマン時代に、

「二郎さんは絶対に料理屋をやった方が良いよ」

「二郎さんの料理は最高だね」

「二郎さん、私にも作って」

 などとよく褒められていた。

 そんな彼が気をよくして、開店資金も貯まったとして、長年勤めて来た会社を退職し、一等地に店を開こうとして、それまで友人だと思っていた人物に、開店資金を全て持ち逃げされた。

 開店出来ないまま、一等地の家賃で借金が重なり、破産手続きもした。

 そこから奮闘して、再起を計ったが、またしても運転資金を持ち逃げされて、借金が残ってしまった。

 人の良い【二郎】は言葉巧みに近づいてくる悪党を信用し、騙される事が多かった。

 そんな彼も60を過ぎて、絶望感から自らの命を断とうとした時、【萌和佳】と出逢ったと言う訳だ。


 二人目は、【片岡(かたおか) (みつる)】48歳だった。

 彼はバツ4の独身となる。

 彼はそんなにモテるのかと言うと、そうではない。

 悪女達に搾り取られるだけ、財産を食いつぶされ、資金が枯渇すると、他の男と浮気をして、4度も出て行かれたと言う経緯の持ち主だった。

 その度に離婚となり、今度こそはと思い、再婚するが、また浮気を繰り返されて破局すると言う不幸を持っていた。

 彼は小さな会社を経営していたが、それらの事があり、毎回潰していた。

 彼の仕事はとても丁寧で評判は良かったが、妻達の評判は最悪だった。

 周囲からは【財産を食いつぶす鬼嫁】との評価だった。

 彼は女性を見る目が無いと言えるだろう。

 彼は女性とささやかながらも幸せな人生を歩みたいと思っていたが、悪女達から言わせると、

「あんなつまんない男のために結婚してやったんだから、感謝して欲しいくらいだわ」

 と言う言い訳が返ってくる。

 結局は彼の商才に目を付けた悪女が財産目当てに近寄ってきただけなのだ。

 そんな不幸エピソードの持ち主だ。


 三人目は、【森永(もりなが) 郁郎(いくろう)】34歳だ。

 彼の不幸エピソードは、【漫画家】として活動していたが、妹に近づいてきた反社の人間に因縁を付けられ、腕を傷つけられたのだ。

 それにより、彼は思った様に【手】が動かなくなり、【漫画家】を辞めざるを得なかったのだ。

 その後も彼の【印税】に目を付けた反社の人間からの言いがかりでもある迷惑料という執拗なたかりがあり、彼の財産は底を突いた。

 そして、絶望し、【萌和佳】に声をかけられたと言う事だった。


 続いて女性2人の素性だ。

 一人目は、【須藤(すどう) 藍子(あいこ)】36歳だ。

 彼女は男に裏切られると言う人生だった。

 クズ男を好きになる体質で、彼女が恋人になるのは最低のヒモ男ばかりだった。

 彼等を贅沢させるために夜の仕事を続けていた彼女だったが、それも限界だった。

 ささやかな結婚を夢見ていた彼女だったが、男に利用されるだけ利用されて、飽きたら捨てられると言う人生だった。

 それに対して、自分自身も嫌気がさして、死のうとした時、【萌和佳】に声をかけられたと言う事だった。


 二人目は、【崎本(さきもと) 桔梗(ききょう)】28歳だった。

 この中では最年少だ。彼女は飛び抜けて可愛らしい。

 それを証明する様に彼女は【アイドル】をしていたという。

 【インディーズ】で活動していたが、それなりに【ファン】も付き、いよいよ【メジャーデビュー】か?と言う時、悪質な何人かの【自称ファン】による【悪質】な【ストーカー行為】に悩まされ、【人間不信】にまで追い込まれたと言う経緯もある。

 【マネージャー】も居たが、守ってくれなかった。

 そんな彼女は【活動休止】を余儀なくされて、気付いたら、【アイドル】としては引退も迫る様な28歳となり、彼女は憧れていた【メジャーデビュー】も出来ずに過ごす内に、絶望感から飛び降りようとしていた時、【萌和佳】に止められたと言う経緯だった。


 以上が、6人の素性だった。

 6人はそれぞれの事情を説明だけして、それぞれ、去っていった。

 やはり、うち解けるにはまだまだ、人間を信用出来る程、精神が回復していなかった。

 それは【芳一】にも言える事だ。

 彼はまだ、【精神科】に通っているのだから。

 こうして、彼等の【夢の中の一時】は終わったのだった。


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